小説家・キュレーターの原田マハさん。
代表小説の『楽園のカンヴァス』はミステリーの要素をたっぷり含んだ流レに、専門的な美術知識で多くの人を魅了し、山本周五郎賞を受賞しましたね。
本記事では原田マハさんのプロフィール、経歴、学歴、賞歴をみていきます。
また自宅の場所はどこで、結婚した夫や子供、両親、兄弟姉妹、家族はどんな人達なのでしょう。
原田マハのプロフィール 経歴・学歴・賞歴
生年月日:1962年7月14日 2019年現在 57歳
出身地:東京都小平市
学歴:早稲田大学第二文学部 卒
原田さんは、幼い頃から絵を描くことと本を読むことが大好きで、小学4年生の時、大原美術館でピカソの絵と対面し衝撃を受け、ピカソが師でありライバルとなりました。
子供の時にキュビズムの画家に強く惹かれるのは一般的ではないですから、やはり人とは違う才能がもともとあったのでしょうね。
小学6年生の時、岡山に引っ越し、岡山市立三門小学校、市立石井中学校を経て、私立山陽女子高校に入学。
高校時代はフォークバンドを作ったり、恋愛小説や少女マンガを書いたりと自由に過ごし、1981年、関西学院大学文学部に入学。
大学4年生の時に、グラフィックデザインの専門学校に通い、今度はルソーに惹かれ始めます。
フランスから一度も国外へ出ず、植物園で絵を描いていたエクゾチックなルソーの物語を書きたいと、この頃から決めていました。
ピカソとルソーは違う派ですが、同じ時代で交流もあったわけですから、何か共通した響きがあったのかもしれませんね。
大学を卒業後、数年はアルバイトをして、1988年、馬里邑(まりむら)美術館(現在は閉館)に勤めます。
その後、伊藤忠商事に入社し、アート、文化に関するコンサルティング業務をこなし、世界中のコレクターや美術館との交渉をします。
2002年、40歳でフリーのキュレーターとして独立し、2004年、「CET04 VISION QUEST」という展覧会を立ち上げて、2万人を動員します。
2005年、『カフーを待ちわびて』で小説家でデビューします。
著書『カフーを待ちわびて』『ランウェイ☆ビート』『でーれーガールズ』は映画化され、『本日は、お日柄もよく』はテレビドラマに、『アイのリラ〜一分間だけ』は漫画になりました。
原田さんの小説を読めばわかるように、美術史の知識だけでなく美術売買や美術界の裏事情が詳しく書かれているのは、こういった経歴があるからなのですね。
作風はまるで違うけれど、小説がどんどん映画化ドラマ化される伊坂幸太郎氏のように、若者に響く作品が多いのは、時代の流れをよく掴んでいると感じます。
受賞歴
- 2005年 「カフーを待ちわびて」で第1回日本ラブストーリー大賞。
- 2012年 「楽園のカンヴァス」で第25回山本周五郎賞。
- 同作で第10回本屋大賞第3位。
- 同年「キネマの神様」で第8回酒飲み書店員大賞。
- 2017年 「リーチ先生」で第36回新田次郎文学賞。
原田マハの結婚した夫と子供
原田マハさんは1990年5月、28歳のときに結婚。
原田マハさんの夫は、音楽関係の仕事をしていましたが、現在は原田マハさんのマネージャーとなってサポートしているようです。
ほとんど一緒にいない夫婦で、仕事で出張が多いし、家の中でも一緒にいたりする時間は少ないそうです。
結婚歴も30年近くになりますが、長続きの秘訣は、「会わないこと」とだそうで、いい距離感の夫婦関係のようですね。
子供の情報はなかったので、たぶんいないのではないかと推測されます。
原田マハの両親・兄弟姉妹
父親
原田さんの父親は、写真中心の大判の本のセールスマンでした。昔は町にあまり本屋さんがなかった時代で、セールスマンが定期購読の契約に回って、いたそうです。
ですから家にはいつもたくさん本が積んであったので、原田マハさんも自然に本と親しんでいったそうです。
また父親は引っ越しが好きで数年ごとに、家族を連れて引っ越しをしていたとか。
兄
マハさんには兄が一人いて、小説家の原田宗典(むねのり)さんです。
生年月日:1959年3月25日 2019年現在 60歳
学歴:早稲田大学第一文学部
大学卒業後コピーライターとなり、1984年、『おまえと暮らせない』が第8回すばる文学賞に佳作入選しました。
この頃、宗典さんのエッセイはかなり人気があって派手な暮らしもしていたのですが、ストレスによりうつ病になります。
そして、○麻や覚○剤の使用が発覚し、懲役1年6か月(執行猶予3年)を言い渡されました。
2015年3月、新作を書きおろし、執筆活動を再開。復活作『メメント・モリ』を発表しています。
兄の宗典さんはエピソードがたくさんあって、実に面白い人生を送っている人なので、別記事で紹介します。
作品もマハさんとは全く毛色が違うのですが、強く惹かれるものが多く、個人的にひとつ上げるとしたら『ぜつぼうの濁点』 ですね。
絵本ですが子供向けというより、大人に読んでもらいたい一冊です。イラストは染色家の柚木 沙弥郎氏が描いていて、可愛いながらも異質感を醸し出していながら、読後に一筋の光が見えるような作品です。
原田マハの自宅
原田マハさんの家は長野県蓼科高原の別荘地にあります。
建築家の馬場正尊さんによって設計され、2面ガラス張りのリビングが目を引くモダンな造りです。
キッチンは南向きで、リビングや書斎は北向きという光が安定する間取りです。森を眺めると、葉が南側に向くので、森がすべてこちら側を向く風景がみられます。
仕事場としても使いますが、大切な友人を招く空間でもあるので、ゲストハウスのように原田さんは感じているようです。
しかし、家にいるのは1年のうち3分の1くらいだそうで、あとは東京とパリに滞在しているとか。
古美術やアンティーク、民藝に造詣が深いだけあって、家の中は様々な作品で飾られています。旅先で出会ったアートをコツコツと集めていって、特に好きなのはイギリス人の陶芸家バーナード・リーチの作品で、リーチの足跡を辿る旅までしたそうです。
「ストーリーのないモノは部屋には置かない」と言い切る原田マハさんの洗練された家の中で、時には孤独に、時には友人たちと交流し、素晴らしい作品を創っていく様子が目に浮かぶようです。