忠犬ハチ公の物語は、幼い頃から皆様に馴染みがあると思います。
忠犬であるがために、涙なくしては語れない物語になっていますが、事実はもっと殺伐としていて、ハチは何度も野犬狩りに捕まっています。
今回のショートストーリーは渋谷近辺の住宅地に住む大型犬が主人公です。
「ひとりでお散歩」
いや違う、違うって!オレはハチ公じゃないよ。銅像が動くわけないでしょ。
退屈だからちょっとひとりで散歩してるだけ。
あー、追ってこないで。
ちょっと、道ふさがないで。
携帯で写真とんないで!
フラッシュが眩しい〜!
いつもと反対方向の道にこんなに人がいるとは思わなかったよ。
はっきり言って、オレもう帰り道、わかんない。
突然、後ろからガッツリ背中を掴まれる。
振り向くとオレンジのモヒカン頭に鼻ピの兄ちゃんが、ギラギラした目で笑ってる。
うわあ、これが噂の野犬狩り?!
もう、ダメかも・・・・。
飼い主の怒りが鎮まるまで、しばらくは家の中でおとなしくしていよう。
でも結構楽しかったな。
ニュースにも「ハチ公出現!」なんて載っちゃうし、スター気分だよ。
また抜け出して行っちゃおうっと!
映画「Hachi 」の気になるところや感想
犬バカの筆者としましては、泣いてしまうので、この映画を見るかどうか少し迷いました。しかし、あのミスター・セクシーのリチャード・ギア主演ということで、観ることにしました。
「忠犬ハチ公」のストーリーを知っている日本人としては、切ない気持ちのなる心の準備がありましたから、ギア様に焦点を当てることにしましたが、「ハチ」が可愛すぎ。
随分とおしゃれに仕上がっていて、この映画を見たアメリカ人は、秋田犬が飼いたくなってしまうのも無理はありません。(実際、ギア様はこの映画の後、秋田犬を飼っています)
驚いたのはギア様の同僚として、同じ大学の教授役になっていた、ケイリー=ヒロユキ・タガワです。彼は常にアメリカ映画では日本人の悪役、ヤクザとして登場していましたが、今回は知的なプロフェッサー役です。実際に大学にいたら講義には必ず予習して出席するし、質問なんてできない感じの怖いタイプの先生に見えてしまいました。
犬目線のカメラアングルが非常に可愛かったです。娘のフィアンセに人生についての説教をするシーンが、ハチのBBQにしか興味がない画像しか映ってないところも、微笑ましかったです。
また、ハチがフリーになってから、駅の近所で働く人達で買ったという餌入れが、小型犬ようなのも笑えました。
ハチがアメリカに輸送されるときに、木枠ゲージで運ばれること、最愛の夫が可愛がったハチの飼育放棄をする妻などは、現実ではありえないことですが、それも映画ならではのロマンでしょうう。
結局、多くの観賞者と同じく、筆者も最後は大泣きをしましたが、その涙は実に爽やかで、憐憫でありながら、安心感をもたらしてくれるものだと確信しました。
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