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バンクシーの落書きなら日本でも許されるのか?ストリートアートは芸術なのか?

2019年1月、東京都港区の防潮堤で、イギリスの覆面アーティスト、バンクシーらしきネズミの絵がみつかってから、日本各地で、バンクシー風の絵が次々と発見されています。

これらの絵は、港区のネズミの絵を覗いては、真偽の調査はされておらず、偽物のいたずら書きとされていますが、すぐに消去されることはなく、しばらくは放置されるそうです。

通常、他人の所有物に絵を書けば、器物、建造物損壊の犯罪になりますが、持ち主たちは容疑者を追求しない模様ですので、これからもこうしたバンクシー風いたずら書きは増えていくのでしょう。

そうすると、イギリスのように(真性の可能性が高いもののみ)日本でも、バンクシーらしき絵はどこに描いても許されるということでしょうか?

そして、日本では、壁画アートとバンダリズムは芸術として、同じ範囲に入ってしまう懸念が残りそうです。

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バンクシーだけがストリートアートを許される理由

イギリス ロンドンでは多くのバンクシーの作品が路上で見られます。

その作品たちは、取り除かれることも消去されることもせず、保護ガラスをつけられるものや、高額の保険をかけられるものさえあります。他のグラフィティアーティストの絵はすぐに削除されてしまうのですが、バンクシーの名が入っていると、特別な扱いを受けています。

地方自治体の話では、バンクシーの壁画アートが合法ではないものの、喜ばしいことだと認めているようです。すでにバンクシーじゃ世界的に有名であり、作品は高額で取引され、あのサザビーオークションでシュレッダーにかけられた「風船と少女」(「愛はゴミ箱の中に」)は1億5千万円の価格がついたのは、まだ記憶にあたらしいところ。

この有名絵画があれば、地域の価値を高め、観光スポットとしても多くの収入が期待できるため、バンクシーだけは特別の許可がおりているかのようです。

こうした事例から、日本の港区で見つかったバンクシーらしきネズミの絵も、都庁で展示される予定があるのではないかと思われます。

港区のバンクシーは展示をするのか?

東京都港区の防潮扉で見つかり、路上アーティストのバンクシーが描いた可能性があるネズミの絵について、都は都庁内(新宿区)で展示する方針を固めた。本人の作品と断定できていないが、「見てみたい」との要望が多いためという。10連休直前から、2週間ほど展示する方向で調整しており、連休中も無料で見られるようにするという。  <出典:https://www.asahi.com/>

真偽の程を調査して、過去のバンクシーが描いた公表している絵とほとんど一致することから、本物である可能性が高いと専門家は判断しています。

しかしバンクシー本人には確認が取れず、バンクシーのロゴもないことから、100%の確定はありません。

実際に「見てみたい」という要望が多いことから、この切り取られた絵を展示する予定だそうですが、芸術としての価値はあるのでしょうか?

このネズミの絵は、高名であるバンクシーの真作という確証はなく、単にヴァンダリストがステンシルを使ってスプレーを吹き付けただけかもしれません。また、なぜ日本の港区に「傘をさし、小さなカバンをもったネズミ」を描かいた意味も解明されていません。社会風刺を得意とするバンクシーのペンキ絵なら、絵に描かれた真意のほうが大事でしょう。

それならば、東京都の「見たいものを見せる」という意向のみ理解できますが、これを芸術品としてもてはやし、いたずらに街の多様な場所に模倣していくのは、いささか幼稚な気もします。

日本でバンクシーらしき絵が多発している理由

バンクシーの絵のステンシルはネットで販売していますから、描こうと思えばいつでもどこでも同じものを描けるはずです。

最近バンクシーらしき絵が日本中で増えているのは、単に話題に乗っている遊び心でやっている素人か、売名行為のストリートアーティストですが、どちらも犯罪です。犯罪の重さや賠償金額が違うだけで、社会問題になっているバカッターやバカチューバーとやらと同じことをしているわけです。

しかし、バンクシー風の落書きは世間の風当たりが強くないところが、大きな違いで、社会問題として話題にならないところが大きな違いです。

器物、建造物損壊の犯人を探そうとしないどころか、地域の活性化や商売の繁盛につながると考え、かなり好意的に見られているヴァンダリズムです。これは日本でも、作品の価格が高いバンクシーの絵なら許されてしまう、芸術と言う名の権威に弱い証拠でもあるのでしょう。

ですから、これからもバンクシー的な絵は日本中で増えていくでしょうし、もしかすると客寄せのために店主自らこっそりスプレーする可能性もあるかもしれません。

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バンクシー風ヴァンダリズムを止める方法はあるか

バンクシーの絵が日本中で見つかるのは、時流にのっている一時期のブームにすぎないのは理解できますので、バンクシー旋風が過ぎ去るのを待つしかないのでしょう。

バンクシーの絵はシンプルで白黒がベースですし、フォルムも整っていますから見た目は見苦しくはないのですが、あちこちの場所で偽物ばかりが目に入るのは美術愛好家でなくとも不快です。

それならば、今回都庁でネズミの絵を展示する機会に、日本にある全てのバンクシーらしき落書きの写真を一緒に展示するのはどうでしょうか?

大々的な偽バンクシー展覧会を開けば、わざわざ公共物にスプレーする必要はなく、自宅の壁にステンシルを使って作品を作ればいいわけですし、無名のアーティストは名前が世間に知られるようになります。まあ、こうするとストリートアートの価値はなくなるわけですが。

しかし、もしかしたら、日本の偽バンクシー展の作品を知ったバンクシー本人が、その中の作品の真偽の声明をだしてくる可能性もあるわけで、愉快な展覧会になりそうではありませんか?

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