コンテンポラリー

日本のバンクシー(港区のネズミ)は本物なのに、バンクシー本人が作品を認めない理由は?

港区の防潮扉に描かれた、傘をさしたネズミの絵が、バンクシーの真作である可能性は非常に高いそうです。

しかし、専門家たちは、バンクシー本人がこの作品を認める可能性は低いと言われているのはなぜでしょうか?

本記事では、他の場所にあるバンクシーの傘をさしたネズミの絵の紹介と、なぜ、港区にある作品を、バンクシーが本物であると認めないのかを考察していきます。

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バンクシー作品 傘をさしたネズミのある場所

港区に描かれた傘をさしたネズミと、全く同じステンシルアートはロンドンに2箇所あります。

民家の壁に描かれたものです。以前は壁全体に様々な落書きがあったのですが、バンクシーの絵だけが残され、あとは白く塗り消されました。

こちらは、スーパーマーケットのメタルの新聞受けに描かれたネズミ。新聞受けにもバンクシーは好んで作品を残すようです。

バンクシー 港区のネズミの絵は本物なのか

「banksy mouse umbrella」の画像検索結果

専門家たちの鑑定の結果、バンクシーの真作である可能性は非常に高いようです。

筆者も、バンクシー関係の出版物や映像をいくつもチェックしましたが、この傘を指したネズミの絵を「2003年 Tokyo」として紹介しているものが多かったです。この時期は、確か、ソニーや他の大手企業がバンクシーのグレイシャーをCMに使用したくて、バンクシーと交渉していた頃ですから、本人が日本に来ていた可能性も高いと思われます。

しかし、専門家達は、バンクシー本人が本物と認める可能性は低いと言っているのは、なぜでしょう?

現在では、バンクシーからの犯行声明はでていませんし、プレス関係者がコンタクトを取っていますが、返事はきていないようです。

バンクシーが港区のネズミの絵を認めない理由を考察してみました。

防潮扉から、切り取られてしまったため、芸術性がない

「バンクシー ネズミ 東京」の画像検索結果

真偽を検証するために、防潮扉が切り取ってしまったことが、問題であるとも言われています。

本来はグラフィティアートであるため、建築物に描かれていることに、芸術的な意味があるわけです。それを検証のためとはいえ、扉から切り取ってしまっては、ゲリラアートとしての意味はなさないので、あるべき姿を失ってしまって、バンクシーの意図とはすでに違ったものになってしまったからかもしれません。

価値がなくなってしまった

バンクシーの作品の描かれた建造物は、落書きをされたからといって、その建物の価値が下がるどころか、上がっています。

観光地として収入が入るので、芸術という名目で、ロンドンの行政機関は、バンクシーのグラフィティアートを認めて、消去はしないようにしているとか。また、バンクシーが壁に絵を描いているところを、警察機関に発見されても、犯罪にはならないとまで言われています。

ですから、このように切り取ってしまっては、価値は非常に下がってしまうという見方もあります。

ネズミの絵に意味はなかった

2005年までに、バンクシーは様々なネズミの絵を書いています。「バンクシー ネズミ」の画像検索結果「バンクシー ネズミ」の画像検索結果「バンクシー ネズミ」の画像検索結果

最近ではあまりネズミをモチーフにした作品はないようで、人物が多いようです。切り刻まれた「風船と少女」や「新年の挨拶」などは皆が知るところですね。「バンクシー」の画像検索結果

傘を差して小さなスーツケースをもち、どこかに行こうとしているネズミの姿の解釈はいくつかあります。

環境汚染がひどくネズミでさえ住めない、都市発展で物価が上がり、低所得者は快適になった街に住めなくなる、科学文化の過剰な発達は必要がなく、もっとシンプルに生きるべきだ、などその場所によっての意図があります。

しかし、もしかしたら港区のネズミは、さほど社会風刺的な意味はなく、落書き程度(バンクシー見参!のような)のつもりで描いたので、深い意図のない作品には、本人が認める必要がない、と判断するかもしれません。

バンクシー自身が確信がない

バンクシーは覆面アーティストといわれ、正体が不明ということになっていますが、特定の美術関係者やマスコミとはコンタクトを取っています。

バンクシーは1人ではなく、数人のグループであると言われています。そしてそのグループのメンバーも数年で入れ替わっている可能性もあるのです。

ですから、今から15年以上前に、日本の東京に描いたメンバーは、現在のバンクシーメンバーにはいず、バンクシーのものであると彼らも確信が持てないのかもしれません。何百というグラフィティアートを世界中で描いているわけですから、昔に描いた小さい絵のことは忘れている可能性もありますね。

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バンクシーの作品は展示されるのか?

このネズミの絵が、どこで展示されるのか、気になるところですが、まだ都は発表していません。

都内の美術館で保管され、定期的に展示するのか、それとも、もとあった防潮扉に戻し、その場所を観光地とするのかの決定は、まだしていないようです。

どちらにしてもグラフィティアートファンにとっては、早く公開してほしいものです。

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