日本沿岸で、深海魚のリュウグウノツカイが多数発見されています。
この魚が浜に打ち上げられると、大きな地震が来るという言い伝えもあり、地震の前兆では?という心配の声も上がっています。
本記事では、リュウグウノツカイについて、発見された日本沿岸の場所、地震の前触れと言われるわけ、海外のコメントと地震が本当に来るのか?を調べてみました。
リュウグウノツカイってどんな魚?
アカマンボウ目リュウグウノツカイ科の海水魚。体長 5.5mに達する。体は強く側扁し帯状で,後方へゆくにつれて体高はしだいに低くなる。歯がない。背鰭の第1~6条は糸状に伸びる。腹鰭も糸状。尻鰭はない。体は無鱗,銀白色で,背鰭に沿って灰色円斑が並ぶ。深海性(→深海魚)。銚子沖から鹿児島湾,青森県から北九州沖のほか,東部北太平洋,インド洋に分布するが,採集されるのはまれである。
出典:コトバンク
尾びれがほとんどなく、銀色の胴体をもつ。ヘビのような特徴をもつ大魚です。ひらひらとした赤い背びれとトサカがあり、生態調査がまだすすんでいない謎の多い生き物です。
捕獲されても、数時間しか生きることができず、陸上で生きているいる姿を見られるのは稀なことでしょう。
こちらは、浅瀬で泳ぐリュウグウノツカイの貴重な映像です。
発見された日本沿岸の場所は?
富山県富山湾
射水市の新湊漁港で1日、深海魚「リュウグウノツカイ」2匹が水揚げされた。魚津水族館(魚津市)によると、今年に入って富山湾で確認されたのは計6匹となり、2009年以降の年間確認数でも過去最多となった富山湾でリュウグウノツカイは1月19日に滑川市の吉浦海岸と新湊沖で各1匹、同28日に新湊沖で1匹、同30日に魚津市経田の河岸で1匹確認された。昨年10月31日にも富山湾で1匹見つかっている。 出典:hokkaku
日本沿岸の中でも、富山湾は、これまでもリュウグウノツカイが打ち上げられたり目撃されることはある場所です。しかし、これまで最多だったのが、2015年の「 1年間で 4匹」というもので、2019年1月だけで 6匹確認されたというのは非常に珍しいことです。
沖縄県
2018年1月28日、読谷村の都屋漁港から約2.5キロの沖合に設置した村漁業協同組合の大型定置網に28日、神秘的で美しい姿から“幻の深海魚”と呼ばれる「リュウグウノツカイ」2匹が生きたまま水揚げされた。漁師や漁業関係者からは「生まれて初めて見た」「泳ぐ姿が美しかった」など、感嘆の声が聞かれた。 水揚げされたのは体長4メートルと3.6メートルの2匹。村漁業協同組合の山内卓購買課長によると、いずれも移送先の沖縄美ら海水族館へ搬送中に死んだ。近く標本にするという。 出典:ニコニュース
生きたまま発見されたという珍しいケースですね。
京都府
2019年1月14日、京都府舞鶴市の沖合で体長4メートル弱の深海魚が捕獲されました。 漁師が設置した網にかかっているのを見つけたということです。
兵庫県
2019年1月24日、リュウグウノツカイが但馬沖の日本海で捕獲され、豊岡市瀬戸の水族館「城崎マリンワールド」に運ばれたとニュースになりました。
2019年1月だけでも4県で12匹連続で、報道されています。もっと他の場所でも、発見されているかもしれません。
リュウグウノツカイは地震の前触れなのか?
リュウグウノツカイが、地震の前兆とされるには例があるからです。
1995/1/13に三重県度会郡南島町の大敷網で捕獲され、その4日後の1/17に兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災、M7.4が発生した。距離差は、直線距離で約150kmあった。
2005/05/19に鹿児島県隅町大浜漁港でリュウグウノツカイが漂着し、12日後の5/31にすぐ沖合の大隅半島東方沖で、5.8の地震が起きた。
2008/12/26には、青森県五所川原で捕獲された21日後の、2009/01/16に、千島列島東方沖でM7.4の地震が発生した。
ただし、このケースは千キロほどの距離がある。
また、こうした巨大深海魚が浜に上がるということは、レアだし、リュウグウノツカイの形状はヘビに似ていることから、不吉なものとされる昔からの信仰的な思想も含まれているのではないでしょうか?
海外のコメントは?
この報道は、CNNを始めとする海外のニュースでも、取り上げられておりコメントがたくさん来ています。海外の人たちは、このニュースをどう思っているのでしょうか?
- なんか悪いこと起こりそう、日本の皆さん気をつけてね。
- ファリピンの大地震の前にも、深海魚がたくさん上がったのよー。
- マクドナルドに売れば、フィレオフィッシュが安く食べられるぞ。
- ゴジラが来るか、地震がくるか?
- はやく海外に避難したほうがいいよ!でもアメリカはトランプ大統領が入国させてくれないから、他の国にしてね。
- 日本が無事であることを祈ってます。
- もう2度と大地震が日本にきませんように。
- 日本人はクジラを獲ってるからね。
- こういう現象って、天災の前触れだと思うよ。
<出典:YouTube>
他人事のコメントが多かったですね。心配してくれる声もありましたが、迷信だと思っている人も多いようです。
リュウグウノツカイは地震の前兆なのか?
リュウグウノツカイを研究している、東海大海洋科学博物館の冨山晋一氏は、「リュウグウノツカイは基本的に太平洋にいるが、冬の時期には対馬暖流から日本に入る。また季節風が海から陸に吹くため、日本海で発見されやすい」といっています。
深海魚と地震との関係については、「関連性があるとはいえない」そうです。
地震前兆を研究する、大阪大学理学研究科の山中千博准教授は、「リュウグウノツカイが水揚げされたから地震があるとは、とてもいえない」と言っています。
「地震の後に珍しい生物の発見などがあるのも事実。生物が刺激を受けていろいろな行動を起こすということは調べられており、絶対関係ないとはいえないので、『分からない』というのが正しい」と語りました。
ほとんど見ることのできない、リュウグウノツカイ深海魚が1ヶ月12匹も発見されている異変で、不安が湧くのは仕方ないことがと思います。
ただ、科学的な根拠はまだはっきりしてないようなので、地震が来ないことを祈って、災害にあったときの準備だけは、しておいたほうが良さそうですね。