コンテンポラリー

白髪一雄の経歴・作品・展覧会は?フットペインティングが生み出したものは?

日本の前衛芸術の代表的画家 白髪一雄(しらが かずお)。

床にカンバスの置き、天井からぶら下がったロープにつかまりながら裸足で絵の具を混ぜながら描く手法で、晩年までこの手法を用いていました。

代表作品『水滸伝』にみられるように、深い色のうねったような大胆な作風は印象的ですが、初期の頃には可愛らしい絵も描いていたのは驚きました。

白髪一雄のプロフィール、経歴、学歴、賞歴を紹介し、作品や展覧会見ていきましょう。

白髪のフットペインティングは何を意味していたのでしょうか?

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白髪一雄のプロフィール 経歴・学歴・賞歴

「白髪一雄 臙脂」の画像検索結果"引用元:https://gensun.org/pid/

生年:1924年8月12日

没年:2008年4月8日 享年83歳

出身地:兵庫県尼崎市

学歴:京都市芸術大学日本画科 大阪美術研究所 油絵科

呉服商の家に生まれた白髪一雄は、高校時代から絵の才能を認められ、大学では日本画を学び、その後油絵に転向します。

1952年 28歳 金山明、村山三郎、田中敦子らと0会結成。

1955年 具体美術協会会員となり、第1回 具体美術展出品。この頃からアクション・ペインティングを始め、泥の中で動き回ったり、生涯続けるぶら下がりながら足で描くスタイルで作品を創作していきます。

1958年 「The Gutai Group Exhibition」展 ニューヨーク出品

1962年  パリで「SHIRAGA」展 と大阪で「白髪一雄個展」 を開催し、毎年のように国内外で個展を行います。

白髪は1960年後半から精神的な向上を求めて、密教に関心を抱き始めます。

1971年 比叡山延暦寺で得度し、法名白髪素道と号します。その後の作品には、密教の影響が色濃く表れます。アクション・ペインティングは継続するのですが、制作の前に、精神を集中させるために不動三尊像に祈りをささげるなどして、密教の精神は白髪の人生で重要な位置を占めるようになりました。

2008年 敗血症のため自宅で逝去 享年84歳

主な賞歴

  • 1959年 第11回 プレミオ・リソーネ国際展出品,買上賞受賞
  • 1987年 兵庫県文化賞受賞
  • 1999年 地域文化功労賞

白髪一雄の主な作品

難航 1949

「白髪一雄 初期作品」の画像検索結果"引用元:https://bijutsutecho.com/

無題  1961

「kazuo shiraga 」の画像検索結果"引用元:https://www.artsy.net/article/

激動する赤  1969 

2014年6月にパリで行われたサザビーズのオークションで、この作品は、1970年の大阪万博のみで展示されたのにも関わらず、390万ユーロ、日本円に換算して約5億4590万円で落札されました。

Daiitokuson  1973

Three exhibitions spotlight Japanese artist Kazuo Shiraga引用元:https://www.architecturaldigest.com/

臙脂   1983

「kazuo shiraga enji」の画像検索結果"

スターバックスコーポレーションの会長兼社長兼最高経営責任者、ハワード・シュルツ専用のオフィス・ルームには、白髪の『臙脂』が飾られています。

Ryusen 1991

「白髪一雄 1991」の画像検索結果"引用元:https://art-culture.world/articles/

白髪一雄記念室

「白髪一雄 記念室」の画像検索結果"引用元:https://amagasaki.keizai.biz/

白髪一雄記念室  第14回展示 「絵の道 仏の道」

会期:2019年10月5日〜2020年3月15日

場所:尼崎総合文化センター 4階
   〒660-0881 兵庫県尼崎市昭和通2丁目7番16号
   電話 06 (6487) 0806

密教をテーマとしたアクション・ペインティング作品や、墨で描いた仏像や梵字、関連資料なども公開。展示解説もあります。

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白髪一雄の個展

海を渡った画家たち

軽井沢現代美術館 - THE MUSEUM OF CONTEMPORARY ART, KARUIZAWA引用元:http://moca-karuizawa.jp/

東京オペラシティ アートギャラリー

会期:2020年1月11日〜3月22日
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2
電話番号:03-5777-8600 

東京初の大規模個展で、「0会」時代から1960年代の代表作品30点が展示されます。

フット・ペインティングが生み出したもの

白髪は、1951年からジャクソン・ポロックを知り、当時の抽象表現主義の枠を越えようとしました。それが天井からぶら下がり、床のあるキャンバスの上で絵の具を足で滑られていくというフット・ペインティングです。このユニークなアクション・ペインティングは、すぐには認められなかったものの、継続していくうちに白髪の独創性が評価されていきます。

ぶら下がって描くことによりダイナミックな曲線の表現や、不快さのない色彩の混合を生み出し 作品が活性化されています。海外では白髪の精神性、日本の歴史、密教のテーマと融合した作品であると評価されています。

「足で描く」ということは、パフォーマンスアートとしての一つの手法ではありますが、天からのパワーを地につけエネルギーの発散、流出ともいえるのではないでしょうか。フット・ペインティグの大胆な構図は、宇宙からの気を受け取り自然に表現していったとも思えてしまうのです。

参考:

https://www.levygorvy.com/artist/kazuo-shiraga/ http://art-u.gallery/blog/498/ http://www.oralarthistory.org/archives/shiraga_kazuo/interview_02.p
https://fergusmccaffrey.com/artist/kazuo-shiraga/

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