平安時代というのは、恋愛面では雅な印象を受けますが、実生活と照らし合わせて考えると、かなりシュールであったように思われます。
「若様が好き」
ウフフ。
私、若様を待ってるの。
今夜はこの雅なお部屋で、控えるようにと御達しがあったのよ。
今は通い婚が一般的だけど、私の家は竪穴住居だし、
それじゃ、やっぱり、風情に欠けるもんね。
だから、お屋敷にあげてもらって、暫く奉公してたんだけど、
今夜はいよいよビッグチャンス!
妊娠したら、側室になれるかもしれないし、
女は美人に生まれただけで、人生の勝ち組ね。ホホホ。
あ、若様が御簾をあげて、入って来たわ。
そして、私に近づき、愛の口づけを…
うわっ! くっさー!
お香と体臭のまったりとしたブレンドが、耐えられない!
そういえば、貴族って、入浴も吉兆で決めて、年に1〜2回しか
入らないって聞いたわ。
もう、占いに依存しすぎの生活ね。
ああ、若様、それ以上近づかないで…
部屋の隅にサッと逃げて、顔を背けていると、
若様は、「愛い奴」といって、ギュっと私を抱きしめた…
平安時代の恋愛事情
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