美術史家・作家のソフィー・リチャード氏。
フランス人でありながら日本の美術館、博物館に魅了され、外国人向けのガイドブックた、美術番組に出演して、日本文化の発信に大きく貢献しています。
本記事では、ソフィー・リチャード氏の経歴、学歴、現在の活動、著書を紹介します。
また、なぜ日本の美術館、博物館に惹かれるのかを見ていきましょう。
ソフィー・リチャードの経歴、学歴
氏名:ソフィー・リチャード Sophie Richard
生年月日:不明
出身地:フランス プロヴァンス
学歴:パリ大学ソルボンネ校 美術史専攻
エコール・ド・ルーブル、パリ大学ソルボンヌ校で美術史を学び、修士号を取得し、パリとニューヨークのギャラリーに勤務していました。
その後、ロンドンに移り、フリーランスの美術史家、アート・ディーラー、翻訳者(仏語・英語)としてギャラリーや美術館の展覧会をはじめ、さまざまな企画に関わっています。
また約12年間の間、何度も来日し、日本の美術館、博物館を探索し、その魅力を欧米諸国へ発信しています。
その活動が日本でも評価され、2015年度文化庁長官表彰文化発信部門を受賞 。
現在は、ロンドンに拠点を置き、執筆、オーダーメイドのツアーの企画など、世界の美術愛好家と、日本文化芸術の促進をサポートしています。
ソフィー・リチャード氏の年齢や家族については不明ですが、姓が「リチャード」ということは、アメリカ人と結婚しているかもしれませんね。
ソフィー・リチャードの本、記事
<引用元:https://mothchicago.com/>
「The art lover’s guide to Japanese museums」
外国人美術愛好家のために、日本の美術館50を厳選したものです。
日本には5600以上の博物館、美術館が点在しますが、そのうち芸術の焦点を当てたものが20%を変えます。
外国人旅行者が美術館を訪れたときに、日本の美術品を最大限に楽しむための基本的な知識が書かれています。
<引用元:</phttps://www.shueisha-int.co.jp/>
「フランス人がときめいた日本の美術館」
日本人が見落としがちな、魅力ある50の美術館を紹介しています。
この日本語版には、各美術館へのコメントや読者へのメッセージも追加されていて、日本美術がわかりやすく書かれているので、予習復習に最適だそうです。
ソフィー・リチャード氏は主にイギリスの雑誌の記事を書いているのですが、日本古来の美術品だけでなく、現代美術も紹介していたのは、意外でした。
ソフィー・リチャードは何故日本の美術に魅せられるのか
19世紀にヨーロッパに流行った「ジャポニズム」の影響が一番強かったのが、フランスであるとされています。
そして現代でもフランスでは、図書館や本屋に行けば日本に関する写真集、文学作品、美術品、映画がフランス語に翻訳されているものが多数ありますし、ネットでも言語をきにしなければ、気軽に見ることができますね。
リチャード氏は、10代の頃から、井上靖や川端康成の小説、熊井啓や黒澤明の映画に興味を持ち、日本の美意識、そこに描かれている世界観に惹かれました。
映画『千利休 本覺坊遺文』はとても印象深いものだったといいます。この映画は井上靖の小説『本覺坊遺文』を映画化したもので、第46回ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞しています。
リチャード氏は、この映画の建築物や登場人物たちの服装などを見ても、いつの時代であるなのか、まったく想像がつかなかったことも、日本についての好奇心が煽られたそうです。
日本を訪れたときには、実際の日本が、自分が今までに積み上げた知識や想像と全く同じで、ギャップを感じることはなかったので、その経験を多くの人に伝えたいために、本を出版し、日本文化を世界に伝える活動をすることになりました。
特に美術館の紹介の本を執筆した理由は、海外では日本の美術館の所蔵品や展覧会の情報を記載した書物は多くないので、実際に美術館に足を運び、館長などに話を聞き、建物も含めて厳選した美術館を載せて、海外の人達によりよく日本の美術を知ってもらいたかったためです。
リチャード氏は、日本の美術館はバリエーションが豊富で、伝統的な美術館から現代アートの美術館まで、あらゆるテイストの美術館が存在し、それぞれの美術館が独自性を持っているといいます。
そして展示方法も実に繊細で素晴しいと常日頃から感じてると語っていました。
日本語版の本も刊行されましたから、日本人の私達でもソフィー・リチャード氏の「フランス人がときめいた日本の美術館」を参考にして、多くの美術館を訪れてみたいものです。