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渡辺篤(現代美術家)のwiki経歴と作品、展覧会は?ひきこもりからの脱出!

元ひきこもりの社会派の現代美術家、渡辺篤わたなべ あつし)。

社会から批判的に、もしくはタブーとみなされる問題についてを取り扱った作品の制作や、元ひきこもり経験を活かした心の傷をもった人たちと恊働するプロジェクトを現代美術を通して実施しています。

本記事では、渡辺篤のプロフィール、学歴、wiki経歴、作品、展覧会を紹介します。

ひきこもりの時期があった渡辺氏が、どのように脱出できたのか、またひきこもりの実情を知る写真集も見ていきましょう。

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渡辺篤のプロフィール、学歴、経歴

氏名:渡辺篤 (わたなべ あつし)

生年:1978年 

出身地:神奈川県

学歴:東京藝術大学 美術学部 絵画科 油画専攻 卒業
   東京藝術大学大学院 美術研究科 絵画専攻(油画)修了

東京芸大在学中から出自や社会的な事柄をテーマにした作品を作り続けて、2008年からグループ展に出展していましたが、持病の鬱が悪化し数年は引きこもりの生活になります。

原因は、結婚を考えていた恋人との別れ、芸術家同士のしのぎ合い、両親や友人との人間関係の不和があったためだそうです。

ひきこもりから脱出できたのは、父親が強制入院をさせようとした時に、自分のポートレートを撮ることで、自分自身の人生を生きるという強い意志が湧いてきたためです。

2014 年に 「ヨセナベ展」Art Lab AKIBA、東京で、個展を開きます。

この個展で今まで発表していなかった新旧作品を公開。アンディ・ウォーホルらが敷いた美学、メディア上の情報を基本にしている物が多く、日常的な現実にユーモアを少しずらして加え、それをより現実的なものにしていると言われています。

同年には「止まった部屋 動き出した家」NANJO HOUSE、東京で開催。

コンクリート製の家型建造物の中にこもり、一週間後に自力で壁を破壊して脱出するというパフォーマンスを行いました。その際、ひきこもりを続けている当事者たちに、彼らが暮らす部屋の写真をウェブを通じて募集し、集まった約60点を会場に展示もしました。

2017年 「わたしの傷/あなたの傷」六本木ヒルズ A/Dギャラリー、東京では、ウェブを通じて募った心の傷に関するストーリーをコンクリート板に書き、それをあえて割ったのち、伝統的な「金継ぎ」技法で修復するという作品を制作しました。

現在進行形で修復が行われているこれらの作品は、渡辺のSNSを通じてリアルタイムで見ることができました。

渡辺篤の作品

澁谷蒼茶室枯山水屏風

2013年 ダンボール、空き缶、古新聞、アクリル絵の具、その他

渡辺氏は2010年にアーティスト仲間ともに、渋谷の宮下公園でホームレスの人たちと共に生活し、作品の制作やワークショップを行いました。当時、高尾公演は改修工事によってホームレスの排除のため、彼らの住処を強引に解体しました。一見豪華に見える金屏風は、実はゴミのような廃品で創り上げることによって、貧困者排除の問題を語っています。

落描き禁止―けいかんびかすいしん―

2013−2014年 モルタル壁、スプレー、ペンキ

バンクシーに代表されるグラフィティアート。これらは時には「落書き」であり、時には「アート」です。バンクシーの絵も初期にはすぐに清掃業者によって消されていたけれど、今では壁を切り取って売買がされるほどの価値があります。この作品は、渡辺氏のアトリエの外壁の描いた絵を切り取り、展示することによって、「落書き」か「芸術か」の判断は、作品そのものの価値よりも社会の制度によって判断されることではないか、と問いかけています。

「ただの石」シリーズ  

この展示は、渡辺氏が路上で無造作に石を拾い、そのままで値段をつけて販売するものです。これは、作家のつげ義春「無能の人」にでてくる石売りの男性の話にちなんでいます。日本芸術の大家の作品が高値で販売される有名百貨店画廊で、この石を展示したところ、実際に数点が売れてしまったことからも、現代美術の価格への疑念が湧いてきます。

渡辺氏の学生時代からの「石」シリーズは、石を写真に撮り、直接絵の具で手書き合成するものもあります。この二次元の変容は自分自身の変化や価値の問を表し、渡辺氏にとって必要な意識的制作だそうです。

渡辺篤の展覧会、写真集

アイムヒア プロジェクト

会場 :BankART SILK

場所 :神奈川県横浜市中区山下町1 シルクセンター内1F

電話番号:045-663-2812

会期 :2020年2月21日~3月15日

入場料 : 無料

《修復のモニュメント》
ひきこもり当事者/経験者6名が孤立に至った原因や生きづらさの事情について、渡辺篤と対話しながら、コンクリート製の記念碑を作るプロジェクト。碑を敢えて一旦ハンマーで破壊した後、陶芸の伝統的修復技法「金継ぎ」によって再構築する。見過ごされ、抑圧され続けてきた声の顕在化によって、伴走型の新しい当事者発信の形を模索する。 出典:横浜環境情報

写真集「 I’m here project 」

ひきこもり当事者が自ら撮影した約170枚におよぶ部屋の写真集。ひきこもりにより人生を浪費してしまっていると感じる時間も、アートにより創作的な価値になりえることを伝える写真集で、ひきこもっているからといって「無」ではなく、確かに存在していると感じさせる作品です。

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ひきこもりは他者との共感が不可能の象徴

結局のところ、我々は他者を理解することなどできやしない。

他者は自分にはなれない。自分も他者にはなれない。

であれば、 どのようにすれば他者をより知ることができるのか。

他者を見殺しにせず、お互いを生かし続け合えるのか。

他者との共感の困難さを考える時、

例えば、自閉した存在である”ひきこもり”という生き方をせざるを得なくなった者たちは、その象徴的な存在のひとつだろう。

引用:www.atsushi-watanabe.jp

他者との完全な共感は不可能です。なぜなら、自分以外の人は自分ではなく、思考も感情も自分と同じもの、コピーされたようなものは何ひとつ持っていず、またそれが自分自身が唯一の存在であることの証明です。

しかし、他者との関係を無くして人は生きていくことはできす、孤独を感じているときにでも、誰かの恩恵は受けているのです。ですから、この社会で暮らしていくには、完全な共感を得られずとも、他者との関係性が重要なポイントでもあるのでしょう。

けれど、他者との共感は非常に困難なもので、その困難さの象徴的なもののひとつとして「ひきこもり」という生き方に、渡辺氏は焦点をあてています。

現代社会の問題になっている「ひきこもり」という存在を実体験した立場から、当事者や彼らを囲む家族や友人、また社会の反応や対応を渡辺氏はアートによって表現し、我々の「他者への共感」についての言動や考察を促し、観念に変化を与えてくれるのではないでしょうか。

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