影絵作家の藤城清治(ふじしろ せいじ)氏。
木馬座の「ケロヨン」や宮沢賢治の童話影絵で大変人気の高い作家です。
ここでは、藤城清治氏のプロフィール、学歴、経歴、賞歴を紹介します。
また、美しい影絵の作品、絵本や美術館もみていきましょう。
藤城清治のプロフィール 学歴・経歴・賞歴
引用元:https://www.jukushin.com/archives/2750
生年月日:1924年(大正13年)4月17日
出身地:東京都
学歴:慶應義塾大学経済学部卒業
居住地:東京都目黒区
藤城さんは子供の時から絵を描くのが好きで、授業中の楽しみは、先生の似顔絵をノートの端に描くことだったそうです。先生に見つからないで素早く描くことでデッサン力は身についたとか。
12歳から水彩画、エッチング、油絵の指導を受け、洋画家の猪熊弦一郎のアトリエにも出入りしていました。また、この時期に、慶應の児童文化研究会で人形劇と出会っています。
猪熊 弦一郎(いのくま げんいちろう、1902年 – 1993年)
藤島武二に師事しフランス遊学時にはマチスにも学ぶ。小磯良平らと新制作派協会を結成。1950年代から20年間ニューヨークに滞在。この時期は、マーク・ロスコ、イサム・ノグチ、ジョン・ケージ、ジャスパー・ジョーンズなどさまざまな芸術家と交友関係を深めたことでも知られる。代表作品に香川県庁の壁画があり、猪熊弦一郎美術館が香川県丸亀市にある。
猫たち 引用元:https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/18_inokuma.html
大学在学中、人形劇・影絵を知り、人形劇と影絵の劇場「ジュヌ・パントル」を結成(後年、「木馬座」と名称変更)。卒業後は、東京興行(現:東京テアトル)入社し、宣伝部勤務。また、「暮しの手帖」にて、影絵連載開始。
1951年、27歳でテアトル東京を辞職しフリーとなります。
NHKの専属、児童文化誌の創刊、影絵劇の上演をし、木馬座による等身大ぬいぐるみ人形劇を創案します。
1966年、『木馬座アワー』のキャラクターとして、日本武道館にて、第1回ケロヨンショーを開催も開催しました。
しかし、1972年には、公演の混乱等の諸問題によって「木馬座」を離れ、影絵・人形劇公演を「ジュヌ・パントル」として、活動を継続。
その後、雑誌にカラー影絵の連載や、国際交流基金の文化親善使節に任命され、パキスタン、ヨルダン、エジプト、アラブ首長国連邦等で影絵劇上演します。
近年では、2019年に宮崎空港に日向神話ステンドグラス完成しています。
賞歴
- 1954年 影絵劇『泣いた赤鬼』にて東京都児童演劇コンクール奨励賞
- 1956年 影絵劇『銀河鉄道の夜」にて1956年度国際演劇参加読売児童演劇祭奨励賞、日本ユネスコ協会連盟賞受賞
- 1980年 影絵劇『シャクンタラー姫』が厚生省児童福祉文化奨励賞受賞
- 1983年 絵本『銀河鉄道の夜』がチェコスロバキアのブラチスラヴァ国際絵本原画展で金のリンゴ賞受賞
- 1989年 紫綬褒章受章
- 1993年 影絵劇『夢ふたたび月へ』にて、’93エキスポ大賞受賞。
- 1995年 勲四等旭日小綬章受章
- 1997年 影絵劇『夢きらめく海へ』[7]制作上演 ’97エキスポ地球振興賞受賞
- 1999年 日本児童文芸家協会より児童文化特別功労賞受賞
- 2001年 ジャパンエキスポ大賞受賞
- 2013年 第36回 巌谷小波文芸賞受賞
-
2014年 絵本『画本 風の又三郎』にて、第24回 宮沢賢治賞受賞
-
2017年 第50回造本装幀コンクールで「藤城清治の旅する影絵 日本」が「日本印刷産業連合会会長賞」を受賞
藤城清治の作品
引用元:https://en.japantravel.com/tochigi/seiji-fujishiro-gallery/14097
引用元:http://tokyopic.com/image/2371
引用元:https://amorgan1309.wordpress.com/2014/04/25/seiji-fujishiro/
引用元:https://warjulian.com/archives/tag/seiji-fujishiro
引用元:http://www.kansaiartbeat.com/event/2016/E5DA.en
藤城清治の絵本
藤城清治 光と影の世界
光と影が織りなす幻想的な影絵の第一人者・藤城清治の米寿を記念した愛蔵版。初期から最近作までの名作約200点を収録する。「光と影は人生そのもの」―幻想的影絵の第一人者による集大成がここにある。88歳を記念した感動の愛蔵版。 出典:アマゾン
藤城清治 影絵の絵本 アンデルセン
藤城清治が「暮しの手帖」誌に連載していたお話が絵本になりました。
アンデルセンによる『ひなぎく』『ハンスのもらった鳥かご』『眠りの小人のオーレおじさん』『小さいイーダの花』『小さなもみの木』の5つのお話を収録。名作を藤城清治の格調高い影絵が彩る珠玉のお話絵本。 出典:アマゾン
ブーちゃん
藤城清治が「絵本木馬」に連載していたお話が絵本になりました。
捨て猫だったブーちゃんが拾われて、飼い主が変わったり、ほかの家に入り込んだり。波瀾万丈の人生が猫目線で描かれます。 出典:アマゾン
藤城清治美術館
藤城清治氏の70年以上にわたる制作活動の集大成として2013年に開館。氏の原点とされる「生きて演じ動いていること、舞台と観客がひとつになり感動すること」を体感できる劇場型美術館となっています。影絵作品約140点、デッサンや貴重な資料など約200点が常設展示されています。代表作はもちろん、プロジェクションマッピング、セット裏を見ることができる影絵の回転舞台などがあります。敷地内には教会があり藤城清治制作のステンドガラスもみられます。
那須高原 藤城清治美術館チャペル 引用元:https://www.baroque-web.com/works/works_0031.html
〒325-0301 栃木県那須郡那須町湯本203
TEL:0287-74-2581 FAX:0287-74-2582
http://fujishiro-seiji-museum.jp/publics/index/7/
現在でも現役で、誇り高いキャリアをもつ藤城氏。「私以外には、ディズニーと競争できる日本の作品を作れる人はいない」とおっしゃっています。伝統ある影絵をこれだけ美しく、また世界中の人に愛される作品を作れる才能の素晴らしさを、いつまでも私たちに与え続けてほしいと思います。