不都合｜ショートストーリー

shae-m

4年前

動物を飼うのは、勇気と覚悟と努力が必要です。ただ可愛いからと言って安易にペットにしてしまうと、飼い主もペットも不幸になってしまいます。

動物を心から愛している人なら、ペットを飼うか飼わないかは、動物の幸せを考えると、かなり悩ましい問題となります。今大人気の、飼うのは比較的楽だと言われる猫であっても、その悩みはつきないでしょう。

そんな動物好きの人が、突然の子猫にであったらどうなってしまうのかを、ショートストーリーにしてみました。

私の庭にまた白い子猫が来ている。
うちには犬がいるので、猫がいるのはちょっとまずい。
私は猫アレルギーなので、猫がいるのはすごくまずい。
見ただけで鼻水が出てくる。

犬のジョンは子猫を追いかけ、捕まえようとする。
ジョンが子猫を捕まえるのはちょっとまずい。
私が捕まえたあとの処理をするのはすごくまずい。
庭に穴は掘りたくない。

捕獲しシェルターに連れて行くために、餌でおびき出す。
子猫は安い餌を食べないので、高級キャットフードを購入した。
予定外の出費はちょっとまずい。
ジョンが庭に置いたキャットフードを食べてしまうのはすごくまずい。
子猫の餌は家の中に置くことにした。

子猫はまん丸の目で私をじっと見つめたあとに、
ニッコリ笑いながら餌を食べた。

最近、近所の人が言う。
「お宅の猫ちゃんかわいいですね〜」
私はテッシュで鼻水を抑えながら、もう子供ではない白い猫を抱き上げた。