軽やかで繊細な鉄の彫刻で知られる現代美術家の青木野枝(あおき のえ)さん。
重厚なイメージのある鉄という素材から、自然と対話する優美なフォルム、穏やかな異世界が魅力的です。
彫刻家であり版画家である青木野枝さんのプロフィール、経歴、学歴、賞歴、そして作品や展覧会を紹介します。
青木野枝のプロフィール 経歴・学歴・賞歴
生年:1958年
出身地:東京都練馬区
学歴:武蔵野美術大学大学院修了
多摩美術大学客員教授
青木さんは子供の頃から芸術家になろうとは思っておらず、勉強が嫌だったので芸術高校に入り、絵が上手くなかったので、ムサビの彫刻科を選んだそうです。
彫刻に強い興味を持ち始めたのは30歳を過ぎてからで、以前から惹かれていた鉄の素材を使用することになります。通常、鉄は工業材料とされていますが、それを自分で切り加工することで芸術として生まれ変わる感覚が生まれてくるようです。
青木さんは、始めから綿密な彫刻の構成などは考えず、溶断していくうちにイメージが固まるという制作過程で作品を仕上げていくスタイルをとっています。また展示場でパーツを組み立てているときも、他のアイディアが出た場合は、パーツを追加し、最初のスケッチにはない形になる作品もしばしばです。
グループ展、個展を毎年のように開き、自分の作品を社会に開示することで、作品自体を観賞者の目に触れさせろことが、アートも進歩につながるという理念をお持ちのようです。
主な受賞歴
- 1997年 第9回倫雅美術奨励賞
- 2000年 第50回芸術選奨文部大臣新人賞
- 2003年 第33回中原悌二郎賞優秀賞、第20回記念 現代日本彫刻展下関市立美術館賞
- 2009年 第19回 公益信託タカシマヤ文化基金タカシマヤ美術
- 2014年 第55回毎日芸術賞
- 2017年 第40回中原悌二郎賞
青木野枝の作品
青木野枝さんのオフィシャルサイトで様々な作品を見ることができます。http://www.aokinoe.jp/work/
青木野枝の展覧会・個展
海を渡った画家たち
「ふりそそぐもの 娯楽室」の考察
https://kurashiki.keizai.biz/headline/319/
70年代のビーズの暖簾を思い出させるようなこの作品は、天井へと視線を上げると宇宙船、もしくは異生物のようにも見えてきます。
広々とした古風で上品な娯楽室には、過去と未来が点在しているようです。この風が吹けば揺れ動きそうな「ふりそそぐもの」は、触れば驚くほど固く冷ややかなもので、「静」を感じさせるでしょう。
時と五感を自由自在に操ってしまう、夢のような「娯楽室」にすっぽりと包み込まれてしまいそうです。
参考:
http://jptca.org/en/interview/interview-with-alumni-art-award-winner-2/ https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/kikakuten/kikakuitiran/noeaoki_kiritotetsutoyamato.html http://www.maujin.com/2011/archive/aoki_noe/page2.html https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E6%9C%A8%E9%87%8E%E6%9E%9D