彫刻

若林奮【彫刻家】の作品・経歴・展覧会。人間は自然に融合することができるのか。

20世紀の日本を代表する彫刻家 若林奮(わかばやし いさむ)氏。

銅や鉛、木、石膏、硫黄などの様々な素材を使用し、自然を追求した彫刻作品の他に、多くのドローイングや版画の作品も残しています。

ここでは、若林奮氏のプロフィール、経歴、学歴、賞歴、作品を紹介します。また、展覧会や作品が見られる美術館もみていきましょう。

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若林奮のプロフィール  経歴・学歴・賞歴

引用元:https://chisako-fukuyama.jimdofree.com/

生年月日:1936年1月9日

没年:2003年10月10日 享年67歳

出身地:東京都町田市

学歴:東京芸術大学美術学部彫刻学科卒業

武蔵野美術大学、多摩美術大学教授を歴任

大学在学中から二科展に出品し、大学卒業後、1973年に、神奈川県立近代美術館文化庁派遣研究員としてフランスに1年間滞在。

数々の賞を受け。30代前半で評価を確立し、多くの個展や展覧会を開催しています。 国外でも、ヴェネツィア・ビエンナーレ(1980 年、86年)やドイツ、マンハイム市立美術館ほかでの個展(1997-98年)などもあります。

鉄の素材を使用した彫刻は生涯変わらず制作しましたが、扱い方には大きな変化がみられます。それは、主題が物語的なものから、自然を通して人間界や世界を見つめていくことによって、空間の意識というものが作りあげられていったからではないでしょうか。

「人間が自然の一部であることを確実に知る」テーマで、人とその外界との関係を把握する架空の物差しとして、1977年頃に「振動尺」という彫刻の概念を生み出します。彫刻を自然の生命の「振動」を感じ取るための手がかりとするものであるといいます。

また銅版画の制作は700点にものぼり、詩人の吉増剛造氏とは合作作品も作っています。

主な賞歴

1962年 二科展にて金賞受賞。
1969年 第9回現代日本美術展にて東京国立近代美術館賞受賞。
1996年 第27回中原悌二郎賞受賞。
2003年 芸術選奨文部科学大臣賞受賞。

若林奮の作品

「isamu wakabayashi」の画像検索結果引用元:https://www.japantimes.co.jp/culture/

「isamu wakabayashi」の画像検索結果引用元:http://www.artnet.com/artists/isamu-wakabayashi/

「isamu wakabayashi」の画像検索結果引用元:https://www.kenjitaki.com/wakabayashi2012/

「isamu wakabayashi」の画像検索結果引用元:https://www.pinterest.com/pin/603341681310797885/

「isamu wakabayashi」の画像検索結果引用元:https://specificobject.com/objects/

「isamu wakabayashi」の画像検索結果引用元:http://www.artnet.com/artists/isamu-wakabayashi/

「若林奮」の画像検索結果引用元:https://www.art-it.asia/u/admin_ed_pics/f4jgvcgfkh7x9eqkpsar

若林奮の展覧会・美術館

若林奮の作品がある美術館

三重県立美術館

  • 中に犬2
  • 大気中の緑色に属するもののためのデッサン 8点
  • 版画集「ノート鮭の尾鰭」 14点

東京都近代美術館

  • 2.5mの犬
  • 不透明・低空
  • 振動尺 試作II
  • 境川の氾濫
  • BKACK COTTON(版画)

「若林奮  2.5mの犬」の画像検索結果引用元:https://twitter.com/hamuzou/status/

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振動の物質化の表現

この世に存在するすべてのものがエネルギーの振動でできているという説があります。この振動によって個ができあがり、それぞれの振動数によって違いができるのだとか。波動とも呼ばれ、波動測定器なるものもあるようです。

この目に見えないものを測り、物質化するという若林氏の振動尺は、単位時間内に同じ状態の繰り返される回数、周波数とも違う、エネルギー源のような印象をうけます。また、自らが発する波動ではなく、個とそれ以外が融合していく尺度のようにも感じられます。

若林氏の作品をみていると、私たちが宇宙の一部であり、実に小さな存在でありながら、現在を成り立たせている大きな役割を担っているような感覚が、湧き上がってくるのではないでしょうか。

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