本・作家

高野秀行『間違う力』の感想  偏愛的な考察

高野 秀行さんは、東京都八王子出身の1966年生まれ。ノンフィクション作家であり翻訳家。

「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」をモットーとしているので辺境探検家という職業らしいですが、説明するのに面倒くさいのでノンフィクション作家としているそうです。

人気番組『クレージージャーニー』に何度も出演して、知名度がぐっと上がりましたね。この高野さんが自己啓発本みたいなのを書いているというので、『間違う力』を読んでみました。

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語学力は抜群だった

テレビ番組で、辺境地に行かれている映像を見てる時、言葉はどうしてるのかなー?通訳を雇ってるのか?とも思っていましたが、もう高野さんは、何十カ国後も話せちゃうのです。

ジャーナリストとして辺境地へ行ってるわけですから、通訳通さなくで自分で質問したほうが絶対いいですよね。ジャーナリストじゃなくても、普通の海外赴任の会社員でも、自分で話したほうが仕事は円滑に進みます。あーでも、高野さんがいく国はみんな、どこの国で言葉習うの?っていうところばかりですよね。それでも旅行前には、なんだかある程度の語学力はつけてしまうのです。現地で習うという手法もつかってらっしゃるようですが。

それなのに、高野さんは、「自分は語学力がない」なんておっしゃる。大学時代にコンゴ産のフランス語の本を訳しただけでも、もう目眩がするほどすごいです。語学はセンスが勝負ですからね。センスのある人は、どんな国の言葉でも簡単に覚えられるんですよ。才能の一つですね。

やっぱり好きなことだけする人だった

自己啓発本の今や定番。「好きなことをやりなさい」をガンガンしている人ですね。いや、好きなことしかしてないのでは?とも感じられます。

高野さんは、ゲシュタルト思考ができているというか、目的のためならぶれない人なんですね。こういう人は頭の構造がもう一般人とは、もうかなり違っています。常にゴールがあって、そのためにすぐ行動できて、ゴール以外の様々なことは、彼にとってゴミなんですね。ですから、合理主義者とも言えるし、ミニマリストとも言えます。好きなことをするために、することは苦労でも何でもなく、楽しいことのひとつ。ですから人から見たら極貧生活のようなこともできちゃうし、自分の体で人体実験ができちゃうんです。

好きなこと、したいことに、いつもグイグイ進んでいる高野さん、素敵です!

女性関係は?

多くの国々へ取材に行ってる高野さん。やはり、気になるのは海外での女性関係。どーしているんだろう?ストイックなタイプなのだろうか?と思ってもいましたが、やっぱり高野さんもそこは普通的男性のようです。

海外での誘惑は、きちんと受ける。「据え膳食わぬは、、、」ですよね。男なら。ご友人もそのタイプが多いようで、結局騙されちゃったりするのには笑えます。高野さんは女性関係は単なる娯楽の一種のようで、自分の仕事に差し支えがあれば、さっさと逃げたり、追い払ったりするダメンズ面を、ちゃんと持ち合わせているようです。

男性としては、そういうとこ共感できますよ。うんうん。高野さんのファンは、男性が多いのは、彼が探検家ということだけではないですね。こういうところも高野さんの魅力です。

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まとめ

高野さんは、すごい辺境地で非常に危険なこと、命を落とす可能性大の取材を多くなさっていますが、それを訥々と語るんですよね。大げさにいうわけでもなく、感情をこめて話すわけでもなく、まるで、いつもの朝ごはんを食べてるように。

そこに、彼のインテルジェンスが光っていて、他の冒険家とは一味違うものを感じます。取材をしている時は、テンションがあがっているのでしょうが、そこを魅せない鉄面皮だったり、作り笑いまるだしの笑顔も、すごく素敵です。

高野さんの考えや言動は、もう天上人のようなのですが、決してスピ系ではなく、人のために尽くしなさいとか、エゴの走るなとかを説いているわけではない。そしてかなり合理的な考えがあるのにもかかわらず、損得勘定に対しての観念が一歩先を行ってるところも、高野秀行の不思議さが増します。

好きなことを思いっきり、間違っても気にしないでどんどん行こう!という思考を世界中の人が、少しでも身につけられたら、きっと世の中がかなり変わりますね。

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