版画の世界的巨匠 棟方志功(むなかた しこう、1903−1975)。
少年時代に「ゴッホになる」と芸術家を目指し、川上澄生の版画に大きく影響され、版画家になります。国画展に出品の「大和し美し」により知名度があがり、柳宗悦、河井寛次郎ら民芸運動の人々と交流します。
絵本でも馴染みのある棟方志功の作品を、肉眼で見られる美術館、記念館などの施設を紹介します。
棟方志功記念館
住所:〒030-0813 青森市松原2丁目1番2号
TEL 017-777-4567
http://munakatashiko-museum.jp/
校倉造りを模した建物は、池泉回遊式の日本庭園と調和し、落ち着いた佇まいは、季節の移ろいとともに四季折々の風情を感じさせてくれます。「釈迦十大弟子」を初めとするダイナミックな板画作品をはじめ、倭画・油絵・書などが収蔵されており、年4回の展示替えで、さまざまな作品を見ることができます。2012年(平成24年)7月には鎌倉市にあった棟方板画館と合併し、497作品1112点が移管されました。所蔵作品数は1900点余りで、国内最大の棟方コレクションをもっています。
青森県立美術館
住所:〒038-0021青森市安田字近野185
TEL:017-783-3000
http://www.aomori-museum.jp/ja/
棟方志功の作品「花矢の柵」「八甲田山麓図」などを常設しています。
青森県立美術館は、建築家 青木淳の設計により「三内丸山縄文遺跡」の発掘現場から着想を得て建設されました。建物の地面が幾何学的に切り込まれ、その上から白く塗装された煉瓦が覆いかぶさっているシンプルモダンの美しさが味わえます。
「地域と風土に密着した芸術を重視するとともに、豊かな感性を養い、未来の創造に資することのできるような美術資料の収集を行う」という理念のもと、コレクションしています。
棟方志功のほか、斎藤義重、小野忠弘、橋本花、工藤甲人、寺山修司、奈良美智などなど多くの個性豊かな作家の作品が楽しめます。また、青森県以外の作家作品も豊富で、荒川修作、今井俊満、恩地孝四郎、山口長男、シャガール、カンディンスキー、クレー、マティス、レンブラント、ルドン、ピカソの作品もあります。
やまとあーとみゅーじあむ
住所:〒368-0023 埼玉県秩父市大宮6175-1(羊山公園内)
TEL: 0494-22-8822
http://www.chichibu.ne.jp/~yamato-a-t/index.html
棟方志功の作品を中心に集めた美術館で「梨牟醐華妃神の柵」などが展示されています。他にも、熊谷守一、林武、鈴木信太郎、ベルナール・ビュフェの作品があります。
同館がある羊山公園は、春は桜と芝桜の名所、 夏は深緑、秋は紅葉、冬は木立の中の雪景色と、四季折々の美しい自然と融合しているので、観光もあわせて楽しむことができます。
浅虫温泉 椿館
住所:青森県青森市大字浅虫字内野14
TEL: 0120-8102-15
https://www.810215.com/74957/
棟方志功は、毎年家族で避暑に1~2か月椿館に逗留し、亡くなる前年まで来ていたそうです。
ロビーに画伯の作品や詩・俳句短歌・写真を展示しており、殆どが直筆で全集に載ってない作品が多数あるのが見どころです。椿館の浴衣には志功の鯉の絵がモチーフとなっています。また毎週土曜午後7時50分より『棟方志功の語りべ』講話を行なっています。
勝烈庵
住所:横浜市中区常盤町5-58-2
TEL : 045-681-4411
http://katsuretsuan.co.jp/munakata/
志功作品が多数展示されているレストラン。看板の文字も志功です。
当時の勝烈庵当主が陶芸家浜田庄司の紹介で、交流が始まり度々カツレツを食べにきたそうです。横浜にちなんだ版画や肉筆画の作品が店内に展示されています。
毎年10月に開催する「かつれつ祭り」の期間中に、来店者には棟方志功が描いた陶板(お皿)をプレゼントしているそうです。
南砺市立福光美術館(なんとしりつふくみつびじゅつかん)
住所:〒939-1626 富山県南砺市法林寺2010
TEL : 0763-52-7576
分館/棟方志功記念館「愛染苑」
〒939-1654 富山県南砺市福光1026-4
TEL: 0763-52-5815
https://nanto-museum.com/category/news/
本館
棟方志功の作品を収蔵・展示。サンパウロビエンナーレ国際美術展で版画部門最高賞、ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展にてグランプリの国際版画大賞を受賞した棟方志功の代表作「二菩薩釈迦十大弟子」や、陶芸家 河井寛次郎を讃えて作られた24柵からなる作品「鐘溪頌」など多数常設として展示しています。日本画家 石崎光瑤の主だった代表作もあります。
分館 棟方志功記念館 愛染苑(あいぜんえん)
志功の最初の旧住居跡に建てられた記念館。疎開生活をしていた6年8ヶ月間に制作した作品を中心に展示。「愛染苑」は棟方志功の住居に谷崎潤一郎が命名した名前です。
分館 旧棟方志功住居 鯉雨画斎(りうがさい)
志功が1946年(昭和21年)居を構えた住居を、愛染苑向いに移築保存展示しています。当時、妻、子供3人で暮らしていた。屋内のアトリエとして使用していた8畳間の板戸には「滝登りの鯉」、「雨に打たれた鯉」が見られます。厠の壁や天井には天女や菩薩などが描かれています。