鋳物師の元井秀治さんは、老子製作所14代目の代表取締役です。
鋳物というと日常ではあまり馴染みがないかもしれませんが、彫刻や鐘、仏具などが作られ、老子製作所は、京都の西本願寺や三十三間堂、成田山新勝寺などに2万鐘を超える梵鐘を納めてきました。
ここでは元井秀治さんと老子製作所の経歴や作品を見ていきます。
梵鐘とは?
梵鐘(ぼんしょう)は、東アジアの寺院などで使用される仏教 の法具としての釣鐘のことです。撞木(しゅもく)で撞(つ)き鳴らし、重く余韻のある響きが特徴で、一般的には、煩悩を取り去るという除夜の鐘で知られています。
時計のなかった時代は梵鐘が刻限を告げていました。「梵」は、梵語(サンスクリット語)で「Brahma=神聖・清浄」を音訳したものです。
中国・朝鮮半島から仏教が伝来してからの長い歴史のなかで、日本では寺の鐘が独自の発展を遂げたそうです。「一般的に、中国や朝鮮半島の鐘の音は比較的高く、あまり長く続かない。一方で“わび・さび”を愛する日本人は、重い低音で、余韻が長く続き、うなりのある鐘の響きを求めていった」と元井さんは語っています。重く深い余韻のある響きと、時間が経つにつれ次第に澄んでいく余韻の音は、日本の鋳物の鋳造技術によります。
現在では、寺院の鐘楼に置かれている梵鐘を鋳造している鋳物工場は、国内で8ヶ所ほどになっています。
出典:https://syukatsulabo.jp/obosan/word/696
老子製作所 (おいご せいさくじょ)
富山県高岡市戸出栄町47-1
電話:0766-63-6336
http://www.oigo.jp/
江戸時代中期の創業で、現在の社長 元井さんは14代目。高岡市は古くから鋳物の生産地として栄え、国内の銅像の9割、鐘の7割を作っています。
老子製作所は地域を代表する製造者で、青銅をもって鋳造される梵鐘は、起業以来の造り方で、すべてが手作りです。
広島の平和の鐘(老子次右衛門の作)、京都西本願寺の梵鐘、成田山新勝寺の梵鐘、ニューヨークの国際連合本部ビルにある「日本の平和の鐘」なども製造してきました。これまでに製作してきた鐘は大小あわせて2万を超えるそうです。また文化財の修復や海外の鐘の制作にも従事しています。
参考:ウキペディア