数々の児童文学の挿絵を制作しているイラストレーターの杉浦 範茂(すぎうら はんも )さん。
大人気の「ルドルフ」シリーズは昔から愛され、テレビ絵本で放映されたり、リメイクしてアニメ映画にもなっています。
ここでは、杉浦範茂さんのプロフィール、学歴、経歴、賞歴、絵本を紹介します。
杉浦範茂のプロフィール 学歴・経歴・賞歴
引用元:https://chihiro.jp/foundation/collection/hammo-sugiura/
生年: 1931年9月17日
出身地:愛知県
学歴:東京芸術大学美術学部図案科卒業
居住地:東京都世田谷区
製薬会社宣伝部でデザイン業務、デザイン事務所での勤務を経て、1970年ごろから、絵本や児童書の挿絵画家となります。
本の装丁もなさっていて、作品は独特の画風でありながら、好事のバランスの良さが光るのはやはりアカデミックなデザインの下地があるからでしょう。
主な賞歴
- 1979年 『ふるやのもり』小学館絵画賞受賞
- 1983年 『まつげの海のひこうせん』絵本にっぽん大賞、ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞を受賞
- 1985年、芸術選奨文部大臣新人賞、紫綬褒章受章
杉浦範茂の個展
杉浦範茂さんの個展の予定は現在ありませんが、「いわさきちひろ美術館」で、「まつげの海のひこうせん」を見ることができます。
引用元:https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784033302706
杉浦範茂の作品・絵本
ルドルフといくねこ くるねこ
ある日、川のむこうからドラゴン兄弟がやってきた。いったいなにをしに?最近、ブッチーのようすもなんだかおかしい。そして、ルドルフにも思いがけないできごとが―。変わらないようでいて、変わっていく世界のなか、それぞれが自分自身を見つめなおしはじめる、ルドルフとなかまたちの新しい物語。 出典:アマゾン
ニルゲンツものがたり へんてこだより
どこかの国のへんてこな街、ニルゲンツに暮らす人びとは、みんないい人、泥棒なんかいません。でも、ちょっとだけ、かわっています。そんなニルゲンツから届いた招待状とは…。ユーモア溢れる12の短い絵童話。 出典:EhonNavi
ぽたぽた (名作童話集)
おえかきの画用紙、コップについだジュース、おかあさんが干した洗濯物、にわのノラネコ、裏返しのセーター、……小さい子の視線にはこれらのものはとても親しく映ります。リョウくんの世界を見事に切り取った連作童話集。出典:EhonNavi
海をかっとばせ
野球少年ワタルが、特訓を決意します。毎朝、早起きして海辺まで走ってゆこう!うち寄せる波をめがけてバットを振ろう!ピンチヒッターでもいいからなんとしても夏の大会にでよう!―と。その純真な少年の心と行動を描く絵本。きめこまかで、鮮やかで、文と絵とが共鳴しあった、さわやかなファンタジー絵本です。 出典:アマゾン
夢ってなんだろう
昔の人が見たふしぎな夢、今の子どもたちが見たおかしな夢を紹介しながら、眠りと夢が人間にとってどんなに大切な意味をもつかを明らかにする。ユニークな“子どものための哲学の本”。 出典:アマゾン
引用元:https://wowma.jp/item/210720232/
引用元:https://lohaco.jp/product/L01637933/
子供から大人までが惹かれる挿絵の力
杉浦範茂さんの挿絵は「ルドルフ」の作家 斎藤洋さんの文にぴったり寄り添っているのが、ルドルフシリーズの人気でしょう。アニメ映画を見た方は、少しがっかりしたかもしれません。杉浦さん挿絵の驚くところは、独特の画風であっても、どの作家の文にもしっくりと表現しているところです。
親しみやすい絵であるので、子どもたちは十分に絵本を楽しむことができます。また、大人の絵本の読み方、「空間を読む」ということもできるのも魅力です。
絵本を読んだときに、児童書そのものの挿絵がついている本は、優しい気持ちや少し悲しい気持ちになるだけです。しかし、挿絵が奥深い惹かれるものであれば、なぜかストーリーが違ったイメージとなって頭の中に入ってきます。
子供時代にその印象的な絵本を読んだのであれば、大人になってまた読みたいと切望するします。また、初めて手にする絵本であっても、挿絵に惹かれれば印象に残る物語となるでしょう。
これは、名作と呼ばれる童話を、違う挿絵画家の絵本を何冊が読み比べてみればわかります。文章は全く同じなのに挿絵によって、場面の状況や物語のテーマがかわっていき、自分の心が推しはかれるのです。これは、挿絵の力といってよいでしょう。もし、しっくりこない童話があれば、挿絵画家の違った本を読んでみてもいいのではないでしょうか。