国内外で無声映画の活動弁士として活躍する澤登翠(さわと みどり)さん。
邦画、洋画ともどんな役でもこなせる活弁士としての第一人者です。
ここでは、澤登翠さんのプロフィール、経歴、学歴、賞歴、著書、そして国内外の公演について紹介します。
また高学歴ですが、活動弁士になったきっかけは何だったのでしょうか。
澤登翠のプロフィール 経歴・学歴・賞歴
引用元:https://www.youtube.com/
出身地:東京都
学歴:法政大学文学部哲学科 卒
所属:㈱マツダ映画社
大学卒業後、出版社に勤めましたが、1972年に、松田春翠(まつだ しゅんすい)氏の門下生となります。
松田春翠 2代目 活動弁士マツダ映画社長 (1925〜1987)
本名 マツダ美知雄。父親も弁士であり、6歳のときに日活の「浮世車」で弁士としてデビュー。無声映画のフィルムを収集し、マツダ映画社を設立。1959年から月に一回のペースで無声映画を上映し、ドイツ、フランス、アメリカでも海外公演を開催した。
引用元:http://filmpres.org/project/project02/
その後、弁士の第一人者として国内をはじめフランス、アメリカの海外公演を通じ世界的に活動するようになります。「弁士」の存在をアピールし高い評価を得ていて、「伝統話芸・活弁」の継承者として「活弁」を現代のエンターテインメントとして甦らせました。澤登翠一門を率い、現代の活弁士の育成に努め、映画批評やエッセイの執筆もしています。
澤登翠さんの活弁は、落語とも吹き替えとも違って、役者と弁士の感情が強く入っていて聴いていて楽しいですね。
受賞歴
- 1990年、日本映画ペンクラブ賞
- 1995年、日本映画批評家大賞 ゴールデングローリー賞
- 2000年、第24回山路ふみ子映画賞 山路ふみ子文化財団特別賞受賞
- 2002年、芸術祭賞優秀賞(演芸部門)「澤登翠活弁30周年記念公演“THE活弁”」
- 2013年 文化庁映画賞(映画功労部門)
- 2017年 第38回松尾芸能賞特別賞
澤登翠が弁士になったきっかけ
澤登さんは、大学卒業後、出版社に勤めますが、職場の人間関係に悩み退社。一人でできる仕事を探して悩んでいたそうです。そんなとき、無声映画鑑賞会で溝口健二監督の「瀧の白糸」が上映を観ました。活動弁士を実際に見るのはこのときが初めてで、非常に感動したそうです。
無声映画は映像と共に、活動弁士の名調子と、和楽器と洋楽器で編成された和洋楽団の生演奏が加わり、一体になって観賞者に心地よさを誘います。
その時の弁士が、松田春翠氏で、自分の感動を伝えしたいと松田氏の自宅を訪問。いろいろとお話をしているうちに、気がついたら、その場で弟子入りすることになっていたそうです。
海外での活動
1988年にフランスのアヴィニョン映画祭で阪東妻三郎主演作品の弁士を務めました。その後、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンパウロなどでの公演や、ローマのポルデノーネ無声映画祭、ベルギーでのアントウェルペン映画祭等多くの映画祭で活動しています。
- 主な映画祭 (弁士として)
- オランダロッテルダム『ヴォイス・フェスティバル』
- ドイツオーバーハウゼン短篇映画祭
- フランスエヴルーでの『映像演劇祭』
- シカゴ国際映画祭
- ソウル国際女性映画祭
- サンフランシスコ無声映画祭
出典:ウィキペディア
澤登翠の公演は?
12月12日(木)18時30分より『カツベン!』公開記念第1回長崎無声映画鑑賞会を長崎市立図書館多目的ホールにて開催致します。「オペラ座の怪人」第1回映画化作品、ロン・チェイニ主演『オペラの怪人』を弁士:澤登翠、演奏:坂本真理でお楽しみ頂きます。ご来場お待ちしております!#カツベン #活弁 pic.twitter.com/fUzlsNqtPr
— マツダ映画社 (@matsudafilm) December 7, 2019
12/14(土)12:20開演(終 13:20)江東区古石場文化センターにて『突貫小僧』『大学は出たけれど』共に小津安二郎監督の1929年作品を新垣隆さんのピアノ演奏、澤登の活弁でご覧いただきます。上映前にトークさせていただきます。皆様どうぞお越し下さいませ。#カツベン #新垣隆 #無声映画 pic.twitter.com/9NhorURGoH
— 澤登 翠 (@SawatoMidori) December 7, 2019
澤登翠の著書
活動弁士 世界を駆ける
引用元:https://www.amazon.co.jp/
1920年代後半にトーキーが出現するまで、すべての映画は「無声映画」だった。日本ではそこに「弁士」が語りをつけ、上映されるという独自の映写スタイルがとられた。徳川夢声、牧野周一などが活躍した無声映画時代の最後に立ち会った松田春翠に弟子入りした澤登 翠さん。日本国内は元より、アメリカ・フランス・ブラジルなど世界をめぐり、伝統話芸としての「活弁」の魅力を今に伝えている。本書ではその活動の一端が生き生きと綴られる。 出典:紀伊國屋書店
