現代美術家の杉本博司(すぎもと ひろし)氏。
コンセプチャル・アートを基とし、写真から始まって、映像、古美術、建築、日本の古典芸能など多岐にわたっての制作活動は、世界で高い評価を得ているアートワールドの巨匠です。
ここでは、杉本博司氏のプロフィール、学歴、経歴、賞歴、作品や美術館、展覧会を紹介します。
杉本博司のプロフィール 学歴・略歴・賞歴
生年月日:1948年23日
出身地:東京都台東区御徒町
学歴:立教大学経済学部、アート・カレッジ・オブ・デザイン(米国)
杉本さんは、美容院専門商品の卸売商店の長男として生まれました。
中学時代から鉄道を通じて、写真撮影を始めます。大学卒業後、アメリカに渡り本格的な写真技術をまなびます。
1974年よりニューヨーク在住し、現代美術作家として、世界各地の美術館で個展を開催。
009年建築設計事務所「新素材研究所」を東京に開設、静岡県長泉町にIZU PHOTO MUSEUMを設計。
2011年、主宰する小田原文化財団が、公益法人として認可され、財団の活動として「杉本文楽曾根崎心中付り観音廻り」を神奈川芸術劇場にて公演しています。
主な受賞歴
- 2010年:紫綬褒章
- 2009年:高松宮殿下記念世界文化賞
- 2001年:ハセルブラッド国際写真賞受賞
杉本博司の作品 ジオラマと肖像画
ジオラマシリーズは1976年に開始されました。ほとんどはニューヨークのアメリカ自然史博物館で撮影されています。人間の両目で見ると模型だと分かる剥製のジオラマが、「カメラの視覚」ーカメラのレンズはひとつで、片目ででみることにより、遠近感が失われリアルに見える、という発見から様々な技術を使い制作されました。
このジオラマの写真は、博物館が自然史を展示する方法に疑問を投げかけ、野生と人工の間のずれが明白になる画像を通して、時間を一時停止します。「写真は真実を語る」と思い込んでいる人たちには、このジオラマがあたかも今起こっている現実のように思え時を超越したような錯覚を覚えるでしょう。
蝋人形の肖像画
1999年からのシリーズ『ポートレイト』では、マダム・タッソー蝋人形館にある偉人たちや有名人たちの蝋人形を、あたかも生きた本人を撮影したかのような作品に仕上げました。
これらのシリーズは、写すものは偽物であり、写真は真実を語っているわけではないと示す一方で、時間を超えた存在を写すというテーマにもつながっています。
海景 Seascapes
海景シリーズは1980年-現在まで続いており、世界中の海の写真です。
水平線によって見事に二分された白黒の画像は、私達に普遍的なものを考えさせます。また、原始に戻って霊長類が眺めていたであろう同じ海の風景を思い出させることにより、時を逆行させたり、私達の中に原始の細胞があることを確認させてくれます。
建築
1997年、シカゴの現代美術館からの委託を受けて、杉本氏は世界中の著名な建物の写真シリーズの制作を開始しました。後期の建築シリーズ(2000–03)は、有名なモダニズム建築のぼやけた画像で構成されています。このぼやけは、建築家の構想段階の思いを表しているのです。
2001年、杉本は松の美名の「名所」と呼ばれる松の美穂の松原、松島、天橋立を訪れ、日本を旅しました。[23]東京の王宮の敷地内で、杉本は松の風景を撮影し、16世紀の伝統的な日本の水墨画のスタイルをコピーしました。[24]国宝、日本語としてリストShōrin-ZU屏風(パインフォレスト画面によって(約1590))桃山時代(1568 1600)画家長谷川等伯(1539から1610)は日本の撮像において時代の到来を表します。
杉本文楽
人形浄瑠璃文楽は2003年にユネスコの「世界無形遺産」の人形浄瑠璃文楽を杉本氏が構成・演出・美術を担当し、杉本文楽を誕生させました。
杉本氏のコンセプトに賛同した鶴澤清治(人間国宝)氏らが、近松の完全版ともいえる『杉本文楽 曾根崎心中』を共作し、現代美術作家・束芋の映像作品がスクリーンに登場。
伝統芸能と現代美術が見事に融合し、新しい文楽が展開されています。ヨーロッパ、アメリカ、日本で上演されています。
杉本博司の展覧会・個展
最新情報は杉本さんのサイトを御覧ください。
https://www.sugimotohiroshi.com/
江之浦測候所
杉本博司氏を中心にした小田原文化財団が、小田原に近い江之浦と言う場所に作った施設です。ギャラリーでも美術館でも公園でもなく、日本古代からの信仰にあったような、海、空、自然を観測し、その中での自身の場を確認する場所です。
江之浦測候所 | 小田原文化財団
神奈川県小田原市江之浦362番地1
TEL: 0465-42-9170(代表)
予約が必要ですので、江之浦測候所のサイトをご覧ください。