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ゲハルト・リヒターの妻たちの作品と子供や家族について。|芸術家の恋人たち

ドイツ最高峰の現代芸術家 ゲハルト・リヒター(1932年2月9日ー)。

抽象的、写実的な絵画、写真やガラスの作品を主に制作し、彼の作品のいくつかはオークションで記録的な価格で落札されています。

リヒターの人生は公私共、波乱万丈ですが、ここでは家族について見ていきましょう。両親、兄弟姉妹、結婚した妻たち、子供はどんな人たちなのでしょうか。

またリヒターのことがわかる映画も紹介します。

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ゲハルト・リヒターの両親

ゲルハルト・リヒターは、1932年にドイツのドレスデンで、ドイツの社会主義ドイツ労働者党、ナチス第三帝国の台頭の頃に生まれました。

父親は中学校の教師、母親はピアニストの中流家庭で育ちました。叔父は、ナチ運動に直接関与していたといわれています。母親はリヒターの芸術的才能に気がついており建築関係の設計図作りを勧めていたようです。

家族は来たるべき戦争から安全を確保するために、1935年にライヒェナウに移ります。しかし、父親は、ドイツ軍に徴兵され、連合国軍に捕らえられ、ドイツが敗北するまで捕虜として拘留されました。1946年には解放されましたが、家族は今度はチェコの国境にある村、ヴァルタースドルフに引っ越しました。

戦後、父親は教職の仕事を見つけることができず、織物工場で働いていましたが失業してしまいます。リヒターは高校を中退して劇場の舞台装置の絵を描くアルバイトをし家計を助けます。その後、19歳でドレスデンの美術学校に入学し、芸術家としての本格的な道を進み始めます。

ゲハルト・リヒターの兄弟姉妹・叔父・叔母

1964年作 「家族 」左上からリヒターの祖母 ドラ、母の友人、母、妹、リヒターと愛犬ストラッピ  引用元:https://www.gerhard-richter.com/en/art/paintings/photo-paintings/families-11/family-5500

リヒターには4歳年下の妹ギゼラがいます。

第二次世界大戦中にリヒターは、母方の叔父と叔母を失っています。「母の兄弟が戦争の犠牲になったことはとても悲しい。そして、女性たちのの悲鳴が忘れられないだろう」とリヒターは回想しています。
精神疾患を患っていた叔母のマリアンヌ(1917−1945)は、

ナチス安楽死プログラム(アクションT4)の一環として餓死させられました。

叔母マリアンヌとリヒター  引用元:https://gdvbel.wordpress.com/2009/06/

1965年作 叔母マリアンヌ  引用元:https://www.metmuseum.org/art/collection/search/789628

第二次世界大戦はリヒターに大きな影響を及ぼし、1960年以降の彼の写真絵画に反映されています。

リヒターの最初の妻 マリアンヌ

リヒターは1957年に最初の妻であるマリアンヌ・ユーフィンガーとドレスデンで、結婚しました。

この頃リヒターはドレスデン美術アカデミーで学んでおり、1961年ベルリンの壁が建設される直前に、マリアンヌと西ドイツに脱出しました。

ふたりは娘をひとりもうけましたが、1979年に離婚しています。彼の最も有名な作品の一つである『エマ』は、マリアンヌがモデルです。(マリアンヌの通称はエマでした)当時、彼女は妊娠2か月でした。

https://www.artsy.net/artwork/gerhard-richter-ema-akt-auf-einer-treppe

この作品は「ケルンのモナリザ」と呼ばれ、1966年に制作されたにもかかわらず、リヒターの謎めいた魅惑的な女性として、今なお話題になっています。

1981年に、ドイツのケルン市ルートヴィヒ美術館にあるこの作品は、不審な男が鋭利な物で突き刺し、等身大の作品に20センチの切り傷をつけたというスキャンダルがあります。それ以来、作品は厚いガラスの保護板にカバーされることになりました。

リヒターの2番めの妻  イザ・ジェンツケン

1982年、彫刻家のイザ・ジェンツケン Isa Genzkenと結婚。

イザとリヒター 引用元:https://www.famousfix.com/topic/gerhard-richter-and-isa-genzken

イザは1948年生まれ(リヒターより16歳年下)のドイツ人です。デュッセルドルフ芸術アカデミーで彫刻の講師をしているときにリヒターと出会いました。

結婚期間中は二人でデュースブルグの地下鉄駅の設計などをしましたが、1993年には離婚。ふたりとも芸術家であり教鞭もとっていたことで、共通の理念などがあったでしょうが、イザは双極性障害があり、薬物乱用の治療を頻繁に受けていたので、結婚生活はあまり長くは続きませんでした。

リヒターと別れた後は、アルコール依存症にもなり苦しんだそうです。しかし、2004年に国際芸術賞、2002年にヴォルフガングハーン賞受賞するなど、ドイツの彫刻家として、第一人者となっています。

2004年のイザ・ジェンツケンの作品  引用元:https://news.artnet.com/exhibitions/isa-genzken-alcoholism-divorce-gerhard-richter-502226

三番目 現在の妻 サビーヌ・モリッツ

リヒターは1995年、グラフィックデザイナーのサビーネ・モリッツと結婚しています。リヒター63歳、サビーヌ26歳のときです。

引用元:www.gettyimages.ie/detail/news-photo/

サビーネ・モリッツは、1969年、東ドイツで化学者の娘として生まれました。リヒターより37歳年下です。1985年に西ドイツに移住し、オッフェンバック芸術デザイン大学に入学。その後、芸術アカデミーデュッセルドルフでリヒターの講義を受けていました。

平たく言えば、教師と生徒の恋の末の結婚ですが、リヒターはサビーヌをモデルにして、多くの作品を制作しています。

2010年には、サビーヌの頭部を描いたスケッチが約2億円で落札されています。

二人の間には3人の子供がいて、長男のモリッツが生まれた後にS. with Child(というタイトルで、作品を制作しています。

引用元:https://www.fondationbeyeler.ch/en/exhibitions/past-exhibitions/gerhard-richter

リヒターは、結婚するたびに妻の年齢が驚くほど若くなっていってます。やはりこれは常に時代を意識する芸術家としての選択なのでしょうか?若い伴侶によって、自分の芸術思考も後退することなく進化できるのかもしれません。

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ゲハルト・リヒター の映画

ある画家の数奇な運命

リヒターの子供時代、叔母との関係、美術学校時代と最初の妻マリアンヌのことが描かれている映画です。映画としても面白いし、芸術家の人生というより、戦争というものの罪深さを感じさせる内容です。

ゲルハルト・リヒター ペインティング

リヒターがどうやって作品を創っているのかを見せてくれる内容で、美術ファンなら必見です。

こういった映像を公にするのは、さすがアートワールドの巨匠の貫禄がしますね。

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