「アルビノ」とは、遺伝的な原因で生れつきメラニン色素を生成する機能が欠けていることによって、肌や毛髪の色が白くなる症状です。
この症状が出る人は、日本では20,000人に一人と言われていますが、アフリカでは1,400人に一人の割合で存在するそうです。
そして、アフリカでは、現在でも「アルビノ狩り」という、非人道的な出来事が起こっています。
アフリカの反社会的な人間たちが、アルビノの人間を襲い、その体を高く売りさばく事件が多発しているのです。
今回は、アルビノ狩りがナゼ起こるのか?その理由とアルビノ狩りが多いアフリカの国を調べました。
アルビノ狩りはナゼ起こるのか?その理由
アルビノの体が「幸せ」をもたらす
アフリカ東部の一部の人たちの間では、アルビノの人肉を食べることで幸福がもたらされると信じられています。
アフリカには、呪術が古くから生活に欠かせないものとして、存在しています。
その呪術で、通常とは違う白い肌の人間は体は神聖で、その体で作った妙薬は、今までにない幸福や、悩みが消え幸せが得られると言われているからです。
アルビノの体は「薬」としての効果がある
「呪術医」という職業の人がいて、呪術で医療の治療をする人がいます。
呪術医は、特別な力があると信じられて、頼るべきひとなのです。
アルビノを聖なる存在と考え、アルビノの体から特別な妙薬を作ります。
アルビノの体の部位によって、薬としての効果が違うと言われています。
目の悪い人はアルビノの目を、足の悪い人はアルビノの足を薬として食べたり飲んだりすれば、病気は治ると信じられているのです。
また、アルビノの女性とセックスすると、エイズが治るとも言われ、アルビノの女性が暴行されることもあります。
アルビノの体は富をもたらす
アルビノの体は、身体的な問題を治すだけでなく、富をもたらすと言われています。
例えば、アルビノの髪を編みこんだネットを使うと魚がよく採れるといった言い伝えや、アルビノの脚を持って鉱山に入れば金を掘り当てられるなど、アルビノの体の部位は様々な人に富を与えると、宗教的に考えられています。
アルビノの体は、病気を治し、富を与え、幸福になるという、万能薬として考えられています。
ですから、アルビノの人たちを襲い、殺して、その体が高く売れるのです。
肉体を入手するために墓場も荒らされることがあるといいます。
そして、アルビノの人間の体を完全な状態で売買すると、日本の経済価値で言えば、年収一千万円の人間が、6億円手に入るようまものなので、残虐な殺人があとをたちません。
アルビノ狩りが多いアフリカの国は?
モザンビーク
2017年9月にはアフリカ南東部モザンビークで、アルビノの17歳の少年が殺害され、脳などが奪われた状態で発見されました。
AFPが伝えた地元当局者の話では、「犯人らは被害者の腕や脚から抜き取った骨や、髪の毛を奪ったうえ、頭を割って脳を取り出していた」といいます。
国連のまとめでは、モザンビークでは2014年以降、アルビノに対する攻撃が100件以上発生している。犯人らはその足の指から排せつ物に至るまで、何もかもを奪っていくそうです。
タンザニア
タンザニアでは、『ムチャウイ』と呼ばれる呪術師によってアルビノの身体の一部を煮出したものは、幸運と繁栄を運ぶ秘薬として使用する風習があります。
2011年には、11歳のアルビノの少女が、友達と川へ遊びにいく途中にアルビノハンターに捕まってしまい、背中を撃ち抜かれた後、頭部を切断され、舌や性器をくりぬかれるという残忍な事件が起こりました。
2017年9月には、アフリカ南東部モザンビークで、アルビノの17歳の少年が殺害されあと、腕や脚から骨を抜き取られ、髪の毛を奪ったうえ、頭を割って脳を取り出されるという事件もありました。
2006年以降、71人が命を奪われ、29人が襲撃されていて、その数は増え続けています。
「アルビノ狩り」はこの他の国、ブルンジ、ケニア、スワジランドなど、アフリカ各地に広がっているのが事実です。
過去10年でアフリカの28カ国で約700件の襲撃があったのです。
まとめ
アフリカ政府は、アルビノ患者の殺害を止めようと公衆の啓発に取り組んでいるが、闇市場ではいまだに身体が高値で売買されているのが現状です。
このアルビノ狩りの理由は、アフリカの最貧民層の問題でもあると言われています。
貧しいがゆえに、高収入になるアルビノ狩りをしていることもあるのです。これはアフリカ全体が貧富の格差を少なくする経済の問題も重要になっているのです。
国際会議「東京アルビニズム会議」が11月9日、初めて開かれます。アルビノの体が富をもたらすという迷信が、全く意味のないことであると気づくことを、祈るばかりです。