現在芸術家の森村泰昌(もりむら やすまさ)氏。
ゴッホ、フェルメール、キリストの名画の人物を自分の顔に描きかえ、自画像的作品を創っています。
森村泰昌氏のプロフィール、経歴、学歴、賞歴、作品、美術館をみていきましょう。
森村泰昌氏のプロフィール 経歴・学歴・賞歴
引用元:https://www.kcua.ac.jp/
生年月日:1951年6月11日
出身地:大阪市天王区
学歴:京都市立芸術大学大学院
森村氏は京都市立芸術大学工芸科デザインコース卒業後、松下電工に入社。しかし、研修三日目で脱走し退社。そして、もう一度京都市立芸術大学で写真科に再入学します。
高校や短期大学の非常勤講師をしながら、写真家のアーネスト・サトウ氏に師事。
アーネスト・サトウ 写真家 1927−1990
京都市立芸術大学美術部大学院教授。「LIFE」「New York Times」でフォト・ジャーナリストとして1957年にアメリカで活躍し始め、1962年以降、日本を拠点とした活動。彼の作品は、西洋と日本の理想的な融合であり、「モダニズム」の王道であると言われています。
絵、写真、版画、デザイン、執筆と広い分野にチャレンジしていましたが、公募展では全て落選していました。
転機は34歳の時、ゴッホの肖像画を自分の顔にして発表したことが大きな反響を呼びました。
引用元:http://web.kyoto-inet.or.jp/
大きな批判もありましたが美術雑誌にも載り、実質的な美術家としてのデビューとなります。
その後も名画や写真をもとにした「自画像的作品」を創りだし、2018年には自身の美術館「M@M(モリムラ@ミュージアム)」を大阪・北加賀屋に開館。
主な受賞歴
- 2003年 織部賞
- 2008年 第58回芸術選奨文部科学大臣賞
- 2011年第52回毎日芸術賞を受賞、紫綬褒章を受章
森村泰昌の作品
森村氏は名画の肖像画になるにあたって、構成、背景、時代などを詳細にリサーチし、自身の解釈にによって大胆に変化させている作品もあります。
フェルメール
引用元:http://kmowotan.cocolog-nifty.com/
モナリザ
引用元:http://www.tagboat.com/
三島由紀夫
「私」と「わたし」が出会うとき
森村氏は西洋美術だけでなく、日本美術、女優、政治家など様々な人となって肖像画を創っています。オリジナルを知っている美術ファンなら、その背景とともに森村氏がなにを主張したいのかがわかり、かなり楽しめる作品ばかりです。
数多くの作品を、「森村泰昌」芸術研究所 で御覧ください。
M@M モリムラ@ミュージアム
引用元:https://merry-kazu.blogspot.com/
若きアーティストの活動拠点となっている大阪市住之江区北加賀屋町に2018年、オープンし、森村泰昌氏の多数の作品を観ることができます。「ひろく」「ふかく」「ながく」をモットーに芸術を学べる場所として人々に親しまれています。
展覧会、講演、イベントも定期的に行われ家族で楽しめる美術館です。
住所:大阪府大阪市住之江区北加賀屋5-5-36 2F
開館時間:12:00〜18:00(金、土、日のみ開館)
休館日:月〜木(12月24日、1月14日は開く)
料金:一般・大学生 500円 / 高学生・中学生 200円/ 小学生以下 無料
詳細はM@Mへお問い合わせください。
森村泰昌の展覧会
森村泰昌 (仮称)
会期:2022年3月12日(土)〜6月5日(日)
会場:京都市京セラ美術館
住所:〒606-8344 京都市左京区岡崎円勝寺町 124
https://kyotocity-kyocera.museum/exhibition/202203-06
名画の中の自分
もしあなたの顔が名画になるとしたら、どの絵を選ぶでしょうか。
構図も色彩も背景もオリジナルと同じで、顔だけが自分であったら、その時代の芸術家、もしくはモデルと同じ雰囲気を味わえるかも知れません。
モリムラ@ミュージアムでは、衣装を着てフェルメールの絵になるという楽しい企画がありました。
では、もう少し想像を膨らませてみてください。
世界的に有名な巨匠が名画になぞらえてあなたの肖像画を描きます。あなたは、名画と全く同じポーズをとるでしょうか。それとも、オリジナルとは少し違うポーズをとったり、目線を変えたり、背景にあなたのお気に入りのものを置いたりするでしょうか。巨匠に何を見てどこをわかってもらいたいですか。自分のどの部分を一番に表現してもらいたいですか?
名画の中の自分の想像は、自分とは誰なのかを再考するチャンスを与えてくれて、自分でも知らなかった違う思考や感情を引き出してくれるものかもしれません。
参考:
miracle paradise
美術情報2017 森村泰昌
kimio’s diary
Spice 森村泰昌 私の年代記
森村泰昌 芸術研究所
ウキペディア 森村泰昌