イタリア ミラノと東京を拠点として活動する現代美術家の廣瀬智央(ひろせ さとし)さん。
視覚だけでなく、五感を刺激する作品で注目を集め、世界の民族や文化の違いと共通点を追求しています。日常の素材、豆、パスタ、果物などを使用し、詩的な表現で私達の生活の問題提起をしているようにも感じます。
ここでは、廣瀬智央さんのプロフィール、学歴、経歴、受賞歴、作品、展覧会を紹介します。
廣瀬智央のプロフィール 学歴・経歴・賞歴
生年:1963年
出身地:東京都
学歴:多摩美術大学、イタリア ミラノBrera Academy of Fine Arts
廣瀬さんは多摩美術大学を卒業し、2年後にイタリア政府の奨学金を受け、ブレラ美術アカデミーで研究を続けます。
1997年には大量のレモンを用いて嗅覚を刺激する作品『レモンプロジェクト03』で注目を集め、視覚以外の感覚に訴える作品や、世界の国の文化の差異や共通点を提示してきています。
2008年には、ニューヨークの文化庁の海外プログラムの研修生として参加。
作品は、建築、環境への介入、パフォーマンス、彫刻、写真、ドローイングなど、さまざまな媒体や手法を取り入れています。彼のプロジェクトは長い時間をかけ、何年にもわたって実行されることもあります。最も有名なインスタレーションの1つであるアイランド:9年間の存在(2002-11)は、廣瀬さんが約10年間にわたって収集したボトルキャップから構成されています。
作品で使われている素材は、レモン、チョコレート、スパイス、紙、お金、布、塩、豆など、それ自体は目立たないのですが、歴史、文化、衰退と発展についてのメインシンボルでもあります。彼の芸術は「小さな断片を再配置することによって、ユニークな美的コードや態度を創る芸術」と評価されています。
受賞歴
- 2010/11年 日米基金フェローシップ
- 2007/08年 文化庁、日本政府によるリーアーチプログラム助成
- 1996/97年 Pola Art Foundationによる研究プログラムの助成
- 1991/92年 イタリア政府によるフェローシップ
廣瀬智央の作品
http://tomiokoyamagallery.com/artists/satoshi-hirose/
廣瀬智央の展覧会
⼤丸有SDGs ACT5×東京ビエンナーレ2020/2021
有楽町会場で、8月21日(金)から10月25日(日)まで新有楽町ビル1階に廣瀬智央氏の「フォレストボール」を展示。
直径2.5メートルの球体の作品は、森のように⼈⼯植物(造花)によって覆われており、“⼈⼯”でできた“⾃然”というふたつの相反するものが、球体という地球や宇宙を想起させるかたちをつくる。「両義性」をコンセプトにしたこの作品で、廣瀬は“⼈⼯”や“⾃然”という概念を改めて問い直し、意味を転倒させることで新たな想像が広がることを狙う。 出典:美術手帖