国内外のホテルや公共施設内などの施工を手がけ、伝統建築のみにこだわらす芸術的な仕事をする左官職人の久住有生(くすみ なおき)さん。
「左官」という職業は奈良時代からあったそうですが、その歴史を意識しつつ、風土と自然の美との調和を目指した活動をしています。
ここでは、久住有生さんのプロフィール、学歴、経歴、作品を紹介します。
またアトリエや名工と呼ばれる父 久住章さんについてもみていきましょう。
久住有生のプロフィール 学歴・経歴
引用元:https://www.audi.jp/innovator/progressive/01/
生年:1972年3月8日
出身地:兵庫県淡路島
久住さんは祖父の代から続く左官職人の家に生まれ、3歳のときから鏝(こて)を持たされ、弟と一緒に父親から左官修行を受けていました。
小学校に上がる頃はすでに壁を塗る技術を身につけていたのですが、高校時代にスイーツの世界に惹かれケーキ職人になることを希望します。
しかし、父親は大反対し、まずは世界の建築を観てくるようにと、久住さんをヨーロッパ旅行に行かせます。
その旅行中に、スペインのアントニ・ガウディのサグラダファミリアを見て衝撃をうけ、左官職人の道を決意します。
高校卒業後は、父親の元で毎日20時間以上修行し、名工といわれる父の技術を追いつこうと必死の努力をしました。
1995年、23歳の時に独立し「久住有生左官」を設立。仕事は順調でしたが、左官職人として自分のかけている部分に気づき、京都の伝統建築を手がける大工の親方の元で修業をします。この修行で、壁は塗る技術だけでなく、自然と建物の関係性が大事であるとの気づきを得ました。
その後、大学の建築学科で教鞭をとっている建築家からの誘いで、ワークショップや海外の大学での研究の場に呼ばれるようになりました。
伝統建築物の修復・復元作業だけではなく、商業施設や教育関連施設、個人邸の内装や外装も手がけています。 また、最近では国内外のギャラリーで、アート作品の制作もしています。
久住有生の父親 久住章
引用元:http://www.kanema2.com/
父親の久住 章(くすみ あきら、1948年 – )さんは、「カリスマ左官」と呼ばれ建築業界ではとても有名な方です。国内だけでなく、1985年から14年間に渡り、ドイツのアーヘン工科大学で教鞭をとっていました。
1984年兵庫県技能顕功賞、1995年吉岡賞(現新建築賞)、1999年日本建築学会文化賞を受賞しています。
伝統を守る職人というイメージがなく、革新的な名工なのですが、ベースには、京都御所や桂離宮の壁で遺憾なく 職人の技が発揮されています。
久住章のゲストハウス 引用元:https://www.flickr.com/photos/mozu/2502893986
久住有生の弟 久住鴻輔 (こうすけ)
2歳年下の鴻輔さんも左官職人です。本名は誠(まこと)さん。
久住左官代表。高校の夏休みにドイツで、伝統的民家の修復工事にたずさわり、
高校卒業後、章さんに師事し、本格的な左官の修行を始めます。
1997年 有生さんと同じ23歳で独立。京都・大原を拠点に活動をしています。
主な施工実績は、桂離宮 古書院 修復工事、京都御所 築地塀 修復工事、
金閣寺 茶室 新築工事などがあります。
夢は「宇宙船に土壁を塗ること」と壮大な願望をもっています。
久住有生の施行作品 個展作品
富津金谷「石蔵」 引用元:http://www.kusuminaoki.com/html
久住有生のオフィス アトリエ
左官株式会社
東京 Head Office
〒153-0063 東京都目黒区目黒3-5-12-207
電話番号 : 03-6427-4841
アトリエ
<淡路>〒656-2334 兵庫県淡路市釜口2404
<箱根>〒250-0404 神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下359 箱根富士屋ホテル内
一般住宅の施工も受注しているそうです。
左官株式会社 http://www.kusuminaoki.com/html/contact.html