ソフィ・カル Sophie Calleは、現代のフランスのコンセプチュアルアーティストです。
個人的な関係や偶然の出来事について、写真と言葉を同時に表現している作品が多く見られます。
本記事では、ソフィ・カルのwiki経歴、作品、2019年展覧会を紹介します。
シュールでありながら起こり得る現実生活と、それに伴う感情の作品を見ていきましょう。
ソフィ・カルのwiki経歴
生年月日:1953年10月9日
出生地、居住地:フランス、パリ
ソフィ・カルは、医者であり評論家、美術コレクターの父親のもとに、1953年生まれました。高校を卒業してから、大学には進学せず、中国、アメリカ、メキシコを7年間旅しました。美術学校での教育は受けていません。
始めは芸術家になる意志はありませんでしが、父親の写真コレクションや、アメリカ在住の時に芸術的な写真に触発され、1979年、26歳の時に、パリに戻り、アート活動を開始します。
見知らぬ人の行動や行動を観察することが、彼らのアイデンティティを作り出すのに役立つ情報を提供することを理解し、写真として記録します。「The Sleepers」「The Hotel」の作品では、完成品ではなくアイデアに重点が置かれています。ここで、カルは、コンセプチュアルアートとしてのルーツを見出していきます。
コンセプチュアル・アート (Conceptual art) は、1960年代から1970年代にかけて世界的に行われた前衛芸術運動。イデア・アート (Idea art) とも呼ばれる。日本では当時概念芸術や観念芸術と訳されていた。1966年から1972年にかけてが最盛期。
出典:ウィキペディア
1983年に発表した「Address Book」は、世間の批判と論争を巻き起こした最初のプロジェクトです。
カルは路上で電話番号帳を見つけ、その手帳の中から何人かの人々を呼び出し、人々が彼について言ったことに基づいて、手帳の所有者を想像力豊かに作品にしました。
しかし、その作品が出版されたとき、ドキュメンタリー作家であった手帳の所有者であるPierre Baudryは、プライバシー侵害でカルを告訴しました。
1986年の「The Blind」はカルの代表的な作品です(作品参考)。彼女は盲目の人々との面接を行い、彼らに美しさの意味を共有するように問いかけ、肖像写真を発表しました。
1996年には、ロマンスではなく、あまり知らないカップルが最後はラスベガスで結婚式を挙げて終わるという映画「セックスをしない最後の夜」を公開。
のちに、この映画の共同制作者である作家、映画監督のポール・オースターの依頼で、ニューヨークの公共施設の増設に協力しています。
2000年に入ると、カルは日本で3ヶ月を過ごし、その後、モスクワからシベリア、そして北京、そして香港へと旅をします。また、エッフェル塔の最上階に設置された部屋で過ごした作品を残しています。
2011年ルイジアナ州立美術館で「True Story」歴史的人物に短編小説を入れた作品を発表し。2017年には、「ハッセルブラッド国際写真賞」を受賞しています。
ソフィ・カルの作品
À Suivre(尾行)(1978)
パーティで知り合った男性をパリからヴェニスまで、2週間の間尾行した記録です。
Les Dormeurs(眠る人々)(1979)
自分の部屋に、友人、知り合い、また見知らぬ人を招き自分のベッドに寝むらせ、食事を与え、1時間ごとに撮影しました。
The Blind (盲目の人々)(1986)
カルは、1年間にわたって生まれつき目の見えない人たちとの対話を試みました。彼らに「これまでに見た一番美しいものは何か」という質問をぶつけ、インタビューに応じた人の肖像写真、言葉とともにそれをヴィジュアル化した写真を添えて展示したのです。 興味深いことに、彼らの答えの大半は、とても視覚的なものでした。「見ること」とは、私たちが考える以上に主観的なプロセスのようです。彼らが語った言葉は「見ることとは何か」「美とは何か」について思いがけないことを教えてくれるのです。 ところで、棚の上に置かれた写真(盲目の人々の言葉をヴィジュアル化したという写真)が、じつに不可能な試みであると気づくまでに時間は要しないでしょう。彼らが見たものを、いったいどうすれば見ることができるのでしょうか。ここでカルは、ファインダーを向けるだけでは捉えることのできないものが世界にあることを、そして自己と他者とのコミュニケーションの限界を、静かに浮かび上がらせています。出典:トヨタ博物館
take care of yourself (2007)
元恋人のE-メールを107人の女性に渡し、解釈をしてもらったもの。
ソフィ・カルの展覧会
開館10周年記念 1894 Visions ルドン、ロートレックとソフィ・カル展
会期:2020年10月24日(土)から2021年1月17日(日)
会場:東京・丸の内の三菱一号館美術館
住所:東京都千代田区丸の内2-6-2
“1894年”の現代的な意味を探るため、現代アーティスト、ソフィ・カルとのコラボレーションも実現。同館を象徴する《グラン・ブーケ》が常に展示されているわけではないにも関わらず、訪れる人にその「存在」を意識させることに着想を得て、作品の「不在」をめぐる新作を発表する。また、国内初公開となる《あなたに何がみえますか フェルメール「合奏」》など、約20点のカルの作品を楽しめる機会となる。 出典:ファッションプレス