日本画

長沢明【日本画】の経歴・作品・展覧会・巨大動物の親近感。

トラを代表的なモチーフとして制作をしている日本画家、美術家の長沢明(ながさわ あきら)さん。

画面いっぱいに広がる動物のモチーフに少しながらの恐怖を感じながらも、なにか懐古的な親近感を覚える作品が特徴ではないでしょうか。

ここでは、長沢明さんのプロフィール、学歴、経歴、賞歴、作品、展覧会を見ていきます。

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長沢明のプロフィール  学歴・経歴・賞歴

東北芸術工科大学|「想像力」と「創造力」を育み、確かな「就業力」へ引用元:https://www.tuad.ac.jp/teacher_info/nagasawa-akira/

生年:1967年

出身地:新潟県新潟市

学歴:東京芸術大学大学院日本画専攻修了

東北芸術工科大学教授 

長沢さんは運動が好きで、中学生の頃は野球選手を目指していましたが、それを諦め、もう一度自分が主役になれることを見直してみると、「絵」が心地よいことに気づいたそうです。その気持を今度は諦めず、3浪して東京藝術大学に合格しました。予備校時代には、当時藝大生の村上隆氏に教わり、彼の精神やアーティストとしての姿勢を学んだと語っています。

芸術学部長東京藝術大学大学院で加山又造氏に師事し、修了後、「柏市文化フォーラム104大賞展」でTAMON賞を受賞。ニューヨークで6カ月間の自由研修のため渡米。

1994年、ガレリア・グラフィカbisで初の個展を開催し、「祈り」を象徴的に表現したイコンシリーズを発表。

1995年、ロサンゼルスのモス・ギャラリーで開催された「L.A.インターナショナル・ビエンナーレ」、「アッサンブラージュ&コラージュ展」の出品作家として招かれ参加しました。

1997年に五島記念文化賞の美術新人賞を受賞し渡英し、帰国後は「本」そのものを土で封じこめる「土本」シリーズや、本を粉砕し再構築する「BOOK」シリーズを発表します。

2003年頃からは代表的なモチーフとなるトラ、動物を大画面に描き、明るい色彩でストーリー性の絵画へと展開しています。作風は、岩絵の具や箔、膠など日本画の伝統的な素材をいかしつつ、木、鉄、新聞紙、ファウンド・オブジェクトなどのさまざまな素材を使用し、独特な触感的表現を持つ抽象的な平面を構成しています。

現在は山形を拠点にし、東北芸術工科大学で教鞭をとりながら、制作を続けています。

主な受賞歴

1994 第5回柏市文化フォーラム104大賞展-TAMON賞大賞受賞、渡米
1997 五島記念文化賞美術新人賞受賞、98年まで渡英
2004 平成15年度文化庁買上優秀美術作品
2008 第16回MOA岡田茂吉賞優秀賞

長沢明の作品

Akira Nagasawa, Blue Whale | クジラアート, イラストアート, 日本画引用元:https://www.pinterest.com/pin/199143614748768120/

akira nagasawa | Tumblr引用元:https://www.tumblr.com/tagged/akira-nagasawa

Galleria Grafica Tokio引用元:http://www.galleriagrafica.com/en/artists/nagasawa.html

Tree of life引用元:http://www.galleriagrafica.com/en/artists/nagasawa.html

長沢明展 オワリノナイフーケイ(横須賀美術館)|美術手帖引用元:https://www.fashion-press.net/news/59264

画家・長沢明の初大規模個展が新潟市美術館で、3mを超える“トラ”や ...引用元:https://www.fashion-press.net/news/59264

長沢明の展覧会

「長沢明展 オワリノナイフーケイ」

長沢明《ブルーバード》2013年引用元:https://www.fashion-press.net/news/59264

会期:2020年5月12日(土)〜6月7日(日)

会場:新潟市美術館 企画展示室
住所:新潟県新潟市中央区西大畑町5191-9美術館
TEL:025-223-1622

各時期の代表作や巨大な「マントラ」、インスタレーション、新作を展示した長沢明初の大規模個展。

長沢明の絵本

引用元:https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=5782

一風変わった青いトラが荒野を歩き、シマウマやフラミンゴなどの生き物と出会います。「シマシマないのに?」「あおいのに?」。外見を理由に「トラであること」を否定され、トラは自信を失いますが、思いがけない出会いが、トラの内面を変えていきます。アイデンティティをテーマにした、幼い読者に不思議な余韻を残す作品。  出典:福音館書店

子供用の絵本ですが、絵本ファンであるなら、ぐっとせまってくる一冊です。

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時代を超越する巨大動物

長沢さんが「トラ」シリーズを描くきっかけは、阪神タイガースの優勝シーンを見ていて、ふと「トラ」が浮かんできたそうです。トラは昔から身近な動物ではなく、画家が実際見たことがなくとも、東洋の代表的モチーフとして、様々な芸術家が作品にしています。

長沢さんは、そんなモチーフとしてのトラの表現に多様性を与え、人間のユーモラスな表情や、喜怒哀楽の感情を与えています。

代官山トラ」 | モニュメントファクトリーホッカイ代官山トラ 引用元:https://monumentfactory-hokkai.com/works/2017/03/284/

震災以降はクジラやトリのモチーフも出てきて、明るいポジティブなストーリーが心に浮かび上がります。
 

どの作品も年代物のような印象を与えながら、今の時代の象徴や夢を与え、また心の中を覗かれているような気分にもなります。大画面に描かれた生き物たちの瞳は単純な描線によってできていますが、じっと見つめていると懐かしさがこみ上げてくるようです。

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