生き物

養老孟司の別荘・昆虫館に「バカの壁」が!虫塚も建長寺に建立。

「現代の知の巨人」と言われる医学博士の養老孟司(ようろう たけし)氏。

著書『バカの壁』が2003年ベストセラーになり、流行語大賞を受賞し、一般的にも人気が出ました。

養老氏は大の昆虫マニアで、昆虫同好会を結成するだけでなく、別荘として昆虫館も建ててしまいました。

ここには、昆虫標本だけでなく、南伸坊氏の描かれた『バカの壁』があります。

また、鎌倉の建長寺には隈研吾がデザインした「虫塚」を建立しました。

養老孟司氏のプロフィール・経歴と共に、別荘の昆虫館の場所や内容、虫塚を見ていきましょう。

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養老孟司のプロフィール・経歴

「養老孟司」の画像検索結果<引用元:https://toyokeizai.net/>

生年月日:1937年11月11日 

出身地:神奈川県鎌倉市

学歴:東京が医学医学部、東京大学院基礎医学解剖学 医学博士

養老孟司氏は幼い頃父親を亡くし、医師の母に育てられました。

大学卒業後、東京大学医学附属病院に勤務するも、医療事故を3回経験したことから、解剖学の道を選びました。

解剖学の教授になってからは、この間、オーストラリアのメルボルン大学に2年間留学、東京大学総合研究資料館館長、東京大学出版会理事長を歴任し、58歳で東京大学を退官。

その後は、北里大学教授、大正大学客員教授、代々木ゼミナール顧問、日本ニュース時事能力検定協会名誉会長、ソニー教育財団理事、21世紀高野山医療フォーラム理事を務めています。

また、2017年から京都国際マンガミュージアム名誉館長に就任しています。

執筆活動では、心の問題や社会現象を脳科学、解剖学をはじめとした医学・生物学領域の知識を交えながら解説し、テレビ出演や講演も行っています。

養老孟司の別荘 「昆虫館」

場所

「昆虫館」といっても個人の別荘なので、住所は明らかにされていず、一般公開もされていません。

神奈川県、箱根の仙石原の近くにあります。

建物 藤森照信のデザイン

「養老孟司 昆虫館」の画像検索結果
<引用元:http://kousin242.sakura.ne.jp/>

建築家 藤森照信氏のデザインで、木造・鉄筋コンクリート造で、地下のある2階建て、2005年5月に完成しました。

別荘には大きなホールやライブラリーが有り、約10万点の昆虫標本を所蔵しています。「養老孟司 昆虫館」の画像検索結果<引用元:http://kousin242.sakura.ne.jp/>

「養老孟司 昆虫館」の画像検索結果<引用元:https://moretsu.exblog.jp/>

藤森照信 建築家

1946年長野県生れ。東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程修了。1983年、『明治の東京計画』で毎日出版文化賞受賞。1986年、赤瀬川原平、南伸坊らと路上観察学会を発足。1991年〈神長官守矢史料館〉で建築家デビュー。1997年〈ニラハウス〉で日本芸術大賞、2001年〈熊本県立農業大学校学生寮〉で日本建築学会作品賞を受賞。 出典:https://shinchosha.co.jp/

「建築家 藤森照信 ニラハウス」の画像検索結果

ニラハウス:アーティスト赤瀬川原平の自宅として設計屋根にはニラの鉢植えが設置され、時間とともに成長するエコロジカルな家を目指した

<引用元:https://www.tjapan.jp/>

バカの壁

「養老孟司 昆虫館 バカの壁」の画像検索結果<引用元:https://plaza.rakuten.co.jp/>

離れには建物を支える壁に、馬と鹿が南伸坊氏により描かれていて、「バカの壁」ですね。

「養老孟司 昆虫館 バカの壁」の画像検索結果<引用元:https://plaza.rakuten.co.jp/>

「バカの壁」とは「人間というものは、結局自分の脳に入ることしか理解できない」ということらしい。

その表現を南伸坊氏のゆるい画風と空中建築的に実在させるのは、養老氏のセンスの良さに脱帽します。

南伸坊 イラストレーター、エッセイスト

1947年、東京都世田谷区出身。東京都立工芸高等学校デザイン科卒業。赤瀬川原平の「絵・文字工房」に学び、後の考現学や路上観察学につながる無用建築物「トマソン」を発見した。72年、『ガロ』編集長として、渡辺和博とともに「面白主義」を打ち出す。79年、フリーとなり、エッセイ、イラスト、有名人に扮装し顔マネでなりきる「本人術」などで人気を博す。81年、パフォーマンス集団「HAND-JOE」を結成。任天堂のゲームソフト『MOTHER』のキャラクターデザインも手がけた。出典:www.radiodays.jp/

建長寺の虫塚

鎌倉の建長寺に養老孟司氏が発案し、隈研吾氏が設計した「虫塚」。

これは、養老氏の別荘から運ばれたゾウムシのオブジェの周りを、虫籠のような金網が覆いて、金網には次第に苔が生えるようになっています。

子供時代は鎌倉で昆虫採集に勤しみ、標本にしてきた昆虫を供養し、訪れる人にも生命の大切さを意識してもらうための慰霊碑を養老氏が建立しました。

「生き物は共生しなければ絶えてしまうもので、人間も例外でない。現代のような『虫がいなくなってしまう時代』に、共生の意味を問い直すきっかけにでもなればいい」と語っています。

建長寺 虫塚
神奈川県鎌倉市山ノ内8 建長寺内
電話:0467−22−0981
8時30分〜16時30分
拝観料:300円

隈研吾 建築家

1954年生。東京大学建築学科大学院修了。1990年隈研吾建築都市設計事務所設立。現在、東京大学教授。原広司、内田祥哉に師事し、大学院時代に、アフリカのサハラ砂漠を横断し、集落の調査を行い、集落の美と力にめざめる。これまで20か国を超す国々で建築を設計し、国内外で様々な賞を受けている。その土地の環境、文化に溶け込む建築を目指し、ヒューマンスケールのやさしく、やわらかなデザインを提案している。また、コンクリートや鉄に代わる新しい素材の探求を通じて、工業化社会の後の建築のあり方を追求している。出典:https://kkaa.co.jp/

kengo-kuma12サニーヒルズジャパン
<引用元:https://webdesignmagazine.net>

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養老孟司と現代美術

養老孟司氏は美術に関しても造詣が深いのは、箱根の別荘や虫塚をみればよく分かります。

「人は何故生きるのか」と悩むときには「アートの力」が必要であり、アートは文明の発達による弊害は、アートが解毒剤になっていると語っています。

ひとつの実在物を見ても、人によって捉え方が違い全く同じものに見える事はありません。こうした意識による認識は、アートの世界でも同じで、鑑賞者の思考、感情がプラスされてこそ、芸術として完成するという無意識の中の意識に気づかせてくれます。

そして、現代美術を見て「わからない」と思うのは、自分の意識と感性が統一されていないアンバランスな状態であり、人生への悩みがあるときなのではないでしょうか。

自分を統合するための手助けのひとつとして、アートは存在しているのかもしれません。

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