オランダのバロック、黄金時代の画家、ヨハネス・フェルメール。
映像のような写実的な手法と、綿密な空間構成そして光による巧みな質感表現を特徴とする絵画で世界中の人々を魅了しています。
また、フェルメールの作品は世界で30点しか確認されていないのも、人気の一つでしょう。
このフェルメール作品の価格はいくらなのか?
フェルメールの絵画の価格が上がり始めたのは、アメリカに作品が渡り始めた頃だと言われています。
過去の購入価格と将来の想定価格を見ていきましょう。
「水差しを持つ女」
<1664年制作。油彩。メトロポリタン美術館蔵>
最初にアメリカに渡ったフェルメールの作品と言われます。
銀行家のヘンリー・マーカンドが、同じオランダの画家、ピエール・デ・ホーホの作品だと思いこんで、6,000ドルで購入。今の価格で言えば、15万ドルぐらいになります。
信仰の寓意
<1670〜1672年 制作、油彩、メトロポリタン美術館蔵>
1928年、実業家のマイケル・フリードサムが30万ドルで購入。
30年後には、50倍の値段になっていたわけです。
ギターを弾く女性
<1670年頃制作、油彩、ケンウッド・ハウス蔵>
1974年に盗難にあったときには、100万ポンドとロンドンタイムス描かれていました。現在の価格でいうと4億円ぐらいでしょうか?
こちらの絵画は無事2ヶ月後に発見されました。
合奏
<1665〜1666年制作、油彩。元イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館蔵>
1892年、イザベラ・ガードナーがパリでのオークションで5,000ドルで落札。1990年に「ガードナー事件」で盗まれて以来、行方不明となっています。評価額は1500万ドルとされています。
牛乳を注ぐ女
<1658〜1660年制作、油彩、アムステルダム国立美術館蔵>
1653年のオークションでは175ギルダー(175万円相当)という高値で落札されています。当時から人気の高かった絵画ですね。
真珠の耳飾りの女
<1665年制作 油彩、マイリッツハイス美術館蔵>
このオランダの「モナ・リザ」ともいわれる少女の肖像画は、1881年のオークションではわずか2ギルダー(約1万円)で売られました。
しかし、美術館に寄贈されたあとは、入念な修復がされ、もし現在取引されるなら150億円と言われています。
聖プラクティス
<1665年頃制作、油彩、プライベートコレクション>
フェルメールの真作かどうかは意義がある初期作品です。
2014年にクリスティーズ競売で、624万2500ポンド(10億8600万円)の値が付きましたフェルメールの作品で個人所蔵のものは、このほか1点しかありません。
まとめ
世界的な名画というのは、価格はあってないようなもので、所有している美術館が手放すことはめったにない事でしょう。
フェルメールファンとしては、価格よりも、最適な保存状態で、なるべくオリジナルの色彩を失わないような修復、そして頻繁に作品を展示してくれることを、切望するばかりですね。