国連の気候行動サミットで、スウェーデンの高校生、環境活動家のグレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg)さんが、各国の首脳を前に怒りの演説をしました。
グレタさんはヨーロッパの若者の環境活動のリーダー的存在です。彼女が1人で始めた学校に行かないストライキは、今やヨーロッパの中学生、高校生の大きな支持を得て、各国で学校ストが行われています。
グレタさんの経歴、高校、賞歴や家族、環境問題を考えるようになったきっかけ、活動内容をみていきましょう。
グレタ・トゥーンベリのプロフィール 経歴・学歴・受賞歴
引用元:https://news.yahoo.co.jp/
生年月日:2003年1月3日
出身地:スウェーデン ストックホルム
グレタさんは菜食主義で、食べ物を捨てずに無駄をなくし、照明を殆ど使わず、水を節約する方法について家族と話し合い、必要なものしか買わないミニマリストです。
8歳ですでに、気候変動に興味を持ち、なぜこれほど重要なことを世界中の国が真剣に取り組まないのかを疑問に思いました。グレタさんが自身が公表しているように、アスペルガー症候群を患っており、黒か白かをはっきりさせなくては気がすまない性格なので、環境問題について何年も深く勉強し、家族と話し合いました。そして、人々が気候変動について話し合わないことは間違っていると判断し、15歳のときから活動を始めます。
受賞歴
- 2018年5月 ストックホルムの新聞の奇行に関する執筆コンテストで優勝
- 2018年11月 Fryshuset scholarship of the Young Role Model of the Year賞
- 2019年 国際女性デー ストックホルムで最も重要な女性に選出
- 2019年3月 ドイツ ゴールド・カメラ・アワード スペシャル・クリメイト・プロテクション賞
- 2019年6月 モンス大学から名誉博士号授与
- 2019年7月 効率スコットランド地理学会 ゲデス環境メダル
- 2019年9月 アムネスティ・インターナショナル良心大使賞
また、ノルウェーの3人の便だしが2019年のノーベル平和賞に推薦しています。
2019年5月には、イギリスのアーティストのジョディ・トーマスはブリストルの建物の側面に、グレタの顔が半分海水に覆われている壁画を描きました。
グレタ・トゥーンベリの家族 父親・母親・姉妹
父親 スヴィンテ・トゥーンベリ Svante Thunberg 俳優
生年月日:1969年6月10日
出身地:スウェーデン オブー
学歴:スウェーデン ヨーテボリ大学
学生時代から俳優として活動し、主にテレビドラマに出演しています。スヴィンテさんの父親(グレタさんの祖父)も俳優で映画監督でした。現在は家族とともに環境危機についての問題にも取り組んでいます。
グレタさんが本格的に気候変動活動を開始してからは、通勤には自転車を使い自家用の電気自動車もほとんど使用しないそうです。
母親 マレーナ・エルンマン Malena Ernman オペラ歌手
生年月日:1970年11月4日
出身地:スウェーデン ウプサラ
学歴:スウェーデン王立音楽院
マレーナさんはメゾソプラノのオペラ歌手ですが、シャンソン、ジャズやミュージカルの舞台にも出演しています。国際的な活動をし歌唱力は高い評価を得ていて、スウェーデンのホブサンゲルスカとしても任命されています。
グレタさんの気候変動活動に伴い、パリ協定を支持し政治的な活動をしています。現在は、オペラ歌手としての国際的な仕事はせず、ゲレタさんの環境活動を主にして活躍しています。
妹 ベアタ Beata
グレタさんより2歳年下の妹です。ベアタさんも自閉症を患っていますが、歌手として活動して、テレビやコンサートに出演し、姉 グレタさんの活動を支援しています。
グレタ・トゥーンベリの活動
気候変動問題のための学校ストライキ
2018年8月20日、グレタさんはスウェーデン国内で起こった熱波と山林火災を受けて9月9日に行われる総選挙まで学校に通わないと決め、国会議事堂の外で座り込みを始めました。
政府にパリ協定を遵守する形で二酸化炭素排出量を削減することを要求するためです。この座り込み抗議を継続したことにより世界の注目を集めるようになり、世界中の10代の学生が賛同し、ヨーロッパ、アメリカで気候変動問題のための学校ストライキやデモが起こりました。
TEDでの講演
2018年11月に、TEDストックホルムで気候変動についての行動をすぐに起こすべきたという講演をしました。
第24回気候変動枠組条約締約国会議に出席
2018年12月に開かれた気候変動枠組条約締約国会議に出席し、講演と学校ストについての対話をしました。
世界経済フォーラム
2019年1月、世界経済フォーラムでの気候変動問題で、出席者の多くが総計約1,500機にも及ぶ個人所有プライベートジェットで来たことを批判。グレタさんは32時間かけて、鉄道旅行で会場に到着したことも話題になりました。
欧州連合経済社会評議会
2019年2月、欧州連合経済社会評議会で講演し、2030年までに二酸化炭素排出量を80%削減する必要性を訴えました。
国連温暖化サミット
「How dare you!」を何度も繰り返し、各国のリーダーを痛烈に批判。涙ながらに気候変動対策に、各国が即座に取り組むことを熱く語りました。
グレタ・トゥーンベリの主張は正しいのか
グレタさんは科学的根拠に基づいて気候変動問題に取り組んでいます。
しかし、彼女の主張は理想でしかなく、現実に今取り組むことは難しいという意見もおおくあります。アメリカ、ロシア、中国の大国は気候変動は地域的なものであり、国全体として最優先の緊急問題として扱うには無理があります。地球環境を見れば正論を言っているのですが、気候変動問題を中心に各国が動けば、経済が急落する可能性も避けられません。また、グレタさん自身が環境に優しい行動をしていますが、例えば、国際会議に飛行機を使わずヨットで何日もかけて向かうという計画は、資産家のパトロンなしでは実行できません。SNSに大きな影響を受ける若者たちを扇動し、彼女自身も富裕層に踊らされているという批判も事実として認めるべきでしょう。
けれど、グレタさんの活動が全世界の10代の若者に支持され、環境問題を最優先にするという考えを、彼らが30代、40代になったときまで、持ち続けていたのなら、未来が今とは違ってくると思います。
個々が、物欲、食欲、性欲、そして便利性よりも地球環境を第一優先にする思考をもつ人々が世界中に多数いれば、経済の発展よりも地球を守る行動を常にし、それが当たり前の生活になるでしょう。
熱しやすく冷めやすい若者の感情と思考が、これからどのように動いていくのか期待を持ちながら見守っていきたと思います。