米マサチューセッツ州セイラム村(現在のダンバース)の魔女裁判は、1692年3月1日から始まった恐ろしい裁判でした。
2018年9月17日、日テレの「世界まる見え!テレビ特捜部」でも取り上げられますよね。
200名近い村人が魔女として告発され、19名が処刑され、1名が拷問中に圧死、5名が獄死しました。
魔女であるとされた人たちは、残酷な方法で裁判にかけられ、その罪が「証明」されたのです。
今回は、セーラム裁判で行われた、魔女であることを証明するための10の理由と証拠は何だったのかをを見ていきましょう。
1.夢で魔術を使うのを見た
夢や幻視、幻聴で、ある人物が悪魔の命令に従って魔術を行うのを見たという、告発者の主張です。
自分の夢で魔術を使っただけで、魔女扱いはきついですね。しかし、この頃は夢でみたことが、お告げとか未来予告になると信じられていたのです。
ですから、この証拠は、告白された者を有罪にするのに十分だったと思われます。
でも、自分が魔術を使ってる夢を見ちゃったら、どうしてたんでしょうね。
2.病気になる
黒魔術を使う魔女の容疑者たちは、全身に「罪のしるし」をいれているといわれました。
死や病気が魔術によって引き起こされると信じられていたので、病気にかかれば、「罪のしるし」とされたのです。
「病は気から」ともいわれますが、それが黒魔術を使っている理由で、病気というのは、飛躍しすぎていますよね。
3.魔女のケーキを食べると悲鳴をあげる
ブードゥー教では、ライ麦と、魔女の邪悪な魔術に苦しんでいる少女の尿でできた魔女のケーキを、犬に食べさせます。すると、魔女だとされている人は痛みに叫び声をあげるという言い伝えがあります。
これは、邪悪な自分の一部を送って、犠牲者にたたり、それが犠牲者の尿の中に現れ、その尿を使ってケーキをつくる。そして、そのケーキを犬に食べさせると、魔女は自分の一部を食べられているので、苦しむ、ということです。
すでにアメリカではキリスト教信者が大半であったのに、どうしてここで、ブードゥー教の教えを出してくるんでしょうか?
そんな尿入りケーキを犬に食べさせるのなら、告発者が自ら食べて、証明すればいいのに、、。
4.ホクロや痣がある
「魔女の乳首のように冷たい」という表現がありますが、これは、ホクロや痣、皮膚の傷跡などのことを言っています。魔女ならみんなこのホクロや痣を持っていると信じられました。
すべての人間は、ホクロ、痣、傷跡のどれかをもってますよね!?
判定方法は、ホクロなどを針で突いても、血が流れたりせず、何も感じなければ、被験者は魔女だとされました。これは裏工作が合って、針は、わざとなまくらな尖っていないものが使われたため、何も感じないのを簡単に「証明」することができたのです。
5.占いの本をもってる
告発された人の家を捜索し、人形や、薬の入った大釜、手相や星占いに関する本などがあれば、魔術を使うとされて、有罪になりました。
神秘的な夢のお告げを信じているのに、占星術のような占い本は、悪魔の証拠とは矛盾してますね。現代なら女子の80%は魔女になってしまうでしょう。
6.聖書を暗証できない
告発された者は、主の祈りをどもったり、言いよどんだりせずに、間違いなく暗誦できるかを試されます。
普通の人にとっても暗証はできないのが、ほとんどなのに、裁判は神の目前で開かれているので、間違いは許されないこととされました。
読ませる前に、告発者が先に読んでみろ!って感じですよね。
これは、生まれながらにして、脳に障害のある人や、言語障害がある人達にも、魔女の疑いがかけられれば、正確に暗唱することを強要されました。
7.痛みを治す
魔術に苦しみ、興奮している人が、魔女として告発された人に触れられると、急におとなしくなったら、魔女の証拠。
魔女は取りつかれた人の魂を蝕んでいて、魔女の目から発せられるという邪悪な毒気が、おとなしくさせ苦しみや病気をおとなしくさせると考えられました。
病気を治してあげて、魔女扱いじゃ、やりきれないです。
8.拷問で自白する
疑いをかけられても、魔女だと認めようとしない人は、拷問によって自白を引き出されました。
「水責め」は最も多かった拷問でした。魔女であるというまで、繰り返し水の中に沈められました。
拷問による自白の強要ですね。映画のヒーローじゃないから、普通は拷問にかけられたら、してもいない罪を認めちゃいますよね。
「重い石をのせる」ということもしました。体の大きさの板の上に、大きな石をたくさん乗せて、体を圧迫させるのです。
これでは、喋りたくても、話せないし、息もできないので、自白することは無理に決まってます。
それから「水に沈める」拷問もありました。これは体に重い石をつけて水の中に放り込まれるのです。そして、体が浮けば、魔女だとされて、別の方法されます。
これは、誰での沈んで死んでしまいますよね。何かの加減で運良く浮かんでこれても、やっぱり死刑です。生き延びられる選択肢は全くないんですね。
まとめ
この理不尽な妄想と、まったく根拠のない魔女裁判は、厳格主義に煽られた集団ヒステリーの暴走の例として有名です。
現代では、村や町全体で根拠のない妄想に囚われ、一部の人を排除しようと暴力を振るうことは、少ないです。しかし、カルト集団でもこういった理不尽な行為が時たまニュースになりますね。
思想、信念、人からの感化は、恐ろしいものだと思い知らされる歴史的な事件でした。