ポストモダニズムの気質と近代思想を融合させる建築家 青木淳(あおき じゅん)氏。
2020年6月リニューアル・オープンを迎える京都市京セラ美術館(京都市美術館)の改修を手がけ、館長にも就任して話題になりました。
ここでは、青木淳氏のプロフィール・学歴・経歴・受賞歴・建築物・著書を見ていきます。
青木淳のプロフィール 学歴・経歴・賞歴
生年月日:1956年(昭和31年)10月22日
出身地:神奈川県横浜市
学歴:東京大学工学部建築学科卒業、東京大学大学院修士課程修了
青木氏は幼い頃から、方眼紙に家の間取りを描くことが好きで、建物を作ることに興味があったそうです。
高校生の時には、将来、映画監督になりたかったとか。しかし、映画監督は勉強すればなれるというものではないし、それなら以前から興味のあった建築の道へと進んでいきます。大学時代は、設計が楽しくて、寝食を忘れてしまうほどでした。
1982年から、大学時代からアルバイトをしていた(株)磯崎新アトリエに勤務。水戸芸術館の設計の担当が終わる頃、退社して独立します。この時青木氏は不安でいっぱいだったそうです。しかし、どちらかを選択するときに迷ったら、不安な方を選ぶという信念に従ったそうです。これは、岡本太郎氏の「常に困難な方を選ぶ」ということに似ていますね。
1991年 (株)青木淳建築計画事務所設立。青木氏のアトリエは、所員は四年で独立)というシステムを採用しています。教育者としても、素晴らしく、乾久美子氏、 高橋堅 氏、禿真哉氏など多くの建築家を育てています。
2019年に、 東京藝術大学美術学部建築科教授、多摩美術大学美術学部環境デザイン学科客員教授。京都市京セラ美術館の新館長として就任。
主な受賞歴
- 1997年 第13回吉岡賞
- 1999年 日本建築学会賞作品賞
- 2005年 文化庁芸術選奨新人賞
- 2008年 グッドデザイン金賞
青木淳の建築物
「S」1997年 吉岡賞 引用元:https://www.flickr.com/photos/wakiiii/7501549980
青木氏は他にもルイ・ヴィトンの松屋銀座、銀座並木通り、六本木ヒルズ、香港店などを手掛けていて、ホワイトベースの美しい外装です。
青木淳 設計|ニューオープン! 「ロロ・ピアーナ 銀座店」は最高の手触りを物質化し、視覚的に表現した館https://t.co/5KrnpnHiYK
— 古書山翡翠 建築info (@kenchiku_info) June 2, 2020
青木淳の著書
原っぱと遊園地―建築にとってその場の質とは何か
あらかじめそこで行われることがわかっている建築(遊園地)から、そこで行われることでその中身がつくられていく建築(原っぱ)へ。これからの設計者は「計画しないこと」が重要になってくるのではないだろうか?「計画すること」が仕事の設計者が「計画しないこと」を追及しなければならないという矛盾?相反するものを同時に満足させるという難題に答えるにはどうすれば良いのか?そのヒントを本書は与えてくれるように思う。 出典:アマゾン
青木淳 1991‐1999 (建築文化シナジー)
建築文化シナジー第6弾。復刻版なのに、なぜか新しい。つくり、考え、またつくる。1作ごとの創作のプロセスが、気負いのない23のエッセイを通してゆったりと伝わってくるから。1991‐1999の積み重ねの先に、青木淳のいまがある。 出典:アマゾン
青木淳の白の美しさ
青森県立美術館 引用元:http://www.aomori-museum.jp/ja/guide/
青木氏の白の建築は、周りの環境に溶け込みながら、その建物本来の役割を果たしているという美しさがあります。
美術館や教会はあってほしい私達の願望を実現しているきがしてなりません。ルイ・ヴィトンは、「白」というイメージは薄かったものの、こうして青木氏の設計によって建てられた数々の店を見ていくと、伝統と未来が融合されている満足感があります。
人生で常に新しいことにチャレンジしている青木氏の精神が、「白の魅力」を作り出しているのかもしれません。