アメリカの現代美術家、ジェフ・クーンズ(Jeff Koons)。
有名な作品は、バルーンの犬を型どった金属製の犬ですが、最近、うさぎの像が、存命現代美術家では最高値で、クリスティーズが発表しました。
競売大手クリスティーズは15日、米国の現代芸術家ジェフ・クーンズ氏が制作したステンレス製のウサギの像が、約9100万ドル(約100億円)で落札されたと発表した。存命の芸術家による作品の落札額としては過去最高だという。
5千万~7千万ドルの予想価格を大幅に上回った。像は1986年のもので、高さ約1メートル。子ども向けのバルーンに着想を得た作品だという。
出典:共同通信
<引用元:nypost.com>
本記事では、ジェフ・クーンズの経歴、作品、2019年 日本での展覧会を紹介します。
過去に盗作で起訴されたこともあるそうですが、どの作品でしょうか?
ジェフ・クーンズのプロフィール・略歴
<引用元:vanityfair.com>
1955年、アメリカ、ペンシルベニア州ヨーク生まれ。
ボルチモアのメリーランド・インスティテュート・オブ・カレッジオブアートとシカゴ美術館付属大学で芸術を学びました。卒業後は、ウォールストリートの商品仲買人をやり、1980年代に美術家として認められます。
「クーンズ」というタイトルの彫刻のシリーズで個展を始め、米国とヨーロッパで人気が高騰します。
2014年には、1978年から現在に至るまでの100以上の彫刻や絵画からなるクーンズの作品の回顧展がニューヨークのホイットニー美術館で主催され、注目を集めました。
<受賞歴>
- ペンシルベニア芸術評議会 知事芸術賞「芸術賞」
- アチーブメントアカデミー 「ゴールデンプレート賞」
- ジャック・シラク大統領は、オフィシャル・ド・ラ・レジオン・ドヌールに昇格
- 国務長官ヒラリー・ロダム・クリントン氏は、国務省の芸術勲章を授与
- オックスフォード大学のエドガーウィンドソサエティ ビジュアルカルチャー貢献賞を受賞
またクーン氏は、児童虐待児童センター(ICMEC)の役員を務め、ICMECと共に「Koons Family International Law and Policy Institute」を共同設立しました。
現在、ニューヨーク在住。
ジェフ・クーンズの代表作品
<引用元:thestranger.com>
「マイケル・ジャクソンとバブルス}1988年
<引用元:smithsonianmag.com>
「パピー」 スペイン ビバルオ・グッゲンハイム美術館
<引用元:www.saic.edu/>
「バルーン・ドッグ} 1994−2000年
他の作品も動画で御覧ください。
クーンズへの批評は両極端で、ジャンルも曖昧です。
視覚的に大きなインパクトがあり、作品自体をそのまま受け止められるといった絶賛もあれば、富裕層好みの作品だけをつくる退廃した芸術家と批判を受ける場合もあります。
私個人としては、クーン氏の巨大な像は、バカバカしくも可笑しく、楽しい気分にさせてくれる上に、美しいと感じられる色彩を使って、人々の心を明るくする作品に受け止められます。
特に公共の場に設置、もしくは展示される作品であれば、見た瞬間に微笑みがあふれるような芸術品が、これからの社会には益々求められるのではないでしょうか?
ジェフ・クーンズの盗作 彫刻 Fait d’Hiver
<引用元:https://news.artnet.com/>
「Fair d’Hover」は1988年の作品で、2014年にポンピドゥー・センターでクーンズの回顧展で展示されたものです。
これが、フランスの衣料品の広告の盗作だとして、広告会社が著作権侵害を訴えました。
<引用元:https://news.artnet.com/>
フランスの裁判所は、広告会社の「1980年代半ばの自社の広告写真の盗作である」という主張を認め、ジェフ・クーンズとその関係者に、損害賠償として約1750万円の支払いを命じました。
クーンズ氏は他にも写真からの盗作などで、過去4回ので有罪判決を受けています。
<引用元:https://artofericwayne.com/>
左:ジェフ・クーンズ「子犬の紐」
右:写真家 アート・ロジャーズ「子犬」
2019年 日本での展覧会は?
現在、日本でジェフ・クーンズの個展、展覧会は予定されていません。
2019 年は、イギリスのオックスフォード、アッシュモーレン美術館で、2月7日から6月9日まで展覧会が予定されています。
ジェフ・クーンズの様々な作品をご覧になりたい方は、ジェフ・クーンズのサイトwww.jeffkoons.comへどうぞ。