写真や新聞を精密に鉛筆で描いた画家、吉村芳生さん。
彼の作品は超絶技工であると言われています。
本記事では、画家、吉村芳生のwikiプロフィール、経歴、作品や2019年の展覧会、個展を紹介します。
また、吉村芳生さんの息子も超絶技巧の画家であります。家族についても、見ていきましょう。
吉村芳生のプロフィールと経歴
氏名:吉村芳生 (よしむら よしお)
生年:1950年
出身地:山口県防府市
学歴:山口芸術短期大学、造形美術学校 卒業
逝去:2013年12月
<主な展覧会と受賞歴>
1979年
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イギリス国際版画ビエンナーレでアーガス賞受賞 (イギリス・ブラッドフォード美術館) |
1982年
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マイアミ国際版画ビエンナーレでメリット賞受賞 (フロリダ・メトロポリタン美術館) |
1984年
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第3回小林和作賞(山口県)を受賞 |
1988年
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そごう百貨店(広島市)で個展開催 |
1991年
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“730日の自画像”吉村芳生展(下関市立美術館)開催 (その後、東京、山口、福岡、横浜などで毎年、個展を開催) |
2000年
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雪舟グランプリますだ美術大賞展で特別優秀賞受賞 |
2004年
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福岡市で5回目の個展開催 |
2005年
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中国国際アートフェア(北京)に出品 9月、個展100回記念・吉村芳生展(山口)を開催 |
2007年
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山口県展(山口県立美術館)で大賞受賞 「六本木クロッシング2007:未来への脈動」展(森美術館)に出品 |
2008年
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「色鉛筆で描く花の世界・吉村芳生展」を周南市に続き廿日市市でも開催 フィリップス・オークションにて“365日の自画像”落札(ロンドン) |
2009年
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「煉獄の茶室」吉村芳生展(山口県立萩美術館・浦上記念館)を開催 |
2010年
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「一人快芸術」展(広島市現代美術館)に出品 ツイン・アート・ギャラリー(みぞえ画廊)で個展開催(福岡では6年ぶり) 山口県立美術館で個展 |
2011年 | シテ・インターナショナル・デザール・パリに1年間滞在 |
2012年 | アートフェア東京に出品 |
2013年 | 「色鉛筆で描く彼岸と日常」吉村芳生展(香美市立美術館) 「色鉛筆で描かれた超細密画」吉村芳生展(瀬戸内市立美術館) |
(出典:吉村芳生web)
吉村氏は、山口芸術大学を卒業後、広告代理店に勤めますが、体調を崩し5年後に退職。
その後、造形美術学校で版画を学びます。
このあと画家として制作に入りますが、自分の求めるものがつかめずに、自画像をひたすら描いたそうです。
30歳のころから受賞は経験していたのですが、実際に世間に名が知られたのは、2007年、吉村が57歳の時のときです。
森美術館で開催された『六本木クロッシング2007:未来への脈動』展に出品された作品群が大きな話題を呼びました。その後、各地の美術館で作品が展示され、遅咲きの花として脚光を浴びましたが、2013年に突然亡くなってしまいます。
新聞の模写や自画像といったモノクロームの作品を主に発表したのち、鉛筆画家として色鉛筆を用いて、写真をマス目ごとに克明に写し取るという作風で、大型の作品制作を続けました。
吉村芳生の作品
新聞と自画像2008.10.8 毎日新聞 2008年
この新聞に自画像を描いている作品は、連作になっています。新聞紙に顔を描いているように見えますが、実は新聞紙そのものが、鉛筆で一字一字描かれているのです。
また、精密に植物を描写した色鉛筆画も多数残しています。
<引用元:https://insta-stalker.com/>
引用元:https://www.christies.com/lotfinder/Lot/
引用元:https://en.japantravel.com/okayama/
吉村芳生の展覧会
超絶技巧を超えて 吉村芳生展
会期:2020年10月24日(土)~12月6日(日)
会場:横浜そごう美術館
神奈川県横浜市西区高島2-18-1 電話 045(465)2111 大代表
https://www.sogo-seibu.jp/yokohama/topics/page/sogo-museum-yoshimura-yoshio.html
吉村芳生の回顧展として、初期のモノトーンによる版画やドローイング、後期の色鮮やかな花の作品、生涯を通じて描き続けた自画像など、代表作約60点を展示。
詳細は吉村芳生公式サイトを御覧ください。
吉村芳生の息子、吉村大星
1992年山口県で長男として生まれます。
中学卒業し高校へ進学せず、父親、吉村芳生に師事。
吉村氏の精神を受け継ぎ、超絶技巧を身に着け、主に色鉛筆を用いて、野良猫をモチーフにした絵を描いています。
主な展覧会に「それが由来するイメージの起源」(画廊Door、2012年)、「未来の体温」(山本現代、2013年)。山口市美術展覧会大賞受賞。
カメラを持って道路に這うように猫より下の目線から写真を撮影し、写真を方眼紙のように正方形で分割。
キャンバスにもマス目をまず描き入れ、その線をガイドに絵を完成させていきます。大きな作品が多いですね。
引用元:http://aspirante-hofu.com/event/
https://www.instagram.com/yoshimurataisei/?hl=ja
2018年に、吉村芳生と吉村大星の二人展が、広島県・ウッドワン美術館で開催されました。
大星氏は生前の父を間近に見て育ち、いつの頃からか制作を手伝うようになり、いまではその技巧を驚くほど完璧に習得しています。
親子で絵描きというのはあまり珍しくもないでしょうが、まったく同じ技法で描くのは美術の世界では稀なことだと思います。
こうしたスーパーリアリズムを、モチーフは違っても、全く同じように書くことは、オリジナリティがなく無意味な気もしますが、その無意味さが不吉であり、その不吉さを描く遺伝子の象徴のようだと、評する美術評論家もいます。
できることなら、親子の合作というのを、見てみたかったですね。
美術館のカレンダーで吉村芳生さんを知りました。まるで写真のようで、驚きました。私も絵を見るのが好きで、今度、色鉛筆で、小さな作品を描けたらいいなと思ってます。(いつになるか?)
吉村さんの息子さんが、引き継いでいること、感動し、又応援したいです。