恋愛

伊坂幸太郎『残り全部バケーション』で不倫のスタイルを探る

人気作家、伊坂幸太郎は、ミステリー、文学、推理と、幅広いジャンルが書ける小説家です。その上、短編でも、長編でも、読み応えと面白感はたっぷりです。

2015年に出版された『残り全部バケーション』も、余すところなく、伊坂テイストが盛り込まれていて、グイグイ読んでしまった読者も多いでしょう。

このストーリーで不倫をしているカップルが、5組もでてきます。その不倫の関係は、カップルごとに違い様々です。彼らの恋愛嗜好や不倫スタイルを覗いてみたいとおもいます。

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♥ 父 早坂 40代前半

会社の29歳の事務員と不倫をして、離婚、一家離散となります。

風采のあがらない、気楽な感じのお父さんが、30前の女性と浮気できたかのは、ちょっと謎ですが、この不倫は長続きしなかったようです。実はこのお父さん、離婚には未練タラタラで、復縁したいのです。が、奥さんと子供が許してくれないので、離婚にいたったようです。お父さんとしては、「ちょっと遊んじゃおう」程度で、つきあったのでしょうね。不倫がばれて、家庭が崩壊。少しの遊び心が、大きな代償を払うことになったのです。相手の女性も、同じ気持ちだったのでしょう。だから、このお父さんが離婚しても、結婚とまでは、至らなかったわけで、彼は、これから、一人で生きていかなくてはならないのです。40歳すぎてからの、一人暮らしは、さぞ寂しいことでしょう。

♥ 母 早坂 (当時推定20代半ば)

お母さんの不倫は、お父さんと結婚する前のことです。相手はお金持ちのDB男でした。しかし、彼女のマインドは、すっかりこのDB男にコントロールされていて、アルバイトまでして、貢いでいたそうです。

尽くす女の典型、もしくはダメンズメーカーともいいますが、これだけつくせるのなら、よほど相手のことを好きだったのではないでしょうか。「恋は盲目」といいますが、「不倫」は通常の恋よりも、違うスパイスが加わり、のめり込んでしまう確率は、高いものです。

♥ 権藤 文具店経営 50代半ば

こちらのおじさんは、素人娘ではなく、水商売の若い女性を相手にしていました。いわばビジネスの関係ですね。別件で、この女性と付き合っていることが、発覚してしまうのです。どこで、誰の目が光っているかわからないので、不倫デートは細心の注意が必要です。

このおじさんは、恐妻家らしく、奥さんにバレることを非常に恐れています。そんなに怖いなら、浮気なんてしなけりゃいいのに、と思いますが、それでも、してしまうのは、男の性ですかね。

♥ わたし 30歳ぴったり

有名な国会議員と不倫していました。彼女の場合は、結構シリアスな思いがあったようです。妊娠してしまったら,「割り切った関係なんだから、それも割り切れ!」という、サイテー男と付き合っていました。権力のある年の離れた男性には、父親への愛を求めてしまうパターンですね。

この男は、多くの人に恨まれていましたから、殺人計画が実行され、彼女も少し加担しました。「割り切れよ」という言葉が、愛を憎悪に変えてしまったのです。奥さんと別れてくれないので、マンションの屋上から、飛び降りてしまう女性に、似ていますね。相手を殺すか、自分が死ぬかで、不倫を終わらせる、一番怖いパターンです。

♥ 僕(当時小学4年生)の父 推定30代後半

取引先の女性と交際しています。やはり、女性は相手の家庭が気になるので、息子の「僕」に会いに行ってしまいます。それを知った「僕」のパパは、不倫を隠すために、自分はスパイだなんて、とんでもない嘘をつきます。

奥さんとはうまくいってなくても、子供は可愛いものでしょう。自分が「不倫」という不道徳なことをしているのを、可愛い子供に、知られたくないですよね。でも、いつかは子供にも、分かってしまうものです。既婚男性と付き合っている女性のほうが、不倫はつらいように思えますが、既婚男性も、苦しい思いをしていることでしょう。

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♥ どんな不倫の関係がいいのか

この小説の中だけでも、5パターンあるのですから、現実では、さぞ、色々な不倫関係があるでしょう。

「不倫はいいのか?悪いのか?」という問いの答えは、人それぞれの考え方によるものです。ですから、「どんな不倫の関係がいいのか」というのも、人によって様々な答えがあると思います。

私個人としては、倫理観は別として、お互いの共通ルールを守って、付き合っていけるのがベストだと感じます。

もし、今、あなたが、不倫で悩んでいるのなら、まずは、自分らしい恋愛をしているかどうかに、目をむけてみたら、どうでしょうか?

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