自然の生態や環境への疑問を植物を使って表現するオーストリアの現代武術作家 ロイス・ワインバーガー(Lois Weinberger)。
絶滅種の植物の育成や駅の線路を庭に変えたことで知られているワインバーガーのプロフィール、経歴、学歴、賞歴、作品、活動を紹介します。
また日本で見られる展覧会はあるのでしょうか。
ロイス・ワインバーガーのプロフィール 経歴・学歴・賞歴
生年:1947年
没年:2020年4月23日 享年72歳
出身地:オーストリア
ロイス・ワインバーガーは、オーストリアのチロル地方にある村 シュタムス(Stams)の農家に生まれました。両親の仕事を手伝いながら鉄骨工の職に就きましたが、1977年 30歳から自然と人工空間の関係を表現するアーティストとしての活動を故郷で開始します。
1988年にウイーンの庭で育てたルデラル植物(荒地などの激しい環境に生息する植物)を世界の各所に植えるプロジェクトを開始。
1990年代はサンパウロ・ビエンナーレ、ドクメンタXに参加したり、ドイツの廃線の線路に植物の種を撒き自生させたりもしています。
また、植物を使用した民間信仰や呪術のパフォーマンスや都会の景観の中で植物にみる自然との共存や破壊を表現し、世界各所で個展を開催しています。
主な受賞歴
- 2014年 クロッカー財団インスブルックアート賞
- 2006年 チロル州芸術賞
- 2005年 レオポルドフランケンス大学インスブルックの名誉勲章、BKAウィーン美術名誉賞
- 1985年 BUMUKウィーン芸術賞
ロイス・ワインバーガーの作品
引用元:http://2018.innsbruckinternational.com/
ロイス・ワインバーガー 展覧会・個展
道草展 未知とともに歩む
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
住所:茨城県水戸市五軒町1-6-8
電話番号:029-227-8111
2020年4月び亡くなったワインバーガーの遺作芸「ワイルド・エンクロージャー」。植物の自然発生するカオスの場が、出現していきます。
他に国内外で活動する6組のアーティストの作品もあり、人間と環境のつながりを熟考する展示会です。
自然のエネルギーの表現
ロイス・ワインバーガーの作品を見ていると、自然そのもののエネルギーは、人間の力を遥かに超えたものであり、抗うことは許されないと感じます。
我々の築いてきた文明は、自然を前にすると実に小さなもので、大きなパワーに身を委ねがらも、共存していく社会を作り上げなければならないのではないでしょうか。
便利性や虚栄のための物欲、刹那的な生活様式が身の回りにあふれている現代ですが、今一度、自然の見えない力を思い出し、どのように生きていくのかを再考する良い機会を我々に与えてくれる作品です。