「猫」と「鈴」というのはペアになっている印象があります。
子供のときに読んだイソップ寓話『ねずみの相談』が記憶に強く残っているせいでしょう。実際に猫に鈴付きの首輪をさせるのは、メリットとデメリットがあるので、飼い主の判断によりますね。
今回は鈴を付けられた飼い猫のショートストーリーをお楽しみください。
「猫に鈴」
俺、鈴を付けられちゃったんだよね。
ネズミにじゃあなくて、ご主人様になんだけどさ。
おかげで、どこにいてもすぐ見つかっちゃう。
大好きなテレビの後ろとか、食器戸棚の隙間にいても
つまみ上げられて、出されちゃうんだ。
不愉快だから家出して、塀の上をそっと歩いてたのに、鈴が鳴るから
半日も立たないうちに、発見されて連れ戻されちゃったぜ。
そもそも、猫は音を立てないで動くっていう基本に反してるよな。
なんとか鈴を外したくて、首を引っ掻いても、うるさく鳴るだけで、
全然取れやしないよ。
「かわいい~!この子自分で鈴鳴らしてる〜」
どうやら俺の鈴を外そうとする仕草がご主人様にうけて、
これをやるといつでもおやつが貰えるようになった。
食い物に不自由はしなくなったけど、食べ過ぎで太ってきちゃったんだよ。
鈴が首に食い込んで痛い。
やっぱ、「猫に鈴」って無理なんだってば!
イソップ寓話「ネズミの相談」
「ネズミの相談」には、「いくら素晴らしい案でも、実行できなければ絵に描いた餅である」という教訓が含まれていますね。これは、思いついたらすぐ実行してみなさい、という勇気をだす言葉にも受け取れます。(ネズミの場合はその勇気をふるうと、食べられちゃう可能性が大ですが、、)
しかし、「叶えられない夢をもつな」とか「絶対権力者には勝てない」といった意味も含まれているのではないでしょうか。そう思うと現実社会の厳しさを感じて悲しくもなりますが、毎日を堅実に生きる大切さも教えてくれるような気がします。