水、光、自然との調和、物体の配置空間から独特の雰囲気を醸し足す、現代美術家の内藤礼(ないとう れい)さん。
ここでは、内藤礼さんのプロフィール、学歴、経歴、受賞歴、作品、展覧会をみていきましょう。
内藤礼のプロフィール 学歴・経歴・受賞歴
引用元:https://mainichi.jp/articles/20190110/dde/014/040/020000c
生年:1961年
出身地:広島県
学歴:武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒業
内藤さんが美術に興味をもちはじめたのは、中学三年のときです。
授業で木版年賀状を作ったり、絵本作ったりして、美術の世界の多様性を知ったそうです。それからムサビに入学し卒業制作展後、及部克人名誉教授に展示機会を作ってもらい、美術家としてデビュー。
1991年、佐賀町エキジビット・スペースで発表した「地上にひとつの場所を」で注目を集めます。また、1997年には第47回ベネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館にて同作品を展示。
主な個展に1995年「みごとに晴れて訪れるを待て」(国立国際美術館)、1997年「Being Called」(カルメル会修道院、フランクフルト)、2009年「すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」(神奈川県立近代美術館 鎌倉)、2014年「信の感情」(東京都庭園美術館)、2017年「信の感情」(パリ日本文化会館)、「Two Lives」(テルアビブ美術館)。
パーマネント作品に、直島・家プロジェクト・きんざ『このことを』(直島、2001年)、『母型』(豊島美術館、2010年)。
主な受賞
1995年 日本現代藝術奨励賞(インスタレーション分野)
2003年 第一回アサヒビール芸術賞
内藤礼の作品
精霊 2009年 引用元:https://www.fashion-press.net/news/58789
ひと 帽子 2019年 引用元:https://www.fashion-press.net/news/58789
引用元:https://www.cinra.net/news/gallery/59404/0/
内藤礼の個展・展覧会
内藤礼 うつしあう創造
引用元:https://bijutsutecho.com/magazine/news/report/22227/pictures/2
会期:2020年6月27日~8月23日
会場:金沢21世紀美術館
住所:石川県金沢市広坂1-2-1
電話番号:076-220-2800
「うつし」も重要なキーワードだ。人間と自然、わたしとあなた、あるいは生と死のように、何かと何かのあいだに生じる様々な「うつし(移し、写し、映し、遷し)」。こうした「うつしあう」両者のあいだにあるものこそが生気であり慈悲であり、生へと向かおうとする心の動きこそが「創造」なのだと内藤は話す。 出典:美術手帖
可愛さと心地よさ、生と哲学と
引用元:https://colocal.jp/topics/art-design-architecture/naitorei/20130504_17540.html
内藤さんの作品のテーマは、「地上に存在することは、それ自体、祝福であるのか」というものです。作品を創るのは自己表現ではありません。人が作品を生み出すということは、自己の発露だけではないはずで、世界の母体である自然と人間の生との連続性について考えているそうです。
内藤さんは、空間と対話しながら自然のエレメントや繊細なモチーフを組み合わせ、またカンヴァス上に淡い色彩を重ねることで、根源的な生の光景を出現させてきました。
「うつしあう創造」では、『「人(わたし)が作る」を超えること』を問い続けてきた彼女が、はじめて「創造」と向き合いました。それは人が自らを主体であると認め、人になろうとする行為だと作家はいいます。人と自然、わたしとあなた、生と死、内と外、そして人と作品のあいだに生じる移し、写し、映し、遷し。「うつしあう」両者のあいだに顕われる生気、慈悲、それらとの一体感のうちに、生へと向かおうとする「創造」の瞬間が見出されるのです。 出典:金沢21世紀美術館
これは、少し難しい芸術家の哲学を作品に表現しているので、鑑賞者がどこまで理解できるのかはわかりません。しかし、シンプルに内藤さんの作品を見てみると、人型は可愛らしく、名状しがたい空間に置かれています。自然光を取り入れた作品の中に入れば、いつもと違った風景が見え、別世界へいざないます。それがなんとも心地よく、私たちはこの世界に祝福されているという、ほんのりとした感覚が湧き上がってくるのではないでしょうか。