若手陶芸家として人気の高い桑田卓郎(くわた たくろう)さん。
陶芸の従来の型を超え、現代的な表現を豊かな独創性で創り上げ、海外でも評判が高い作品が多く、陶芸家というより、セラミックアーティストと呼んだほうがいいのかもしれません。
独特の存在感を与える桑田卓郎さんの作品と価格、個展について紹介します。
また、プロフィール、経歴、学歴、賞歴も見ていきましょう。
桑田卓郎のプロフィール 経歴・学歴・賞歴
生年:1981年
出身地:広島県福山市
学歴:京都嵯峨芸術大学短期大学部美術学科陶芸コース
居住地:岐阜県土岐市
桑田さんは子供の時から図画工作が好きで、写生のときは夢中になりすぎて、ひとり取り残されてしまうぐらいでしたので、自然と美大進学を志しました。始めは、プロダクトデザインを勉強したかったそうですが、平面構成が苦手で諦め、陶芸の道に進みました。
陶芸の道へのきっかけ
桑田さんはストリートダンスに高校時代から熱中していた、実は大学時代もダンスの方に力を注いでいたとか。
大学を卒業して、フリーター生活を続けていくうちに、自分の人生を考え直したそうです。そこで陶芸家の財満進氏に師事し、学んでいくうちに「志野焼」や「織部焼」に惹かれていきました。その後も多治見市陶磁器意匠研究所でも研究を重ね、作品を制作し続けています。
2015年には、草月会館のイサム・ノグチ石庭で、巨大オブジェを発表し注目を集め、ニューヨークをはじめとする世界各地で個展を開催しています。草
草月会館 イサム・ノグチの石庭「天国」
草月会館は建築家・丹下健三が設計した建築。石庭『天国』は1977年の改修の際に草月流初代家元・勅使河原蒼風からの依頼でイサム・ノグチにより作庭されたものです。
草月会館 〒107-0052 東京都港区赤坂7丁目2-21 TEL:03-3408-1154
引用元:https://www.sogetsu.or.jp/
受賞歴
2006年 益子陶芸展 最高賞 濱田庄司賞
2007年 織部デザイン・クラフト展 銀賞
2008年 朝日現代クラフト展 奨励賞受賞、国際陶磁器展美濃 美濃賞
2009年 テーブルウェアフェスティバル グランプリ経済産業大臣賞
2018年 ロベエクラフト プライズ 特別賞
桑田卓郎の作品と価格
桑田卓郎さん作品で、実用性のあるメタリックを使ったコップは、ギャラリー経由で、2万円から販売されています。茶器であるなら20万円以上です。
桑田卓郎の個展・美術館
桑田さんの作品はルベル・コレクション、パームスプリングス美術館、金沢21世紀美術館、ミシガン大学美術館などに収蔵されています。
「今を生きる」ということの表現
桑田卓郎さんは、伝統的陶芸を取り入れながら、今ある素材と現代社会に生きる自分と徹底的に向かい合い、作品を創り上げています。
作品の一貫したコンセプトは「今を生きる」ということ。
様々なことが起こる多忙な現代社会で、今に集中し何を表現していくかを熟考しているそうです。桑田さんが、「今、このとき」を考えるようになったきっかけの一つは、父親がよく言っていた「死んだ人は損だよ」と言う言葉もあるようです。桑田さんはこの言葉の意味を「死んだら人に忘れられるのは自然なことで、それなら、出会いを大切にし、今生きてるこの瞬間を一生懸命生きる」と受け止めました。
梅花皮(かいらぎ)や石爆(いしはぜ)といった陶芸の技術に基づきながらも、メタリックでビビッドな配色の革新的な作品は、まさに「今」を表現していると感じます。