本・作家

創造的に生きることの重要性をワークで知る『ずっとやりたかったことを、やりなさい』

ジュリア・キャメロンの代表著書『ずっとやりたかったことを、やりなさい』(The Artist’s Way)は、20年以上のロングセラーとして知られています。

才能がまだ開かれない芸術家達のために、キャメロンが開いたセミナーをまとめ、自宅でもワークができるようにした内容です。

12週に渡ってのワークは、毎週10項目前後ありますが、シリアスに机に向かって作業することは少なく、遊び心たっぷりの楽しいものになっています。そして全てこれらのワークを行うことを強要しているわけではなく、自分が興味ある項目のみをしてもいいというところも、実行しやすいですね。

このワーク内容は、芸術活動を行っている人達だけでなく、全ての人々に「創造性」の育み方を語り、人生で創造的に生きることの重要性を伝えています。 

そして、どんな立場にいても、何歳になっても、自分の夢を追いかけることができるという可能性を見つけ出してくれるでしょう。

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ジュリア・キャメロン  Julia Cameron

1948年生まれのアメリカ人。教師、劇作家、映画監督、ジャーナリストとして多岐に渡るアーティスト活動している。創造性を育てる方法論を25年以上セミナーや本で語り、人生において、創造することがいかに大事であるかを多くの人々に伝え、精力的に取り組んでいる。現在ニューメキシコ州に在住。

 

 

 

もっと詳しく知りたい方https://en.wikipedia.org/wiki/Julia_Cameron

『ずっとやりたかったことを、やりなさい』

この12週間のワークで必ず続けるのが、「モーニングページ」と「アーティストデート」です。

「モーニングページ」とは日記のようなものですが、毎朝3ページ思いついたことを書くだけです。これは、完全にプライベートなものなので、ネガティブな思いでも構わないのです。面白いのは、書くことが思いつかなければ「何も書くことがない」とか「何も浮かばない」など、ただ3ページ書き続けるのです。これを続けていくことで、毎朝書くことが習慣化され、自分の深層心理がでてくるそうです。

「アーティストデート」は週に一度、二時間位の自分だけの一人の時間を取って、好きなことをすることです。映画を観てもいいし、ハイキングに行ってもいい。カフェでのんびりしたければ、そうすればいいのです。この「自分とのデート」を重ねるうちに、自分のことを大切に思う気持ちが育まれ、本当に自分がしたかったことが思い出されてきます。

各週で、どんな感情や思考を養っていくかの概要と、効果的な楽しいワークを紹介していきますね。

第1週 安心感を取り戻す

創造性を豊かに育てるには、人の助けや支えが必要であるのに、自分の中に安心感がないので、それを受け取れる準備ができていないそうです。「才能がない」とか「時間がない」という否定的な思い込みを捨てることが、安心感を得る大事なことです。

否定的な思い込みはまさに思い込みであり、事実ではない        80ページ 

自分がどんな人間であるかを決めつけてはいけません。自分に対してのネガティブな思い込みは、過去の環境や経験、対人関係からきています。まずは、過去にあなたを傷つけた人達=「怪物」を退治しましょう。

<ワーク>

怪物退治には、ホラー小説を書くことです。あなたはこのホラー小説の主人公です。怪物たちが、どんなにおぞましかったかを書いてみるのです。その出来事であなたの中で、長く残っていることを、含めてください。「小説」といっても、本格的なものではなく、メモ程度でいいのです。例えば『彼女は冷ややかに笑い、目は異様な光を放っていた、、、』という具合に、フレーズの寄せ集めでも構わないのです。

このワークをやってみると、「怪物」をやっつけてしまうので、かなりスッキリします。また、過去の辛い出来事は、ただ起こったことであり、あなたを否定したわけではないことに、気づくと思います。そして自分の中に安心感も取り戻すことができるでしょう。

第2週  アイデンティティを取り戻す

自分が何を求めているのか、どんなことに興味があるのかに気づくことによって、本来の自分を取り戻します。自分が何者であるかを、知りましょう。

創造性が回復の兆しを見せてくると、外部の敵=クレージーメーカーが現れてきます。彼らはカリスマ的ですが、あなたに問題ばかりもってきて、解決策がありません。クレージーメーカーは上司だったり、社会的地位のある人だったりして、付き合いをやめるのは、難しいかもしれません。しかし、あなたの個性を阻む要求をしてきた時は、はっきり「NO」と言いましょう。

成功しても失敗しても、人生の真実は、その質とほとんど関係ない

ということである                        115ページ

人生の真実は喜ぶことにあります。その喜びは喜ぶこと能力に比例しています。そして喜ぶことのできる能力は、日常の細部に目をやることです。

<ワーク>

どのように時間を使ったか、主な活動を5つリストアップしてみましょう。

自分がやりたかった活動はどれか、やらなくてはならない、またはやらされた活動はどれかを見てみます。自分の個性を押し殺して、クレージーメーカーの言うことに、どのぐらい時間をさきましたか?

日常の言動を細かく見てみると、自分を表現していない場合が、多いことに気づくでしょう。これは自分のアイデンティティを知る手段でもあるのです。自分の喜ぶことに、時間をつかっていきましょう。

第3週  パワーの感覚を取り戻す

「怒り」は悪いものではないのです。突然、または非常に大きく「怒り」を感じる時は、怒鳴ったり、壁を拳で殴ったりしたくなるでしょう。しかし殆どの人達は善良なので、その感情に蓋をしてなかったことにします。

しかし、「怒り」は私達がどこに行きたがっているかを、教えてくれているのです。

「怒り」は優しい友達ではないけれど、誠実な友達です。自分が裏切られた時、自分自身を裏切った時に、必ず私達に教えてくれます。そして、自分の興味のあることをしなさい、という行動への招待なのです。

私達はしばしば誤って、創造することが恥ずかしいことだと思い込む  140ページ

酷評を受けた時は、自分の創り上げたものが、何の役にも立たない、無意味な間違ったものであると誤解してしまいます。これには、誰からの批評が、どんな時に適切であるかを学ぶ必要があります。

<ワーク>

子供時代に戻って、自分の好きだった食べ物、自分の中で好きだった性格を5つあげてみましょう。

子供時代と違った結果がでたのなら、何故今とはちがうのでしょうか?

他人の批判で個性が縮こまっているのではないでしょうか。批判を受けて怒りを覚えたのなら、そのエネルギーを使って本来の自分を取り戻す行動してください。私達の感情はパワーに満ち溢れています。どんな感情も大事な個性の一つです。

第4週  本来の自分を取り戻す

私達は人前では、辛いことがあっても、平気な顔をしますが、はたして本当に「大丈夫」なのでしょうか?創造性の回復を上手に進めるには、本当は大丈夫ではない時は、「大丈夫」という言葉を安易に使わないようにします。自分の気持に素直になるのです。それは決して我儘ではなく、自身の創造主が働けるゆとりを確保することになるのです。

また、断捨離も部屋のスペースだけでなく、心のスペースを作ることになるのでお勧めします。空いたスペースに今度は、あなたの個性にあったものが入ってくるでしょう。

動くボートの中で横たわって休むこと、

つまり、動きながら休む、ということである            170ページ  

戸惑いと自信が交互にでてくると、自分が前に進んでいるのか、滞っているのかが分からなくなってきます。しかし、実際には確実に進んでいるのです。疲れたら休むということを忘れないようにしてください。

ワーク

1週間、活字を読まない

これは、なかなか難しいワークですよね。(私の場合は本、雑誌を読まないでいました。)暫く活字を読まないでいると、何か遊びたいと気持ちがでてきます。それは、自分が楽しみたいと思っていることの情報を、潜在意識から、引き出してくれる手伝いをしてくれるでしょう。

第5週  できるという感覚を取り戻す

私達は膨大な創造力をもっていますが、妄想を追いかける愚か者に見られるのを恐れ、実現できる計画を、諦めてしもまうことが多くあります。自分で自分に制限をかけているのです。「できるわけがない」と考える代わりに「もしかしたら、、、」と次の流れがやってきます。

心の底から本当に求めているのは、「放っておかれること」   194ページ

そして、「いい人」の役割を果たそうとするのは、本来の自分の創造性を殺すことになります。他人の欲求に振り回されず、自分の欲求に従い、自分の内に「ひきこもる」ということをしても良いのです。これができないと、最後には、自分自身を捨ててしまうことになります。

ワーク

「禁じられた楽しみのリスト」を作って、見えるところに貼っておく

これは、今までしたいのに、経済的、時間的、または環境的に無理だと諦めていた願望リストです。これらの願望が、刺激的に感じるのであるなら、実現できる可能性は十分にあります。このリストを作る時、自分の中の検閲官(セルフサボタージュ)を黙らせておくのが、ポイントです。

第6週  豊かさの感覚を取り戻す

本物の贅沢が、創造性の回復に大きな効果を発揮します。「本物の贅沢」とは豊かさの感覚を求めて気ままに振る舞うことなので、金額には比例しません。その物や行動や時間を楽しんでるか、ということです。

そして、お小遣い帳を見てみると、お金を費やすものと、価値をおいてるものが全く違っているのが明白です。

創造的な人生は、「今」に入り込み、その日を楽しむことから始まる 211ページ

クリエイティブな活動は、衣食住に余裕があり、時間があるときにすればいいと思われがちですが、その時はいつ来るのでしょう? 今、自分が望むことに打ち込んでいれば、人生の扉が開いていき、お金は、後からついてくるのです。

ワーク

自然の豊かさを味わおう。好きな石を見つけて、ポケットの中にしのばせておく

この可愛らしいワークで、すでに私達は、自然から豊かさを受け取っていることの確認ができます。それに、退屈な会議中には、このポケットの中の小石を密かにいじって、創造意欲をかきたてることも、できそうですね。

第7週  つながりの感覚を取り戻す

アートはひねり出すものではなく、「降ろす」ものです。直感的な能力が養われてくると、心の中の創造性から、聞いたものを「降ろす」ことができます。インスピレーションの流れを日常の電波としてイメージしていくと、創造性に繋がりやすくなるかもしれません。

そして完璧主義を辞めることです。完璧主義者には、ゴールはなく、どこへも行き着くことができません。私達は常に最善をつくしています。ある時点になったら、手放すことも大事です。

「自分にはできない」という時、私たちはじつは、「完璧にできるという保証がないかぎり、やりたくない」といっているのである           233ページ

リスクを回避したいために、私達は「できない」と言ってしまうことがあります。自分が成功することを期待しているので、上手くできる自信がなければ、行動しないのです。しかし、やる価値のあるものには、必ずリスクがついてくるものです。だから、結果をあまり気にせずにやってみることです。リスクを追うこと自体に、価値があると言い換えてもいいでしょう。

ワーク

特別ではない日に、お気に入りの服を着てみよう

クローゼットにしまってある、大好きな服を、なんでもない平日に着てみましょう。満足感と自信が湧いてきて、本当の自分に戻ることができると思います。

第8週  芯の強さを取り戻す

私達が生きていく中で、いやおうなく様々な喪失に遭遇します。お金、希望、愛情、家族、自信などを失うことで、焦燥感を味わいますが、あらゆる種類の喪失を乗り越えることが、アーティストの仕事の一つでもあります。けれど、私達の内なるアーティストはまだ子供であり、労ることも必要なのを忘れないようにしましょう。

そして、その喪失に見回られた時、「次に何が必要なのか?」を考えて、行動を起こすことです。そうすれば、必ず、次の扉は開かれるのです。

創造意欲の減退を感じている人は、

プロセスを楽しめなくなっている場合が多い             266ページ

何かを始めようとした時、マスターするまで数年かかると言われると、やる気をなくしてしまう人がいます。結果だけを気にしていると落ち込むだけです。しかし、プロセスに焦点をあてれば、クリエイティブな生活はワクワクした感覚になります。そして、その探究心が達成を導くのです。

ワーク

あなたの理想の一部を実現してみよう。イタリアに今すぐ引っ越すことはできないだろうが、あなたのアパートの部屋でも、手作りカプチーノを飲みことができる

未来の理想の一日を書いて、その中で今できることをやってみましょう。ほんの一部でも、その感覚を体験すると、きっと夢は実現すると希望が湧き、夢達成への心の強さが戻ってきます。

第9週  思いやりの心を取り戻す

創造できない人達は怠けているのではなく、恐れがあるのです。大きな夢をもっていますが、いきなりそんな大仕事ができるわけもないので、できないことを怠惰とよびます。けれど、その時求めているのは、周りの人からの、自分からの助けなのです。自分を罵ることはは止めて、自分に優しくしましょう。そうすれば、自然と手は差し伸べられるものです。

創作しつづけることに怖気づいた人は、突然、無関心になる    290ページ

今まで楽しく創作してきたのに、行き詰まりを感じ、ふいに投げやりになってしまうことがあります。そして挫折した自分に屈辱を感じ、今までしてきたことに興味を失います。長期の創作活動には、スパルタ式の鍛錬は必要ありません。自分自身を暖かな目で見てあげてください。私達はまだ旅の途中なのです。ゆっくり進んでいけばいいのです。

ワーク

自分のトーテム像を選ぼう。人形でも、木彫りのオブジェでも、ゼンマイのおもちゃでもなんでもいい。

小さな女の子が、テディベアといつも一緒に寝るように、自分が安らぐものを探してみましょう。その物によって自分がやさしい愛に包まれていることを感じてみてください。あなたが独りでいても、常に誰かの助けがあることが分かるはずです。

第10週  守られているという感覚を取り戻す

私達は創造性を阻む手段を多数もっています。例えば仕事、お金、アルコール、セックス、食べ物、家族や友人。自分の行き先がわからなくなってくると、これらに、つい執着し依存してしまうのです。そうなってくると、素晴らしい閃きが起こったとしても、気づくことができなくなります。自分の創造性に有害になっている習慣を知る必要だあります。辞めると想像しただけで、怒りを覚えるものは、あなたを大きく脱線させている一つの習慣かもしれません。

他人が先に行っていようが、どう評価されていようが、

そんなことは考えるだけ無駄である                326ページ

知り合いが、あなたよりもずっと成功を収めていることを聞くと、悔しい思いをすることが殆どでしょう。「認められる」ということは創造性の成長に欠かせない要因だからです。それなら、他人の優劣の基準ではなく、自分の創造性の基準で自身を認めましょう。アートは本来、競うためではなく、喜びを享受するものです。あなたの中の創造性に守られていることを思い出してください。

ワーク

基本ルールを設定しよう

これは、創造性を阻む悪癖を排除して、その空いた時間を自分の喜ぶことに使うルールです。基本の行動パターンを設定して実行してみると、習慣でしていたことが無意味であったことに気づくかもしれません。この約束を守っていると、自分を大切に扱っていると感じてきます。

第11週  自立の感覚を取り戻す

自分にとって、どのような生活パターンが、創造性を高めるのに良いのかを確かめてみてください。自分は、朝仕事をしたほうがいいのか、夜のほうが集中できるのか、コンスタントに週数日働くのが適しているのか、または数ヶ月の休みのない活動が向いているかを知ってください。

創造性は私達の魂を生かしてくれる酸素のようなものです。理由をつけて、創造するのをやめ、夢を捨てるのは、自分自身に責任をもたないということです。創造的に生きるかどうかは、自分が決めることであって、周りにいる人達に頼ることはできないのです。

自分の目で見ることは、創造の井戸を満たし、洞察力を磨く訓練になるのだ

                             349ページ

心を動かすには、体を動かすことを勧めます。散歩、水泳、サイクリングなどを毎日行っていると、脳内に気分が高揚するエンドルフィンが分泌されます。これにより、合理的に考える心が静まり、人生をありのままに生きる大切さが感じられるのです。そして、リラックスして体を動かしていると、視界に入ってくるものが広がり、感覚を磨く良い機会にもなります。

ワーク

自分の中のアーティストに励ましの手紙を書き、投稿する。

このワークは特に落ち込んでいる時に、効果を発揮します。自分で自分に励ましや、いたわりの言葉を手紙や葉書きに書きます。綺麗な便箋や、素敵な絵や写真のついた葉書きがいいでしょう。バカバカしく感じるかもしれませんが、それを投函すると、数日後あなたのもとに届きます。もらってみると、とてもいいものです。その励ましや褒め言葉に、あなたの心は、ほっこりするでしょう。

第12週  信じる心を取り戻す

 何かを創造するときに必要とされるのは、受容と信頼です。

クリエイティブな活動が思い通りに進まないと、いらだちを覚えますが、物事をあるがままに捉えることです。アイディアは突然、何もないところから湧いてくるのではなく、潜伏期間があるのです。自分の目や耳や体から入ってきた感覚を受け止め、その感覚が開花すると信じて待ちましょう。

どんなに自分を抑え、夢を見ないでいようとしても、夢の炎は消えてしまうことはない

                               363ページ

私達は創造するように生まれついています。どんな人にも創造への衝動があり、心の奥深くで、埋み火のように燃え上がるのを待っているのです。だから、自分の内で大事に夢を育て上げていれば、チャンスは必ずやってきます。

ワーク

自分の恐怖や後悔、希望、夢、心配などを入れておく「神様の壺」を探す

花瓶や壺などの入れ物を「神様の壺」として部屋に置きます。心配事や不安、またいつ叶うかわからない夢などを書いて、この壺に入れ、結果は天に任せます。このワークをすると、いくら考えても解決策が出ない悩みの場合、「一旦保留にしてみる」という選択肢が増えることになります。また、やりたいことがあっても方法がわからない場合は、「時期を待つ」という余裕と、「その時期はいつか来る」と自分を信頼できるようになります。

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まとめ

私達は実際には、すでに創造的に生きていますが、その事実に気づいていません。服装や食事の好み、家の装飾や仕事の仕方、周りに人達との付き合い方など、自分の創造性が生活に織り込まれています。

創造的に生きるということは、アーティストのみならず、すべての人のとって必要不可欠です。他人の言動に振り回されず、自分を大切にしていけば、創造性は回復し成長していきます。そして個性を発揮し、自分の価値観を作り上げ、自分が本当に求めるものを見つけ出せるでしょう。

このジュリア・キャメロンの創造性のワークが、あなたの夢の実現に、一歩でも近づく手段になることを心から祈っています。

 

ジュリア・キャメロン ホームページhttp://juliacameronlive.com/

 

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