独立研究家で著作家の山口周(やまぐち しゅう)氏。
「人文科学と経営科学の交差点」をテーマで、パブリックスピーカーとしての講演や著作の活動を行っています。
ここでは、山口周氏のプロフィール、学歴、経歴、著書、講演を紹介します。美意識はビジネスにどのように必要なのでしょうか。
山口周のプロフィール 学歴・経歴
NewspicksのNew Schoolで参加型プロジェクトのリードをやることになりました。来週体験会やります。https://t.co/vrJIsassM4
— 山口周 (@shu_yamaguchi) March 27, 2021
生年:1970年
出身地:東京都
学歴:慶應義塾大学文学部哲学科卒業、同大学院文学研究科美学美術史学専攻修士課程修了
居住地:神奈川県葉山市
豊富な読書経験がある山口氏ですが、幼い頃は無理やり読まされている感があったそうです。しかし、でも小学中学年の頃、SFに夢中になりそれ以来、どんなジャンルでも多読するようになりました。
應義塾高等学校時代は、ほとんど授業に出席しないで、知りたいことに時間を費やしていました。美術館、映画館、図書館、墓地で過ごし、音楽を聞いていて、学校にはあまり行かなかったとか。
大学院の後、電通、ボストン・コンサルティング・グループ等を経て、組織開発・人材育成を専門とするコーン・フェリー・ヘイグループに参画。現在は、同社のシニア・クライアント・パートナー。専門はイノベーション、組織開発、人材/リーダーシップ育成。株式会社モバイルファクトリー社外取締役。一橋大学経営管理研究科非常勤講師、多摩美術大学クリエイティブリーダーシッププログラム講師でもあります。
山口周の講演・セミナー
新型コロナウイルスの感染拡大リスクが考慮されているので、2020年後半の講演・セミナー予定は未定です。
山口氏のツイッターだけでも学べることは多そうです。
二週間でテレワークシステムを構築して話題になってる登大遊さんのブログから。大事なのは「① 努力しないこと② 論理的に考えないこと③ 頭を使わないこと」だそうで、ここにもニュータイプがいました。https://t.co/hbxo4Wd5SE
— 山口周 (@shu_yamaguchi) June 15, 2020
山口周の著書
ニュータイプの時代
一万時間の法則やプランドハプンスタンス理論など、ビジネス書をたくさん読んでいる人ならよく知っている内容ですが、山口周さん流に新しい解釈を加えていて、わかりやすくまとまっています。 出典:アマゾン
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?~経営における「アート」と「サイエンス」~
これまでのような「分析」「論理」「理性」に軸足をおいた経営、いわば「サイエンス重視の意思決定」では、今日のように複雑で不安定な世界においてビジネスの舵取りをすることはできない――「直感」と「感性」の時代――組織開発・リーダー育成を専門とするコーン・フェリー・ヘイグループのパートナーによる、複雑化・不安定化したビジネス社会で勝つための画期的論考! 出典:アマゾン
武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50
ビジネスマンのための「哲学の使い方」をまとめた1冊です。哲学というと、これまでは「実世界では使えない教養」と捉えられてきましたが、それは誤解です。実際は、ビジネスマンが、「クリティカルシンキング」つまり現状のシステムへの批判精神を持つために、とても重要な示唆をくれる学問です。 出典:アマゾン
アート・美意識とビジネス
これからの時代、ビジネスで生き残るのは美意識を鍛えることだと、山口氏は語っています。
理論と科学を駆使して正しく合理的な戦力は限界があり、自分の美学に沿って展開していけば、グローバルニッチな成功を収められるということです。
創造する力を養うのことをアートに求め、自分の美意識を高め、ビジネスに応用するという提案は、他の著作者や美術史家も述べています。
しかし、これは「美術を愛する」ということではありません。確かに世界のエリートたちは美学や美術史、芸術に造詣が深く、コレクターがいるのは確かなことです。
数年前、前澤友作氏がバスキアの絵を123億円での落札が話題になりました。前澤氏は特にバスキア愛好家というわけではなく、購入した作品は美術倉庫に保管して、自宅で毎日眺めているわけではないのです。アートワールドの作品(特に故人の作品)は、将来値下がりすることはなく、資産としての価値は上がる一方です。購入は実業家としての判断です。
新しい視点で自分の哲学をビジネスに活かすというのであれば、アート作品、美学や美術史の知識に限らなくてもいいわけです。哲学者、歴史の重要人物、世界的な実業家からでも十分学べます。美学というのは、芸術に限ったことではありませんから、「広義の美意識」という点からの鍛錬を、山口氏は提唱しているのでしょう。
山口氏を単に新しい言葉を作り出して、人を熱狂させるパフォーマーと評する人たちもいます。けれど、ディレッタントとしては、今まで芸術になんの感動も覚えないビジネスマンが、美術館に足を運び、芸術家の奇跡を辿り、美の追求をし始める良い機会なので、嬉しくも感じています。