福井大学教授であり小児神経科医の友田明美。
友田教授は、傷ついた親子に幸せと、ADHDや自閉症、虐待による心の傷など子供の”心”を診る小児神経科医です。
「マルトリートメント」の危険性やその対策を説いていますが、「マルトリートメント」って、実際どんなことをいうんでしょうか?
今回は、友田明美教授のマルトリートメントとその対策、そして友田明美の著書で、一番わかりやすい本を、ご紹介します。
マルトリートメントとは?
友田明美の説く「マルトリートメント」とは、子供の不適切な養育のことです。
子どもは、こうした虐待を受けると、極度のストレスを感じます。
そして、その苦しみから逃れようと、脳が自ら変形させてしまうことが、研究で明らかにされていると、友田明美は語っています。
子供時代に脳が変形してしまうと、成長してから「うつ病」になりやすくなり、また視覚野、聴覚野などに影響する危険性があるといいます。正確に物が見えなくなったり、音が聞こえなくなったりするんですね。
例えば、激しい夫婦喧嘩を頻繁に見て育った子どもは「もうこの景色を見たくない!」とストレスを感じ、脳の視覚野の一部、舌状回という場所が、通常の大きさより6%も縮小してしまいます。
そうすると、言葉の理解力などの知能が低下してしまうことが多いのです。
現在マルトリートメントは、現代社会で深刻な問題になっています。
親は意識していないので、自分の子供には関係ないと考えがちですが、親の何気ない一言や行動が、子どもの脳を傷つける虐待になっていることもあるのです。
それでは、実際、どんな親の言動が「マルトリートメント」になっていて、どんなど対策をしていけばいいのでしょうか?
よくある「マルトリートメント」とその対策
自分の感情に任せて暴言を吐く
自分がイライラしているときに、子供がちょっとしたイタズラをしまうと、必要以上に大きな声で、怒ったり、過去の失敗までも取り上げて、マシンガンのように文句を言ったりすろことは、ありませいいか?
暴言というのは、身体への暴力よりもの脳へのダメージが大きいのです。ですから、耳自体の機能は正常でも、音が聞こえない心因性難聴を患うという症状がでることがあります。
【対策】
60秒を超えるお説教は感情的になってることがほとんどだと言われています。
その自分の感情任せの言葉で、子供は大きく傷ついていることも、多々あるのです。
子供を叱るときは、「60秒以内以内で叱る」と意識して叱ってください。
兄弟姉妹・友達との比較
兄弟姉妹がいれば、「お姉ちゃんはこうなのに」とか「弟なのに、○君のほうが、よくできる」など、つい比較してしまいますよね。
また子供の同級生の成長が早くて記憶が良かったり、成績が上だったり、また素直に親のいうことを聞いていたりすると、うらやましくなって、「〇〇ちゃんを見習いなさい!」なんて、言ってしまうこともあります。
他の誰かと比べながら叱ると、脳の喜びや快楽を感じる部分の線条体に影響があり、成長してから、アルコール依存や薬物依存の陥る危険性が高まるそうです。
【対策】
子供はそれぞれ、成長の速度が違うし、能力、才能も異なっています。兄弟姉妹であっても、同じ分野が得意とは限りません。
子どもが、一人一人が違うことを意識し、誰かと比較せず、本人の性格や能力と比べて、注意を与えるのが一番いいのです。
お風呂上りに裸でウロウロする
娘が中学生になったら、お父さんはお風呂上がりは、上半身裸で家の中をウロウロしない、なんて決まりがありますが、小学生の低学年でも、いやだと思う子供は結構いるんです。
また、異性の親の裸に対してではなく、同性の親の裸に対してだって、不快感を覚える子供だっているのです。
子どもが本当に嫌がっている場合は、マルトリートメントになってしまいます。
「見たくない」という防衛本能が、記憶力や認識能力の低下を招いていきます。
【対策】
子どもとコミュニケーションをとって、本当に子どもが嫌がっていたら、家の中でむやみに半裸にならないことを心がけてください。
干渉しすぎる
「宿題はやったの?」「もう、学校に遅れるから、起きなさい」「今日は寒いからコートを着ていきなさい」と、つい心配して、いろいろと干渉してしまいますよね。
でも、こどもが、子どもが自己管理できる年齢になっても、行き過ぎた管理をしてしまうと「信用されてない」と思ってしまいます。
そして、大人になったときは、自分自身を信用できず、オドオドして自身のない人間になってしまうこともあります。
【対策】
いろいろ子供のことは心配になったり、せわを焼きたくなるものですが、、グッとこらえて、その自分の心配は、子どもの為になっているのかよく考えて声をかける事が大事なのです。
友田明美の著作、ベストの本は?
子どもの脳を傷つける親たち NHK出版
『脳科学の視点から子どもの健全な発達を見つめ直す』という研究を紹介しています。
しかし、大変わかりやすい文章で、実例もはいっているので、「マルトリートメント」とは何か?を理解しやすい本です。
友田明美が、ひとりの母親として、読者と同じ目線に立って書いているので、実感がとてもわき、男性にも多く読まれています。
いやされない傷 ー児童虐待と傷ついていく脳 診断と治療社
まざまな虐待によって及ぼされる脳への影響を,わかりやすくまとめた一冊です。
厳格体罰,暴言虐待,両親間のDV曝露に関する新知見が書かれています。
ちょっと、読むと心いたくなるのですが、子供達を虐待による心の傷から回復させる効果が期待できるアプローチ法も説明しています。
まとめ
友田明美の子供への「マルトリートメント」は、親としては、知らずにやってしまっていることも多いので、どのように、子供を叱ったり、注意したらいいのかを考えさせられます。
自分の子供への言動を見直させる本ですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。