表現主義のフランスの画家 ベルナール・ビュフェ(Bernard Buffet)は、シンプルな色彩と黒いシャープな描線で、第二次世界大戦後の社会の不安を表現した作品が代表的です。
日本では1973年という早い時期に美術館が設立されましたので、ビュフェの絵には馴染みのある方も多いのではないかと思われます。
ベルナール・ビュフェのプロフィール、経歴、学歴をエピソードを交えながら紹介していきます。またビュフェ美術館や展覧会もみていきましょう。
結婚して妻も子供もいたビュフェは孤独であったと言われますが、それはどうしてなのでしょうか?
ベルナール・ビュフェのプロフィール 経歴・学歴・賞歴
生年:1928年7月10日
没年:1999年10月4日 享年71歳
出身地:フランス パリ
学歴:パリ国立美術学校
1943年 15歳 パリ国立美術学校に入学。画家のウジェーヌ・ナルボンヌのスタジオで働き、仲間のクラスメートであるモーリス・ボイテルとルイ・ヴィエルモスとともにおよそ2年間勉強しました。
1947年 17歳 初個展を開き、パリ近代国立美術館が買い上げ ます。これにより若くしてビュフェの名は一躍有名になり、高い評価を得ます。
1948年、モーリス・ガルニエ画廊がビュフェの作品を独占販売するようになります。ビュッフェは宗教的絵画、風景画、肖像画、静物画、彫刻、舞台セットをデザインと様々な分野で作品を発表していきます。
ファッションデザイナーのイヴ・サンローラン、女優ブリジット・バルドー、劇作家フランソワーズ・サガンといった有名人たちの交流も多くなり、30歳になる前に、すでにロールスロイス、プライベートアイランド、古城を所有するほど裕福になりました。
ビュフェはバイセクシャルであったのですが、1958年12月、作家で女優のアナベル・シュウォブ(1928-2005)と結婚。
彼らは3人の子供を養子にしました。1962年生まれの娘ヴィルジニー、1963年生まれ娘のダニエル、息子ニコラスは1973年ベルナール・ビュッフェで生まれです。
後年は革新的な進歩が見られずマンネリ化した作風に批判が集まり、人気を維持することができなかったようです。
晩年はアルコール依存症に加え、パーキンソン病を患い制作活動ができなくなっていました。1999年10月に失意の中、南フランスの自宅で、自らの命を立ちました。71歳でした。
ベルナール・ビュフェの作品
Blanche Buffet 1957
THE QUAI D’ANJOU 1965
サバーバン コーヒー 1969
Don Quixote en Cage 1989
La Mort 16 1999
ベルナール・ビュフェ美術館・展覧会
〒411-0931 静岡県長泉町東野クレマチスの丘515-57
TEL 055-986-1300 FAX 055-987-5511
銀行家 岡野喜一郎氏(1917-1995)によって1973年に創設され、収蔵作品数は油彩画、水彩画、素描、版画、挿画本、ポスター等あわせて2000点を超え、世界一のビュフェコレクションとして有名です。常設展の他に企画展も一年中開催しています。
ベルナール・ビュフェ回顧展 私が生きた時代
会期:2020年11月21日~2021年1月24日
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura B1F
電話番号:03-5777-8600
ビュフェの作品を、年代を追う形で、ベルナール・ビュフェ美術館が所蔵する油彩を中心とした約 80 作品が展示されます。
孤独の天才画家の苦悩
ビュフェは10代で才能を見いだされ30歳になる前にに大成功を収め、専属の画商もいたのですが、1980年以降はパターン化した画風のためか、人気が低迷したようです。
晩年はパーキンソン病を患い、身体の自由が効かなくなり、創作活動も大変困難になってしまいました。71歳という高齢でありましたが、フランスの自宅で、顔に黒いビニール袋をかぶり、自ら命をたってしまいます。
20代には多くの恋人をもち、その後美しく聡明な女優の妻と3人の子供がい谷も関わらず、家族は彼の芸術家としての孤独を救えなかったようです。残りの人生を家族と過ごすだけでも良かったのに、ビュフェにとって創作ができなくなることは死を意味していたのでしょう。華麗な世界に生きながら、このような人生の終わり方は、荒々しくも悲哀を感じさせる彼の作品のようです。
参考:
https://en.wikipedia.org/wiki/Bernard_Buffet https://www.crfashionbook.com/fashion/a22650330/annabel-buffet-french-singer-writer/
https://www.clematis-no-oka.co.jp/buffet-museum/about/buffet/