絵本作家のスズキコージさん。
ダイナミックで幻想的な絵は、大人にも人気があり、子供向けの絵本のイラストというより、ひとつひとつがテーマをもった作品であると感じます。
ここでは、スズキコージさんのプロフィール、学歴、経歴、賞歴、作品、著書、展覧会についてエピソードを交えて、見ていきましょう。
スズキコージのプロフィール 学歴、経歴、賞歴
本名:鈴木 康司
出身地:静岡県浜名郡小野口村(現浜松市浜北区)
生年月日:1948年2月28日
学歴:静岡県立浜松西高等学校卒業
スズキコージさんは、1948年静岡県で生まれ、兄弟も3人いたのですが、戦後の苦しい状況であったので、コージさんのみが育ちました。
子供の頃から絵は好きで、特にクレヨン画は周囲から褒められるほどでした。また山下清さんの展覧会に行ったときは非常に感動したそうで、のちの作品に影響を与えています。高校時代は美術部で油絵を描いていたそうです。 家の押し入れを自室に改造して、パリのエッフェル塔やカフェがある、オムレツの匂いが流れる雰囲気の絵を墨汁で三十枚ほど、一気に描きあげたとか。とにかく描くのが好きで、奇抜な文化祭の看板を描いたり、数学の答案さえも絵で書いてしまうようなとんでいる思考をもっていました。
大学は美大を受験しましたが、アカデミックなことに馴染めなく美大に行くことはありませんでした。高校を卒業し、赤坂の天ぷら屋に住み込みで就職。働きながらも絵は描き続けていて、19歳のころ、平凡出版(現マガジンハウス)に勤める叔父が、グラフックデザイナーの堀内誠一さんを紹介します。
それがきっかけで、「平凡パンチ」女性版の創刊号にイラストが載ることになりました。また、コージさんに絵本作家になるのを勧めたのも、堀内さんです。
23歳のとき、初めての絵本「ゆきむすめ」を出版。現在は、絵本や挿画のほかに、イラストレーターとしてポスター・壁画・舞台美術などでも活躍しています。
主な賞歴
- 1987年 「エンソくん きしゃにのる」小学館絵画賞受賞
- 1989年 「ガラスめだまときんのつののやぎ」「やまのディスコ」絵本にっぽん賞受賞
- 2004年 「おばけドライブ」第35回講談社出版文化賞絵本賞受賞
- 2008年 「旅ねずみ」第22回赤い鳥さし絵賞受賞
- 2009年 「ブラッキンダー」第14回日本絵本賞大賞受賞
- 2017年 「ドームがたり」第6回JBBY賞受賞
- 2018年 「ドームがたり」第23回日本絵本賞受賞
スズキコージの作品・著書
引用元:phttps://www.smokebooks.net/
引用元:https://kisspress.jp/articles/1908/
引用元:https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000138381
引用元:https://ameblo.jp/hinata-field/entry-12509832994.html
引用元:https://www.amazon.co.jp/
スズキコージの展覧会・美術館
さとうわきこ展・同時開催
会期:2020年7月4日(土)~9月6日(日)
会場:小さな絵本美術館
<八ヶ岳館>〒391-0115 長野県諏訪郡原村原山 八ヶ岳小さな絵本美術館
℡0266‐75‐3450
https://www.ba-ba.net/%E4%BC%81%E7%94%BB%E5%B1%95/
さとうわきこ展で同時開催として、所蔵品のスズキコージさんの作品も展示される予定です。
ちひろ美術館 所蔵 「やまのディスコティック」
引用元:https://chihiro.jp/foundation/news/20140331/
〒399-8501
長野県北安曇郡松川村西原3358-24
TEL:0261-62-0772
ちょっと怖い奇妙さの誘惑
スズキコージさんの作品は、色彩鮮やかでありながら奇妙な構図、モチーフの独特のデフォルメによって、不安定な恐怖を感じます。
ゴッホにも大きな影響を受けたそうですが、やはりコージさんにもすべての事象が、このように見えてしまうのでしょうか? 豪快なタッチでありながら、余白を許さないが、人物や動物に単純に描かれた瞳が強い主張をしているようにも思えます。
心が軽くなるような晴れ晴れとした印象を受けないのに、この奇妙とも言えるスズキコージワールドに引き込まれてしまうのは、私たちの潜在意識にあるパラレルワールドを表現しているのかもしれません。
