米国で80万部突破した絵本、「にじいろのしあわせ マーロン・ブンドのあるいちにち」(A Day in the Life of MARLON BUNDO)が、日本でも出版され話題をよんでいます。
本記事では、この絵本がどんな物語なのかあらすじ・ネタバレを紹介します。
この本は、普通の子供用のかわいい絵本ではなく、トランプ政権を批判した、LGBTカップルのストーリーです。
『にじいろのしあわせ』は副大統領の家族が作った絵本のパロディ
この絵本は、もともとは、マイク・ペンス副大統領の妻と娘によって作られた絵本、「副大統領のある一日」が元になっています。
ペンス副大統領は、LGBT政策・権利拡大に対し反対姿勢をとっているため、これをを皮肉って作られたものです。
アメリカの政治風刺番組が、本の装丁や題名をまね、別の絵本を作ることを思いつき、プロジェクトを立ち上げそうです。
パロディ本はアニメチックですが、危ないぐらい似ていますね。
この本は、ペンス氏の家族の絵本より売れていて、絵本の売り上げはLGBTの若者を支援する団体に寄付されているそうです。
『にじいろのしあわせ』海外の反応は?
「A Day in the Life of MARLON BUNDO」の海外の反応をご紹介します。
- イカした話だよね
- 結局、ペンス副大統領は、何事にもアンチってことさ
- うーん、ちょっと幼稚園の読み聞かせでは、読めない絵本よね。
- フロリダの小学1年生のクラスで、先生がこの本を読んだら校長に呼び出されたって聞いたよ。ひどい学校だよね。
- 素晴らしい内容の絵本だと思うよ。
- うちの6歳の娘は、この本題好きよ!
- うちの生まれたばかりの息子も、マーロンっていうんだ。すぐに買ってプレゼントしたよ。
- 幼い子供に恋愛の教育をするのに、良い教科書だと思うわ。
- 子供に読んでいて、泣いちゃった!すごくいいお話!
全体的にかなり好評の絵本のようです。小学校の授業で教師がこの本を読むのには、少し驚きました。
『にじいろのしあわせ』のあらすじ・ネタバレ
主人公は、雄ウサギのマーロン。ペンス副大統領の一家が実際に飼っているウサギがモデルです。
マーロンは退屈な日常を送っていますが、魅力的な雄ウサギのウェスリーと出会って人生が変わっていきます。
ごく普通の恋物語で、2匹は意気投合し、屋敷の中や会議室を一緒に楽しくぴょんぴょん飛び回って遊びます。
お互いの思いを確認し、結婚を公表すると、2匹の結婚を「おまえ達は普通じゃない!」とカメムシが非難します。
応援する動物たちが「ふつうとは?」と問いかけ、それぞれの動物たちが「自分が普通ではない」ところを話していきます。
そして、誰もが「普通でない」面をもっていることに気づき、「普通でない」ことは素敵なことで、自分と違うところをもった相手を受容することを学ぶのです。
トランプ政権を非難しているところが多数ある
この本は、同性愛が特別なものでないことを語っているとともに、LGBTに批判的なトランプ政権の風刺要素が露骨にふくまれていて、笑いをさそいます。
- うさぎのマーロンはおじいちゃん(ペンス大統領)のことを、「あんまりおもしろい人じゃない」と言っています。
- 会議中の机の下をはねながら通る2匹は、おじいちゃんの出席している会議を「退屈な会議」と表現しています。
- 結婚に反対するくっさいカメムシが、トランプ大統領にそっくり!
『にじいろのしあわせ』の動画
英語版ですが動画で絵本を読まなくても、大体の筋がわかりますよ。
同性愛者だけではなく、「愛」というものがなんであるかを感じさせる絵本ですね。
「普通」とは何か?を考えさせられる絵本
この絵本では、「普通とちがう部分は誰しもが持っていて、それはいけないことではない」と語っています。
そもそも「普通」とは、何なのでしょう?
「普通」とは割合で多くの人たちのもと感情や思想で、概念に過ぎません。一般的に少数派が「普通でない」と言われるのです。
個人にあっては、観念でしかなく、自分と同じ言動をしない他人を「普通でない」と判断するでしょう。これは「自分の常識は他人の非常識」ということに通ずるところがありますよね。
この絵本のイラストは芸術的とは言えませんが、場面場面の文章の意味は少し考えさせられます。
「普通」とは何かを考えることも、LGBTの人たちの気持ちに触れることもできるし、他人と違う部分を自分だけの個性として愛することもできるでしょう。
もしくは、恋に落ちて、恋人と一緒にいる時、言葉では表しきれない幸せな気持ちに浸ってみるのも良いのではないかと、思います。