第79代総理大臣を経て、陶芸家・茶人として現在活躍する細川護熙(ほそかわ もりひろ)氏。
細川氏の陶芸家としての焦点で、経歴、学歴、作品の価格を紹介します。
細川氏はなぜ陶芸家になったのでしょうか。
また作品を所蔵している美術館、展覧会もみていきましょう。
細川護熙のプロフィール 経歴・学歴
生年月日:1938年1月14日
出身地:東京都
学歴:上智大学法学部
肥後熊本藩主だった肥後細川家の第18代当主と生まれ、上智大学法学部卒業後、朝日新聞社の記者になります。1971年、参議院議員通常選挙に自由民主党公認候補として立候補し初当選。
1993年の第40回衆議院議員総選挙で衆議院議員に初当選し、非自民・非共産連立政権の首班となりました。1993年8月には細川内閣を設立するも、佐川急便より一億円借り入れ事件を追及され1994年4月に辞職。
還暦を機に政界引退し、祖父母の住まいがあった神奈川県足柄下郡湯河原町宮上の邸宅に、工房と茶室「不東庵」を設え、陶芸家、茶人として活動しています。
茶室は世界的な建築家・藤森照信氏によるものです。作陶の他にも、薬師寺、健仁寺などの襖絵の制作もしています。
細川護熙が陶芸家になったきっかけは?
細川氏は、東京にある旧白洲邸・武相壮(ぶあいそう)の館長を務める牧山圭男(まきやま よしお)氏の陶芸作品に感銘し、陶芸家の道に進みます。
奈良の陶芸家 辻村史朗氏に師事。
辻村史朗 (つじむら しろう)陶芸家
1947年奈良県生まれ。民家の廃材を使って自ら家と薪窯を築き、独学で陶芸を学ぶ。1977年の個展だ大成功を収め知名度があがり、国内外で個展をする。一回の個展で数トンの土を使い約150点の作品を出展。自宅周辺には多くに作品が放置されている。
息子の 細川護光(もりみつ)さんも陶芸家で、一時期細川氏の工房で一緒に制作していたことがあります。
細川護熙の作品と価格
細川氏の陶芸作品をいくつか御覧ください。
細川護熙氏の作品の価格は、茶碗でも20万円以上し、壺などの大きなものは100万円を超えることもあります。
陶器の価格は、骨董的な価値や作者の知名度、卸や小売店の仲介料だったり、作る手間ひま、ブランドがあるかないか、と様々な要因があります。
細川氏の陶器は非常に人気の高いものでありますから、価格も納得がいくといえましょう。
細川護熙の個展と作品のある美術館
細川護熙展
会期:2019年11月2日(土)~11月4日(月)
会場:古美術 柳孝
〒605-0088 京都市東山区大和大路通新門前上ル西之町195
Tel:075-551-1284
東大寺天皇殿 細川護熙氏奉納屏風「白文 華厳唯心偈」
会期;2019年11月2日(土)~10日(日)
場所:華厳宗大本山 東大寺 天皇殿
〒630-8587 奈良市雑司町406-1
電話:0742-22-5511
2018年10月に奉納致した六曲二双の屏風「白文 華厳唯心偈」を、「天皇殿」にて
特別公開。通常、非公開なので一度訪れて拝見したいものです。
人間国宝美術館
細川護氏は人間国宝ではないですが、湯河原ゆかりの作家として、特別室も設けられ、陶芸品、書など多くの作品が所蔵されています。
場所:神奈川県足柄下郡湯河原町中央3-16-1
TEL 0465―62―2112
E-mail nikobi@i-younet.ne.jp
この美術館では、人間国宝、浜田庄司や金重陶陽、三輪壽雪などの作品でお茶を飲めるという、茶器の本来の意味を味わい、作品に触れる事ができるのも大きな魅力の一つです。
細川護熙の美術家としての現在
60歳を機に政界から引退し、湯河原で晴耕雨読の浮世離れした生活を送っている細川護熙氏。
住まいは祖父母が長年暮らしていた約30坪ほどの平屋で、手を伸ばせば何でも届くような広さが気に入っているそうです。
庭には、山桜、藪椿、紅白の梅、木犀などの樹木があり、茶室、工房があり風雅な環境で生活しています。
美術に関しては、細川家の700年以上の歴史をもつ家宝が保管される永青文庫の理事長をしていますが、陶芸を始める前はあまり興味がなかったようです。今は参考に観る程度になったのですが、陶芸、絵画、書は知識の吸収と自分の想像力で日々鍛錬しているとか。
テレビやネットに触れず、東京に出るのも月数回。食事は1汁2菜という質素なもので日々制作に勤しんでる姿は、まるで世捨て人のように聞こえます。
しかし、歴史的家系を家に生まれ、政治家としての背景をもち、今でも世の中に大きな影響を与えている細川氏。帝王だけが得られる贅沢な充実した現在の生活は、誰もが憧れる隠者の王道ともいえるでしょう。
参考:
細川護熙 NOW AND FUTURE
NEWSポストセブン 陶芸家 細川護熙氏
あがの焼窯元 庚申窯
和塾 細川護熙氏の不東庵を訪ねて
人間国宝美術館
ウキペディア 細川護熙
沼尻JUGEM
わ!かった陶芸 現代陶芸172