大阪国立国際美術館で開催中「プーシキン美術館展」。
来場者に好きな風景画を選んでもらう風景画選挙で、2位にエドゥアール=レオン・コルテスの「夜のパリ」が選ばれました!
この日本では有名ではないコルテスの絵画が何故2位になったのでしょうか?
コルテスの「夜のパリ」が2位になった理由と、コルテスの他の作品もを紹介します。
エドゥアール=レオン・コルテス「夜のパリ」
1910年頃、油彩
夕暮れが深まる中、ガス灯に照らしだされ、通り沿いの店店が浮き上がっていく、時の移ろいも感じられる作品です。
他の候補作品の中では、暗めの色彩で空とショーウィンドウの光の対比が美しいですね。
プーシキン美術館展について
エドゥアール・レオン・コルテス(1882-1969)は、フランスのポスト印象派の画家で、”パリの絵画詩人”と呼ばれました。
父親も画家で、17歳の時から絵画を始め、パリの風景を多く描きました。1945年のアメリカでの展覧会を機に、コルテスの名は、知名度をあげました。
24歳の時結婚して、娘が一人いました。生活はいたってシンプルで、平和主義のコルテスは家族や友人と穏やかな暮らしをしていたそうです。
コルテスの絵画は2000年にカルフォルニアのギャラリーから4点も盗まれていて、2008年にそのうちの一点が、メリーランドの中古品店から見つかったという事件もありました。
「夜のパリ」が何故2位になったのか?
プーシキン美術館展のパンフレットやPRもしていなかった「夜のパリ」が何故2位に選ばれたのでしょうか?
赤っぽくて、ハロウイーンのような気分になる
ぼやけた表現がすごくいい。こういう絵が、自分の部屋にあると満たされる
ハリーポッターの世界みたい。行ってみたい。
季節柄、ハロウイーンが近いのと、映画、ハリー・ポッターのイメージに近いことが、観覧者の心を大きく惹いたようですね。
またノミネートされた作品は、どれも明るい色調が多かったので、印象的だったこともあるでしょう。
確かに、この絵の前で佇んでいると、20世紀初頭のパリの夕暮れ時の街中に、引き込まれていくような気分が味わえます。
エドゥアール・レオン・コルテスの作品
他のコルテスの作品も動画で御覧ください
どの絵画も、光と影のバランスが絶妙で癒やされますね。当時の生活がどんなものだったかも、良く知ることができます。まとめ
エドゥアール=レオン・コルテスの「夜のパリ」が、2位に選ばれたことは、日本人の美意識の変化を表しているのではないでしょうか?
以前は、絵画の評価は画家の名前で良し悪しや好みを決めていましたが、今は無名であっても、自分の感性と一致する芸術を選ぶようになってきたということです。
権威や形式、また人の意見に惑わされず、自分の感動したものを、素直に選べる心をもっているのは、素晴らしいことだと思います。
これからは、画家の名前も絵のタイトルもわからない、けれど、自分自身が感動した絵を自宅やオフィス飾る人たちが、増えてくるのではないでしょうか?